授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
10798:公的扶助論(S) 2024 春セメスター 木1 産業社会学部 瀬野 陸見 2

キャンパス

衣笠

授業施設

以学館IG301号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

【授業の概要】
 貧困とは、資本主義経済において不可避の現象であり、社会科学の中心課題の一つであったと共に、各国で様々な対応を行ってきた。しかしなぜ、貧困対策をしなくてはならないのだろうか。なぜ国家は公的扶助制度を設けているのだろうか。社会保障制度において、公的扶助はどのような位置づけであり、どのような「圧力」に晒され、どのように展開してきたのであろうか。
 本授業では、生活保護制度の正確な理解、並びに貧困の現状をデータで具体的に把握することを前提とした上で、そのような根本的な問いを繰り返し行い、いかにすれば「貧困」を巡る諸問題を緩和させることができるのか、地道に検討を繰り返すことを行う。できる限り、種々の実例や直近のニュース等も参照しつつ、最終的には、生活保護制度が目指している「自立」とは何か、求められる「自立」とは何か、ということを批判的に検討することを行いたい。ハードな内容ではあるが、粘り強く思考を続けることが、最も重要になるだろう。

キーワード:公的扶助、生活保護、貧困、生活困窮者自立支援制度、低所得者対策

【授業の方法】
 本科目は大学設置基準ならびに立命館大学産業社会学部則、立命館大学大学院社会学研究科研究科則において、区分を面接授業とする。詳細な実施方法については、manaba+Rのコースニュース、「授業スケジュール」および「授業実施形態」欄を確認のこと。

受講生の到達目標

(1)現代の貧困の実態を把握し、その社会的背景を理解する。
(2)貧困に関する諸理論と歴史的展開を学び、その概要と特徴を自分の言葉で説明できる。
(3)生活保護(公的扶助)、低所得者施策について、制度の概要、原理原則、運用について説明できる。
(4)生活保護をめぐる近年の動向を学び、その課題について考察し、問題点を指摘できる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

ガイダンス、貧困と公的扶助制度を学ぶことについて

公的扶助、最近の貧困を巡る状況

2

公的扶助の概念

公的扶助、私的扶助、社会保険、救貧、防貧

3

貧困の概念

貧困概念の普遍性、記述的・規範的、絶対的貧困、相対的貧困

4

貧困状態にある人の生活実態とこれを取り巻く社会環境

生活実態、貧困の実際、社会・経済構造の変化

5

貧困の歴史

生存権、貧困観、貧困調査、貧困の発見、恤救規則、救貧法

6

生活保護制度(1)保護の原理・原則

基本原理、基本原則

7

生活保護制度(2)保護の種類:特に生活扶助・医療扶助・住宅扶助

扶助の種類、生活扶助、医療扶助、住宅扶助

8

生活保護制度(3)権利と義務、不正・不適正受給

被保護者の権利と義務、不正・不適正受給

9

生活保護制度(4)生活保護財政と生活保護基準

生活保護費の性格、法定受託事務、生活保護基準の変遷

10

生活保護制度(5)生活保護の動向

生活保護の動向、扶助の動向

11

低所得者に対する法制度(1)生活困窮者自立支援制度・生活福祉資金貸付制度

生活困窮者自立支援制度、生活福祉資金貸付制度

12

低所得者に対する法制度(2)低所得者対策とホームレス対策

無料低額宿泊所、無料低額診療事業、公営住宅、ホームレス自立支援法

13

貧困に対する支援における関係機関と専門職の役割

福祉事務所、社会福祉協議会、自立相談支援機関

14

貧困に関する支援の実際

本人理解、就労支援

15

まとめと展望:これからの公的扶助はどうなるか? 

ハウジングファースト、再分配制度

授業実施形態

第1回~15回を対面授業にて実施

授業外学習の指示

【予習】テキストの該当箇所を予め読み、疑問点をノート等にまとめ、質問出来るようにしておく。また、貧困や生活保護制度に関連するニュースを収集しておく。
【復習】授業内容を再度自分なりにまとめ、その回の骨子を自ら説明できるようになること。その過程で生じた新たな疑問は、担当者へ質問するなりして必ず解決すること。 

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

全ての到達目表に対応して、理解度を問うための小テスト(計5回)を授業時間内に行う。

成績評価方法(備考)

小テストはmanaba+Rを使用予定。日程等、詳細については第1回目の授業にて説明する。

受講および研究に関するアドバイス

制度を正確に理解することを第一に心掛けること。その上で、貧困という現実にどうやって向き合うか、どうすれば「マシ」になるのか、粘り強く考えること。公的扶助制度以外も含めた、社会保障制度を広く深く理解しようとすること。そして教員から発せられる問いに答えるのみならず、教員に問いをぶつけられるようになること。

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
貧困に対する支援 一般社団法人 日本ソーシャルワーク教育学校連盟(編) 中央法規 9784805882474

教科書(使用頻度、その他補足)

授業はテキストの内容に沿って進行する。ほぼ全ての授業回で参照する。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
入門 貧困論 金子充 明石書店 9784750345475
貧困に対する支援 杉本敏夫(監修)金子充・田中秀和・中村健・立花直樹(編著) ミネルヴァ書房 9784623093816
日本の社会政策 第3版 久本憲夫・瀬野陸見・北井万裕子 ナカニシヤ出版 9784779517334
新版 貧困とはなにか ルース・リスター(著)、松本伊智朗(監訳)、松本淳・立木勝(訳) 明石書店 9784750356488

参考書(使用頻度、その他補足)

授業内容はこれらの参考書の内容も踏まえて構成されている。より理解を深めたい場合に参照すること。

参考になるwwwページ

貧困統計ホームページ 
https://www.hinkonstat.net/
国立社会保障・人口問題研究所
https://www.ipss.go.jp/
労働政策研究・研修機構
https://www.jil.go.jp/

各種データを探したい時に参照する。

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html