法哲学とはどのような分野か

法哲学の位置づけ、法哲学の主な問題領域

古代～近世の法思想

古代ギリシアの法思想、古代ローマの法思想、中世の法思想、近世の法思想

近代の法思想(1)

イングランドの自然権思想、ドイツ啓蒙の法思想、スコットランド啓蒙の法思想、フランス啓蒙の法思想

近代の法思想(2)

カントの法思想、ヘーゲルの法思想、サヴィニーの法思想

近代の法思想(3)

ベンサムの法思想、ミルの法思想、オースティンの法思想、メインの法思想

近代の法思想(4)

サヴィニー以後の歴史法学、イェーリングの法思想、自由法運動、ドイツ公法学

リアリズムの法思想

アメリカ法の草創期、ホームズの法思想、リーガル・リアリズム、社会科学と法

ケルゼンの法思想

純粋法学、事実と規範の区別、シュミットによる批判

ラートブルフの法思想

価値相対主義、法理念論、ラートブルフ定式、再生自然法論

ハートの法思想

分析法理学、法と道徳の分離、フラーによる批判

ドゥオーキンの法思想

ルールと原理、解釈的アプローチ、原理の共同体

ポストモダンの法思想

ポストモダン、批判法学、法システム論、フェミニズム法学

法と経済学

コースの定理、ポズナーの「富最大化」理論、厚生経済学的アプローチ

法的議論の理論

法学的ヘルメノイティク、トピクとレトリック、実践的討議の理論

法理論――小括

法とは何か、法の妥当性、法の三類型モデル

正義論序説

正義とは何か、法と正義

古典的功利主義

功利主義とは何か、功利主義の展開

現代的功利主義

功利主義の特徴、ヘアの二層理論、シンガーの包括的功利主義

ロールズの正義論(1)

ロールズの『正義論』、原初状態、正義の二原理

ロールズの正義論(2)

ロールズの『政治的リベラリズム』、ロールズの『諸国民の法』

平等主義的リベラリズム

センのケイパビリティ・アプローチ、ドゥオーキンの資源平等主義、平等の制度化

リバタリアニズム

ノージックの最小国家論、ロスバードの無政府資本主義、ハイエクの古典的自由主義、リバタリアン・パターナリズム

多文化主義

文化の共存、テイラーの多文化主義、キムリッカのリベラルな多文化主義、モーリス=スズキの内なる多文化主義

コミュニタリアニズム

マッキンタイアのコミュニティ論、ウォルツァーの財の理論、サンデルのコミュニタリアニズム

グローバルな正義

国境を越える正義、コスモポリタニズム、正戦論

ジェンダーの正義

婚姻制度、議会におけるクォータ制

世代間の正義

世代を越える正義、将来世代の特徴、将来世代への配慮の正当化論

生命倫理

人工妊娠中絶、代理出産、臓器移植、安楽死

正義論――小括

多元的社会における正義、正義論の展開

再び、法哲学とはどのような分野か――総括

自然法論、法実証主義、法哲学とは何か

授業内容に沿ったレポート課題（複数回実施）を通じて、上記の到達目標がどの程度達成されているかを評価します。すなわち、1. 法哲学に関する知見の活用、2. 法哲学的な問題の把握、3. 問題の分析と解決案の提示の三点につき、十分な水準に達しているかが評価の基準となります。