Course Name Year Term Period Faculty / Graduate School All Instructors Credits
16053:IR18‐HJ301 Advanced Seminar (34) § 16054:IR-GR301 Advanced Seminar (34) 2022 Spring Mon5 College Of International Relations ITAKI MASAHIKO 2

Campus

KIC

Class Venue

YOYOKAN YY306

Language

日本語

Course Outline and Method

とうとうわたしのゼミも来年度が最後の募集となった。わたしは、2023年3月で65歳の定年を迎える。みなさんが最後のゼミ生である。「え、3回生だけでゼミ終わってしまうの?!」――心配ご無用、みなさんが4回生を卒業するまで、ゼミは継続される。みなさんは、国際関係学部最長ゼミ33期のゼミ生である。つまり、残念ながらみなさんに後輩はいない。しかし、32期、400人以上の先輩たちがいる。最年長者は、いまや53歳である。みなさんは卒業後、この数多くの先輩たちと長い長い板木ゼミ卒業生としてのお付き合いが始まる。今日はその門出の日である。
 これまでいろいろなテーマをゼミ生と勉強してきた。2021年度は「COVID-19後の世界――米中経済摩擦と覇権争いに焦点を当てて」であった。2022年度は「第4次産業革命とわたしたちの未来」とした。
 「第4次産業革命」とは、2016年第46回世界経済フォーラム(ダボス会議)で提起された世界史のとらえ方である。18世紀末―19世紀初頭の第1次産業革命は、機械・蒸気革命(道具から機械への転換、蒸気へのエネルギー転換)、19世紀末―20世紀初めの第2次産業革命は、エンジン・電気革命(内燃機関と電力へのエネルギー転換)、1980年代―21世紀初めの第3次産業革命は、デジタル・インターネット革命(パソコン・携帯電話、インターネット、半導体――アナログからデジタルへの転換)、そして現在進行中の第4次産業革命は、AI・Big Data革命(IoTあるいは人間も対象に含んだIoE: Internet of everything、Big Data、人工知能AI、AI制御ロボット、自動運転、GAFAによるターゲット・マーケティング)である。ある予測によると、2035年までにイギリスで34%、アメリカで42%、日本で49%の労働がAIとロボットによって置き換えられ、自動運転によって運送業労働者の98%が失業し、金融労働者、医師、弁護士などの専門職も激減するという。もちろん、これを上回る新雇用が創出されるが、そのほとんどが現時点では存在しない職業だという。これがわずか15年後の未来――みなさんが、30歳半ばの未来だという。震撼すべき事態である。 これはたんに経済だけにかかわる問題ではなく、国際政治、国際社会全般に計り知れない影響を及ぼす。米中覇権争いやグローバリゼーションも今とはまったく違った姿を取っていることだろう。
 来年度のわたしたちのゼミでは、2021年度に引き続いて、経済学および国際経済学(貿易・投資・金融)全般の基礎学習をまず前期に行なった上で、後期には3回生全員で「第4次産業革命とわたしたちの未来」にかかわる「共同論文」の制作に取り組んでもらう。

Student Attainment Objectives

膨大な統計処理と、厳しい概念訓練、透徹した歴史感覚が求められる、たいへんdemanding &challenging な内容である。たしかに負担も大きく、後期になれば毎日ゼミ漬けである。しかし、1 年後には、何かをしっかり学んだという実感と、確かな分析力を身につけることができる。また、それを支える団結力の強さとゼミ生の仲の良さが、30数年に及ぶわたしのゼミの自慢である。飲み会・合宿も多いし、夏冬の海水浴・スノボなどゼミ旅行もある(コロナ・ウィルスの終息を祈っています!)。卒業生もゼミにしょっちゅうやってくる。大学を卒業してもお付き合いを続けていける生涯の友人を何人も見つけてほしい。
*2023年3月に、33年間にわたる卒業生とともに、今後の長いお付き合いを誓ってパーティを開催しようと計画している。皆さんにとっても、数百人の社会人の先輩と知り合える良い機会だと思う。そのための実務の中心メンバーとして活躍してもらうことも覚えておいてほしい。

