授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
16081:IR18‐HJ301 専門演習(57) § 16082:IR-GR301 専門演習(57) 2022 春セメスター 木4 国際関係学部 南川 文里 2

キャンパス

衣笠

授業施設

諒友館RY208号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

本ゼミでは、異なった文化的・歴史的背景を持つ人々が共存する多文化社会はいかにして可能なのかを考えます。近年のアメリカ合衆国では、トランプ政権が象徴する白人優越主義の復活や移民に対する排外主義の広がりに加え、人種間の不平等に抗議するブラック・ライヴス・マター運動の動向が注目されています。日本でも、移民や外国人労働者の受け入れが議論となる一方で、外国人やマイノリティに対するヘイトスピーチが社会問題化しています。ヨーロッパでも、アフリカ・アジア各地からの難民をめぐって世論が二分し、排外主義的な政治勢力の台頭も見られます。このような困難な状況だからこそ、さまざまな背景を持つ人々が共存する社会のあり方を追求する社会理論、政策、社会実践について学ぶことが大切です。本ゼミでは、人種、エスニシティ、移民、ジェンダー、セクシュアリティなどの理論や概念を学び、おもにアメリカや日本など先進諸国の歴史と現在をふまえて、多文化が共存する社会のあり方を考えます。最終的には、ゼミで学んだ基礎知識をもとに、多文化社会に関する各自の問題関心を追求する卒業論文を完成させます。

受講生の到達目標

1)人種的・民族的・言語的・性的少数者を含む多文化社会のあり方を追求する理論や基本概念を用いて、説得的な議論ができる。
2)差別や不平等など、移民やマイノリティを含む多文化社会が直面する課題について、歴史や理論を踏まえた研究方法を身につけ、調査や研究を行うことができる。
3)学術的な研究にもとづいた卒業論文を執筆することができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

「北アメリカ研究A」「同B」「多文化社会論Ⅰ」「国際人口移動論」(IR専攻)、「Race and Ethnicity in the Modern World」「International Migration」(GS専攻)を受講することを勧めます。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1~15

ゼミの運営方法

ゼミは、3・4回生合同、原則として毎週2コマ連続(4・5限あるいは5・6限)で行います。春学期は、両回生合同で、多文化社会論・アメリカ研究の日本語・英語の基本テキストを読み、基礎知識を習得するとともに、関心があるテーマについて議論し、理解を深めます。秋学期は、3回生は、グループでテーマを決めて実際に調査・分析を行うリサーチ演習を進めます。リサーチ演習の一環として、オープンゼミナールへの参加を推奨します。年度末にリサーチ演習あるいは個人での研究テーマにもとづいたタームレポートを提出します。4回生は、夏期休暇前から卒業論文のための研究指導を行い、秋学期のゼミで経過を報告しながら論文を完成させます。新型コロナウィルスの感染状況も考慮しながら、ゼミ生主体で合宿、フィールドワーク、映画鑑賞会、ゲストレクチャーなども行いたいと考えています。

授業実施形態

BCPレベルに応じて教員から説明します

授業外学習の指示

授業中に議論に参加できるよう、テキスト該当の範囲を丁寧に読んで下さい。タームペーパー、リサーチ演習、卒業研究においては、授業外時間に研究計画を作成し、調査・研究を行うことが求められます。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
40

3回生は、ゼミで学んだ内容をふまえて、自分の関心のある研究テーマに絡めたレポート、4回生は卒業論文の構想をまとめたレポートを提出する。授業の到達目標の達成度に基づいて評価する。

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
60

出席、テキスト該当範囲についての発表、授業での発言やディスカッションへの参加、コメントペーパーを中心に、授業の到達目標の達成度に基づいて評価する。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

ゼミは「共に学ぶ」場であるということを忘れず、メンバーの1人として責任をもって参加すること。テキストの予習は必ず行うこと。無断欠席をしないこと。卒業研究の成果物として「卒業論文」の提出を必須とします。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

教科書は履修者との相談のうえで決定する。日本語だけでなく英語の文献・論文も使用したい。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
『多様性との対話:ダイバーシティ推進が見えなくするもの』 岩渕功一 青弓社 978-4787234834 2021年度テキスト
『北米研究入門2:「ナショナル」と向き合う』 上智大学アメリカ・カナダ研究所 上智大学出版 978-4324107171 2021年度テキスト
『ふたつの日本:「移民国家」の建前と現実』 望月優大 講談社現代新書 978-4065151105 2020年度テキスト
『移民政策とは何か:日本の現実から考える』 髙谷幸編 人文書院 978-4409241240 2020年度テキスト
『マルチ・エスニック・ジャパニーズ:○○系日本人の変革力』 佐々木てる編 明石書店 978-4750343587 2019年度テキスト
『移民国家アメリカの歴史』 貴堂嘉之 明石書店 978-4004317449 2019年度テキスト

参考書(使用頻度、その他補足)

※以上の文献は、過去にゼミのテキストとして使用したものの一部です。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

過去の卒業研究(卒業論文)テーマ一例(2020年度)
「英国へ「脱南」する北朝鮮公民:現状と役割とは」
「現代の格差社会について、映画と国際比較の観点から考える」
「ノルウェーが誇る「女性が活躍する社会」に潜む女性のキャリア進出を阻む壁」
「とよなか国際交流協会の成果と課題からみる今後の日本の多文化共生」
「映像文化から読み解く日本と台湾の関係性:3つの映画・ドラマを事例として」
「現代アイヌ社会と女性:複合差別の実態とジェンダー平等社会に向けて」
「なぜ日本における女性の社会進出率は低いのか」
「国際都市、神戸市における外国人集住地の形成:震災前後の神戸市長田区を事例に」
「年次有給休暇とワークライフバランス」
「アメリカのアイルランド移民とイタリア移民の比較研究」
「セルフプレジャーの正しい理解からはじまる性教育:性的自己決定感育成の観点から」
「ステレオタイプと炎上広告」
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URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html