授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
13688:憲法Ⅱ(JA) 2022 春セメスター 月3,木3 法学部,産業社会学部,文学部,映像学部 多田 一路 4

キャンパス

衣笠/衣笠

授業施設

存心館ZS301号教室/存心館ZS301号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 憲法の統治機構論について、対面による講義によって解説する。授業においては、重要な学説・判例について紹介するとともに、履修者自らが考えて理解するよう、論理性を重視して講義をすすめる。そのため、原則として講義のスタイルで行いつつも、履修者との対話を取り入れる場合もある。
 なお、憲法現象は「生もの」であるため、現実に生じている憲法現象を「賞味期限が過ぎないうちに」取り上げて解説することがある。
 中間的な到達度を確認する目的で、manaba+Rを利用して、複数回小テストを行う。この小テストは授業内で解説を行う。
 定期試験については、全体講評を行う。

受講生の到達目標

(1)統治機構論にかかわる基本的な学説・重要判例を説明することができる。
(2)統治機構論にかかわる諸概念を相互に論理的に関連付けて説明することができる。
(3)統治機構論にかかわる事例について、(1)(2)を踏まえて憲法的評価を与えることができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

法学入門、政治学入門、憲法Ⅰ

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

授業ガイダンス
憲法の概念(憲法Ⅰの復習)

形式的意味の憲法、実質的意味の憲法、憲法規範の特徴、憲法の分類、日本国憲法の基本原則

2

立憲主義

立憲主義と法の支配・法治主義、立憲主義と憲法典、明治憲法の「立憲主義」と日本国憲法の立憲主義(憲法Ⅰの復習)、日本における立憲主義の実際の運用

3-4

国民主権と国民代表

国民主権(憲法Ⅰの復習)、代表理論〔純粋代表制と半代表制〕、「国民」の概念と国民代表、日本国憲法における国民代表

4-5

選挙制度

選挙とは、選挙権の法的性格(以上、憲法Ⅰの復習)、選挙の諸原則、さまざまな選挙制度、判例、政党論

5-6

権力分立

ロック、モンテスキュー、権力分立の諸形態、立法府と行政府との関係、司法府との関係、権力分立の現代的現象形態

7-12

国会と立法権

国権の最高機関、唯一の立法機関、議決の方法、条約の承認、国政調査権、議員の権限と特権、会期制度、衆議院の解散

12-15

内閣と行政権

立憲主義と内閣、行政の概念、独立行政委員会、行政の外部化、議院内閣制、内閣の成立と構成、内閣の総辞職、内閣の権限とその行使要件、内閣の責任

15-19

裁判所と司法権

司法の概念、司法権の限界、統治行為論、裁判所の組織と構成、裁判官の任命、司法権の独立、裁判官の身分保障、裁判官の民主的統制、裁判員制度

20-22

違憲審査制度

付随的違憲審査、憲法訴訟の当事者、条約の違憲審査、法令違憲、適用違憲、合憲限定解釈、憲法判断回避、違憲判決の効力

23-25

財政議会主義と租税法律主義、予算

国民主権と財政、課税要件法定主義、徴収手続法定主義、法律主義の適用範囲、公金支出の制限、予算の法的性格、予算の執行と統制

25-27

地方自治

地方制度の沿革と地方自治、地方自治の本旨、地方自治保障の根拠論、「憲法上の」地方公共団体、地方公共団体の組織、条例と住民投票、条例と法律

28-30

憲法改正

憲法保障とその方法、憲法の変動、憲法改正の手続、憲法改正国民投票、憲法改正の内容的限界、現代改憲論の諸相と立憲主義

授業実施形態

【BCP レベル 1〜2 の場合】
 原則として対面授業を実施するので、【教室出席を求める】。
 ただし、Covid-19感染した場合に【重症化するリスク要因】を持っているなど、教室に来られない理由のある者に対してライブ配信を提供し、更にやむを得ない理由により当該授業の時間にライブ配信も含め受講できなかった者に対し、録画データ等の授業資料をオンラインで提供する。
 原則として、すべての授業回でこの形態で実施する。録画データ等の授業資料の事後提供は、やむを得ない理由により受講できなかった者に対して行うものであるので、受講生に一般的に公開するものではなく、「やむを得ない理由」を疎明した者に対してのみ行う。
 「やむを得ない理由」とは、主に、ライブ配信を受講しようとしたが、ネットワークやアプリなどのトラブルにより受講できなかったことを想定している。そのほか、学習要覧(全学部共通編)のⅢの「3.公欠、公欠以外の授業配慮、学校感染症に罹患した場合の取扱」に記載されている事由も、当授業において「やむを得ない理由」と見做す。いずれにせよ、疎明が必要である。

【BCPレベル 3~4 の場合】
 この授業が予定されている曜日時限にオンラインでライブ配信形式で実施する。

授業外学習の指示

下記に記した参考書などを参考に、予習・復習をすること。
manaba+R上で授業外に小テストを課す。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 60

到達目標(1)(2)(3)に対応して、基本概念や学説・判例の理解を前提に、憲法上の問題をはらむ事例に対し、憲法に照らした評価を問う問題を出す。答案の構成や論理性も評価の対象となる。

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
40

到達目標(1)(2)に対応して、manaba+Rにおいて、小テストを4回行う(各10%)。

成績評価方法(備考)

定期試験が実施できない場合は、定期試験に代えて定期試験期間にオンラインで試験を実施する。

受講および研究に関するアドバイス

・毎日の新聞を必ず読み(必ず「紙」の紙面を読むこと。ネットのニュースは、ニュースバリュー自体が偏っている(フィルターバブル)ため、目に触れない重要なニュースを見落とす)、現実政治の動向を把握すること。
・日本史、政治・経済などの高校までにならったはずの常識的な知識を踏まえた授業内容であるから、それについて不足を感じる者は高校の復習をすること。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
憲法講義 第3版 本秀紀ほか 日本評論社 978-4-535-52563-4
基本講義 憲法 第2版 市川正人 新世社 978-4-88384-345-9
現代憲法入門 只野雅人ほか 法律文化社 978-4-589-04011-4 多田が分担執筆
START UP 憲法 判例50! 第2版 上田健介ほか 有斐閣 978-4-641-22786-6 初学者向け判例集
憲法判例百選Ⅱ 第7版 長谷部恭男ほか編 有斐閣 978-4-641-11546-0 定番判例集

参考書(使用頻度、その他補足)

以上は、予習・復習など、授業外で必要な学習のために掲示している。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html