授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
14651:東洋史特殊講義(LC) 2020 秋セメスター 金3 文学部 増井 寛也 2

キャンパス

衣笠

授業施設

清心館SE203号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

《北と南ーあるいは遊牧国家と農耕国家ーから見た「中国」史》
 現在の地理的な「中国」、つまりかつての清帝国の最大版図、およびそれをほぼ継承した中華人民共和国の統治空間は、歴史的には大きく南北に分けて理解するのが有効である。北を代表するのがモンゴル高原の騎馬遊牧民であり、南を代表するのが農耕民の漢民族である。この講義では時代を古代に限定し、遊牧国家「匈奴」と農耕帝国「漢」という、南北二つの異質な世界の相克から歴史を読み直すことを目指す。

受講生の到達目標

1.歴史を一つの有機的なまとまり、あるいは因果関係の束として理解することができる。
2.歴史を政治史に偏らずに、総合的・全体的に把握する重要性を認識することができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等

「中国」とはどこか? 「中国」人とはだれか?

中華と夷狄

「中国」の地域構造

「内」中国と「外」中国

「中国」の分裂と統一の循環構造

気候変動と寒冷化/北方遊牧民の活動

前近代の華北農耕社会とその不安定性

乾燥農業/黄河の脅威/自然災害

漢帝国の成立前史

周代の封建制/春秋戦国時代の郡県制/始皇帝

漢帝国の成立ー武帝以前

郡国制から郡県制へ

古代中国の農耕社会とその不安定性

乾燥農業のありよう/漢帝国の農民支配

モンゴル高原の遊牧社会とその性格

モンゴル高原の環境条件/遊牧生活の諸相

北方ユーラシアの青銅器時代と匈奴の出現

スキト=シベリア文化/初期遊牧民の台頭

10

匈奴遊牧国家の構造

遊牧民の国家形成/農耕国家との交渉

11-13

漢と匈奴の抗争

高祖劉邦と冒頓単于の和親条約/武帝の第一次匈奴戦争と第二次匈奴戦争

14

漢‐匈奴八〇年戦争終結後の漢と匈奴

匈奴の衰退と分裂/漢帝国への屈服/長城内への移動

15

匈奴のその後

遊牧民にとっての発展とは?

授業実施形態

授業外学習の指示

予習:事前配布のレジュメを下読みして、各授業日配当の講義内容をあらまし点検しておく。
復習:毎回授業終了時に、授業内容に関連する質問を出題し(小レポート形式で回答)、次回授業時に回収する。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
50

授業内容のなかからテーマを出題し、テーマに関する理解度と説得力、記述の論理性を問う。

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
50

受講生の到達目標に即して、毎回教員側からの質問に答える形式で授業内容に関する小レポート(400字程度)を提出する。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

教科書は使用しない。教員作成のレジュメを配布する。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
遊牧国家の誕生 林俊雄 山川出版社 978‐4‐634‐34936‐0C1322
冒頓単于 沢田勲 山川出版社 978‐4‐634‐35014‐4C1322
漢の武帝 永田英正 清水書院 978‐4‐389‐42189‐2C‐1310

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html