授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
11475:東アジア文化史の基礎知識 (L) § 11476:東洋史特殊講義(LC) 2022 春セメスター 水3 文学部 廣居 健 2

キャンパス

衣笠

授業施設

敬学館KG115号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

「中国文化史研究の視座と方法~食文化史研究をサンプルに」

  端的には科目名にあるとおり「東アジアの文化史を研究するための基礎知識」を獲得することを目標として「講述」を中心に展開します。
  とはいえ、あまりに総論的なことばかり講述していても実用に堪えないとも思います。そこでこの際、様々あってよい「文化史への切り口」のうちから、担当者(廣居)の専門分野である「前近代中国の食文化史」の中から具体的なテーマを選んで方法論の紹介をするとともに、言うなれば「ケーススタディー」のような作業も展開しながら、主に「史料の取り扱いかた」に慣れることも目論みます。ですから大雑把には
    ・前半:総論的に基礎知識を獲得する
    ・後半:具体的な作業をしながら方法を学ぶ
とイメージしてもらえばよいと思います。


  ところで、そもそも現在に至る東アジア世界の礎を提供したのは中国です。従って、本講座では先ずは「中国文化の成り立ち」について「歴史的視点に立ちつつ関連する研究に触れる」ことを通して、より深い考察を進める為の準備も整えることも目的にします。つまり、講述内容としては「中国」に特化するわけですが、それを自分の研究に活かすというところに皆さんのウデの見せ所があるという気持ちで臨んでください。また、本質的に既存の学問領域的枠組みをこえて展開しますので、頭を柔らかくして臨んでください。
  
  なお、スケジュールに示した各項目で取り上げる具体的なテーマについては(一応、こちらで用意はしておくものの)可能な範囲で皆さんの興味や関心等に応じて決定したいと考えています。初回以降、早いうちに実施する「小レポート」を通して各自の興味や関心を伝えてください。
  また、各「小レポート」および「中レポート」については、その日のうちに回収する場合は回収直後を、日をおいて回収する場合は締め切り直後の回の冒頭を、それぞれ「講評」に充ててフィードバックの機会とする予定です。

受講生の到達目標

講義内容を活用して、現在も含めた中国的世界の内包する諸問題について文化史的視点からより深く考察できるようになることを目標とする。

事前に履修しておくことが望まれる科目

特にない。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

ガイダンス・サンプル講義:「食と文化」

文化人類学,民俗学/青木正児,篠田統,中村喬

2 ~4

「中国食文化論」簡介~概説を中心に~

傳注義疏,考證学,類書,本草,礼書

5~6

「食」に関する専著概観

『齊民要術』 ,『北山酒經』

7〜8

文学から「食」を抽出する

「涼州詞」 ,『文選』・「三都賦」

9〜10

経書が示す「食のカタチ」

『儀禮』・「郷飲酒禮」,『禮記』・「郷飲酒義」

11〜12

史書に残る「食の風景」

史類・諸記事,政書類,會典類等

13~14

その他の「食の風景」

日記・行記類 ,箴言類 ,その他

15

まとめ

再論「食と文化」

授業実施形態

【BCPレベル1~2】
(受講登録者数次第)
第1週目、第2週目はメディア授業で実施します。
受講登録者数が教室定員以下の場合は、第3週目から対面授業を実施します。
受講登録者数が教室定員を超えた場合は、第3週目以降もメディア授業を継続します。ただし、グループ分け等の方法により対面授業を実施する場合もあります。
第3週目以降の授業実施形態は、本登録期間終了後にmanaba+Rで通知します。

【BCPレベル3~4】
(メディア授業)
メディア授業で実施します。

授業外学習の指示

  この種の作業には歴史的素養が必要ですが、さしあたり特に歴史的素養のみを取り扱う時間は用意しませんので、不安があるならば通史程度(受験レベルでも充分)は復習をしておいてください。また、各テーマに関する単純な下調べのみならず、その記載内容のうちのどのテーマに学術的関心を持ったか等についてだけでも各テーマの一日目に報告できるように準備しておく(=「小レポート」ととして回答できるようにしておく)と、より効果的だと思います。
  ただ、仮にそれらの「前提的素養が不十分」と感じたら、上記【スケジュール】にとらわれず予定を変更してでも時間を割き、例えば「中国目録学略説」や「中国通史略説」といった形式で補習的に講ずる用意はしておきます。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
50

期末に際し課するレポート。
=「大レポート」:上記目標に到達しているか否かを問う

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
50

何度か実施する予定の各種レポート

・小レポート:各回ないしは各項目に関わる確認的作業
・中レポート:やや時間をかけて調べる“小論文”(出来不出来を問う)

*自主レポート:各自の取り組み

等の合計。

成績評価方法(備考)

  大・中・小3種の「課題レポート」のほかに「自主レポート」の提出を認める。「自主レポート」とは、教室で「課題」として要求されずとも、興味をもったことなどについて「自主」的に取りまとめて提出すれば随時受付け、評価の際には適宜勘案するというものです。但し、中レポートの代替とはしないので注意してください。
  なお、大レポート以外は原則として教室で提出してください。(=教室で講義が行われている限り、原則としてはWebでの提出は認めませんが、やむを得ない場合は別途対応します)

受講および研究に関するアドバイス

学問領域にとらわれずに様々な角度からみつめなおすという態度で望むとよい。
専門外の諸君も各自の専門性も活かす心持ちで臨むとよい。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

特に指定しない。必要に応じて適宜プリントして史資料を配布する。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
中国の食譜 中村喬 平凡社 4582805949 東洋文庫 ; 594
華国風味 青木正児 岩波書店 4003316517 岩波文庫 ; 青33-165-1 原:弘文堂1949.6 また全集にも収録
中国食物史の研究 篠田統 八坂書房
校訂訳註『斉民要術』 西山武一, 熊代幸雄訳 セイミン ヨウジュツ 東京 : アジア経済出版会

参考書(使用頻度、その他補足)

如上はあくまでも紹介するだけで特に購入指定まではしない。また、教室で注釈を付けつつ随時紹介する日本語訳も「先行研究」のひとつであるという意識で充分に点検し、活用するとよい。

参考になるwwwページ

特にない。寧ろ濫用を強く諫める。

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html