Recommended Preparatory Course

経済関連の授業をなるべく多く受講しておくこと、経済学入門書・専門書にできるだけ目を通しておくこと。つねに英語力を鍛錬しておくこと。

Course Schedule

Lecture/Instructor(When there are multiple instructors) Theme
Keyword, References and Supplementary Information
1~15

ゼミの運営方法

☆3・4 回生合同のグループ研究(卒業論文の指導は、一部別立てとなる)
3 月 春合宿
5 月 マクロ合宿
4 月-7 月 文献輪読
9 月 夏合宿
10 月-1 月 3 回生共同論文、オープンゼミ
      4 回生卒論
1 月頃 就職合宿

Class Format

BCPレベルに応じて教員から説明します

Recommendations for Private Study

 経済学に限らず、国際関係学部生であることの特権を十分に活かして、政治や法律、社会や文化の従業をできるだけ多く受講することを強く推薦する。

Grade Evaluation Method

Kind Percentage Grading Criteria etc.
Final Examination (Written)

Report Examination
(A report to be submitted by the unified deadline)
40

タームペーパー

Exams and/or Reports other than those stated above, and Continuous Assessment 
(Evaluation of Everyday Performance in Class)
60

日常点評価

Grade Evaluation Method (Note)

Advice to Students on Study and Research Methods

広く社会問題全般に関心を持っていることが大切。日経新聞など、日々の新聞は必読。NHKやBBCの英語ニュースを聴こう。

Textbooks

Title Author Publisher ISBN Code Comment
『第四次産業革命と教育の未来』 佐藤学 岩波ブックレット
『学校を改革する』 佐藤学 岩波ブックレット
『米中経済摩擦の政治経済学― 大国間の対立と国際秩序』 中本悟編 晃洋書房 2021年刊行予定

Textbooks (Frequency of Use, Note)

Reference Books

Title Author Publisher ISBN Code Comment
国際経済政策 新岡智、板木雅彦、増田正人編 有斐閣 2005年
現代世界経済をとらえる 石田、板木、櫻井、中本編 東洋経済新報社 2010年
国際過剰資本の誕生 板木雅彦 ミネルヴァ書房 2006年
君たちはどう生きるか 吉野源三郎 岩波書店 1982年
アイデアの作り方 ジェームズ・ヤング 阪急コミュニケーションズ 1988年
読書と社会科学 内田義彦 岩波書店 1985年

Reference Books (Frequency of Use, Note)

Web Pages for Reference

Bureau of Economic Analysis, US Department of Commerce  http://www.bea.gov/
経済産業省 http://www.meti.go.jp/
財務省 http://www.mof.go.jp/
総務省 http://www.soumu.go.jp/ (統計および電子政府の総合窓口)
世界貿易機関WTO  http://www.wto.org/
国連貿易開発会議UNCTAD  http://www.unctad.org/

How to Communicate with the Instructor In and Out of Class(Including Instructor Contact Information)

Talk with Students,Other (Separate instructions will be provided)

Other Comments

過去の卒業研究(卒業論文)テーマ一例
ここでは参考として、3回生共同論文のテーマをいくつか上げる。
「デジタル社会とアルゴリズムの暴走」(2020年度)
「米中覇権争い――対立の本質」(2019年度)
「日本経済回復の道筋」(2018年度) 
「道なき道を行く「未完」の超大国 中国」(2017年度)
「金融経済の大爆走と実体経済——実は繋がっていた赤い糸——」(2016年度)
「日本の国債バブル崩壊リスク――資本の三層構造からの分析」(2015年度)
「未来なき格差拡大型資本主義――世界中に蔓延する邪悪な影」(2014年度)
「アメリカを暴く――崩れゆく覇権幻想」(2013年度)
「日本経済の行方――過剰貨幣資本非循環型擬制資本膨張経済の分析を通じて」(2012年度)
「バブルなき経済成長――アメリカ主導ボランチ型循環経済システムに組み込まれた国家たち」(2011年度)
「新興国バブル――高成長への幻想」(2010年度)
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html