授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
14576:メディアと現代文化(J) 2024 春セメスター 木2 法学部 福間 良明 2

キャンパス

衣笠

授業施設

明学館MG202号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 『はだしのゲン』は「原爆」を扱った代表的なマンガである。これはなぜか、学校図書館や学級文庫に多く蔵書されている。図書館や学級文庫にマンガがほとんど置かれていないことを考えると、それはかなり奇異に思える。
 また、われわれは、8月15日を「終戦記念日」として記憶に留めている。だが、その日は他国との「終戦」が成立した日ではない。ポツダム宣言受諾は8月14日、降伏文書調印は9月2日である。にもかかわらず、なぜ、その日を「記念」するのか。ちなみに、沖縄では6月23日(沖縄戦が終わったとされる日)や4月28日(サンフランシスコ講和条約が発効した日)が、戦争をめぐる記念日として多く語られてきたが、日本本土では原爆の日は言及されても、それらの日が記念されることは皆無に近い。
 こう考えると、「戦争」をめぐる戦後の「常識」にはさまざまな疑問が思い浮かぶ。この授業では、こうした疑問を念頭に置きながら、戦後のマス・コミュニケーション史(ジャーナリズム史・マンガ史・出版史・映画史など)を見渡し、ナショナルな世論やアイデンティティの変容プロセスを検証する。
なお、本講義では現代の事象のみならず、戦後のメディア史・世論史も多く取り上げる。現代は現代によってのみ見えるのではなく、過去との対比によって見えるものも少なくないためである。本講義では、関連する社会史・文化史も解説しながら、近現代のメディア文化を読み解いていく。

受講生の到達目標

(1)戦後メディア史の基礎的な知識を身に着けることができる。
(2)メディア文化の変容と社会の関わりについて、歴史社会学的な観点から理解できる。
 

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

ガイダンス~授業の全体像について

授業の概要説明と導入およびメディアを読み解く視座についての概略的な説明

2

メディアを読み解く技法(1)~リアリティはリアルか

「物語」の政治性~映画『ジュラシック・パーク』『男たちの大和』『ショア』『人間魚雷回天』

3

メディアを読み解く技法(2)~言論統制とメディア文化
 

占領終結の「前」と「後」~映画『長崎の鐘』『ひろしま』

4・5

メディアを読み解く技法(3)~マンガ雑誌史と「メディアはメッセージ」
 

『はだしのゲン』のメディア論

6

教養文化と出版史(1)~教養主義と「戦争の記憶」

『きけわだつみのこえ』(書籍・映画)と「中間文化」の時代

7・8

教養文化と出版史(2)~教養主義の没落と戦争体験の断絶

岩波文庫の歴史と60年安保闘争、全共闘運動

9

教養文化と出版史(3):戦後の<格差>と「生き方」「読書」への憧れ

集団就職の時代と「人生雑誌」:大衆教養主義の盛衰

10

「教養」の変質と「昭和50年代」の中年文化:司馬遼太郎ブーム

大河ドラマ、大衆歴史雑誌、労働の変容

11

「記念日」のメディア論(1)~メディア・イベントとして「終戦記念日」

「玉音放送」とラジオの機能

12

「記念日」のメディア論(2)~「ローカル」から「ナショナル」を捉え返す

戦後沖縄と「終戦の記憶」の変容

13

観光というメディア~遺構とモニュメントの相克

「広島」の誕生と成立

14

 まとめ(1)~基軸メディアの変容と「偶然性」の低減:テレビからネットへ

カラーテレビの普及と映画の衰退、リモコンのインパクト、フィルターバブル

15

まとめ(2)~「逆さの世界」(丸山眞男)と沈黙の螺旋 ~映画『独裁者』から考える

戦後を読み解くためのメディア論・メディア史

授業実施形態

全回、対面で実施します。

授業外学習の指示

・「事前課題」として、授業に関連する映画(動画配信サービスなどで視聴が可能なもの)の感想等を、manaba+Rの掲示板に書き込んでもらいます(ミニ・レポート[事前課題])。
・復習を兼ねて、各回の授業内容の感想・質問をmanabaの掲示板に書き込んでもらいます(全5回程度)。
・全15回分のプリント(レジュメ)は、 manaba+Rの「コースニュース」にアップします(授業期間内は、常時、ダウンロード可)。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

 

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

[期末レポート:92%]授業内容の理解度を評価します。

[ミニ・レポート:8%]授業内容に関する感想・質問(5回程度)、および授業の事前課題(関連する映画の感想など:計3回程度)を提出。いずれもmanaba+Rの掲示板に書き込んでもらうので、長文を求めるものではありません。

※出席点は設けません。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
『「勤労青年」の教養文化史』 福間良明 岩波書店 978-4004318323 岩波新書
『戦後日本、記憶の力学』 福間良明 作品社 978-4861828140
『はじめてのメディア研究』第二版 浪田陽子・福間良明編 世界思想社 978-4790717478
『司馬遼太郎の時代』 福間良明 中央公論新社 978-4121027207 中公新書

参考書(使用頻度、その他補足)

授業内容に重なる章もいくつかあります。関心があれば、必要に応じて参考にしてください。

参考になるwwwページ

この科目は、教養教育における6つの科目群のうち、「立命館科目」に位置付けられています。詳しくは、http://www.ritsumei.ac.jp/liberalarts/course/course-r.html/

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html