授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
32663:[2025 秋セメスター]量子力学1(T2) § 32664:量子力学Ⅰ (T1) 2025 秋セメスター 水4 理工学部 藪 博之 2

キャンパス

BKC

授業施設

コラーニングⅠ 301号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

すべてのものは原子とよばれる粒子からできている。20世紀のはじめに、NewtonやMaxwellによってはじめられた物理学を原子とその運動に用いてミクロな立場から物質の性質を調べる物理学がはじめられたが、その結果は力学や電磁気学が物質の基本的な性質を説明できないだけでなく、物質が安定に存在することさえないという完全な矛盾であった。ミクロな世界では粒子の位置や速度といったそれまで当たり前とされてきた考えさえ成り立たないことが明らかとなった。それを克服するための物理学者の努力から原子やより小さい原子核・素粒子などのミクロな世界を記述する新しい物理理論が生まれた。それが量子力学である。そして現代物理学がはじまった。量子力学は物質の成りたちを理解するための基礎である。また、現代における技術の発達は、量子力学にしたがうミクロな世界の制御(量子制御)を行なう段階にいたっている。量子力学Iでは、講義「量子論と相対論の世界」で学んだ量子力学の基礎となる諸概念からいかに量子力学が構築されるか、それを記述する数学の形式はどういうものかを紹介し、量子力学の導入を行なう。また、それにより現実の物理現象がいかに理解されるかを簡単な場合に議論する。(本格的な応用については量子力学IIで紹介する。)本講義における量子力学の解釈はコペンハーゲン解釈によるものとする。

受講生の到達目標

量子力学に現れる、観測量と不確定性関係,粒子性と波動性の関係,確率解釈, 相補性といった物理的な考え方を理解し、演算子の運用, 波動関数と波動方程式といった数学的形式について、簡単な運用ができるようにする。

事前に履修しておくことが望まれる科目

量子論と相対論の世界を履修している、あるいは相当の知識を有していること。力学1-3, 電磁気学, 物理数学1の単位を取得している、あるいは相当の知識を有していることが望まれる。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
-

+R授業

補足的内容をPanoptoで配信し、随時見れるようにする。

A1章

確率振幅

電子によるヤングの干渉実験
確率振幅
確率振幅による干渉実験の解析
電子のスリット通過を観測する干渉実験
確率振幅による電子のスリット通過を観測する干渉実験
確率振幅の規則
練習問題

A2章

波動関数とシュレディンガー方程式

波動関数
波動関数
シュレディンガー方程式

A3章

波動関数

運動量一定状態に対する波動関数(1 次元)
1 次元自由粒子(箱型)
運動量一定状態に対する波動関数(3 次元)
箱式規格化平面波解の直交条件
1 次元自由粒子(δ 関数型)
練習問題
正準量子化、相互作用がある場合のSchr¥"odinger方程式、確率密度と確率の保存則

A4章

相互作用がある場合のシュレディンガー方程式

正準量子化
相互作用がある場合のシュレディンガー方程式
確率密度と確率の保存則
練習問題

B1章

1次元調和振動子ポテンシャルと束縛状態波動関数

1次元調和振動子ポテンシャル
エルミート多項式による束縛状態
調和振動子波動関数
調和振動子における粒子分布の拡がり
1次元調和振動子ポテンシャルの級数展開による解
練習問題

B2章

Box-plus ポテンシャルと散乱状態波動関数

Box-plusポテンシャル
撃力のあるポテンシャルの境界条件
Box-plusポテンシャルの散乱状態解(0≤E≤v0)
右進行波解と透過係数・反射係数とトンネル効果
練習問題

C1章

運動量の測定

座標表示の状態関数
運動量表示の状態関数
確率振幅の変形
座標表示と運動量表示の変換
位置・運動量測定と位置・運動量演算子

C2章

量子力学における演算子

演算子
物理量と演算子
位置演算子・運動量演算子
ハミルトニアン演算子
練習問題

C3章

交換関係と正準量子化

演算子の交換関係
正準交換関係
交換関係と物理量の観測

C4章

量子力学における時間発展

量子力学における時間発展
時間発展のシュレーディンガー描像とハイゼンベルク描像

13〜14

第11章(2)
Laplace方程式と調和多項式

Laplace方程式、調和多項式

付録A

複素数、正弦積分、Fourier級数、Fourier変換、Sturm・Liouville 型微分方程式の理論、量子力学における経路積分(直感的説明)

複素数、複素数のべき根、練習問題
1次元波動方程式、三角関数の直交性、三角級数、Fourier級数、Riemann-Lebesgueの定理、関数列の収束、Fourier級数の各点収束性、関数列としてのFourier級数
Fourier変換、Fourier積分定理、超関数、Fourier変換の性質
Huygensの原理、二重スリット実験における経路と確率振幅、量子力学における確率振幅と作用、量子力学における経路積分

付録B

解析的に解ける1次元ポテンシャル問題

tanh-ポテンシャル、ペッシェル・テラー-ポテンシャル、修正ペッシェル・テラー-ポテンシャル、モース-ポテンシャル、1次元クーロン・ポテンシャル

以上の内容を15回相当の講義で行う。(講義回数は進行に応じて変化します。また付録は部分的にとりあげることがあります。)

授業実施形態

原則的に対面で授業を行います。対面で行った授業の補助としてオンデマンドの動画を用いることがあります。

授業外学習の指示

manaba+Rで配布されるプリントには計算の詳細や関連した問題が載せてあります。これを見れば授業内容に関係する細かい部分までわかるはずなのでご研究下さい。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

定期試験はありません(皆様に過度の負担をかけることなく定期試験を行う有効な方法を見出しえないため)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

レポート試験は行いません。レポート試験とレポートを混同しないようご注意願います。

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

上記の到達目標が達成されているかどうかについて、達成度を評価する。

成績評価方法(備考)

2023年度の「量子力学I」は定期試験を行いません。平常点評価のレポート等で成績をつけます。

受講および研究に関するアドバイス

何かを学ぶということの基本は自学自習にあります。講義というものそして教師というものも結局は自分が勉強するための手段でしかありません。量子力学を勉強するするのは受講する皆さんで、わかりたいのも皆さんです。そのために講義を大いに活用してください。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

教科書は特に指定しません。プリントを配布して、それに従って講義を行ないます。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
量子力学選書:多粒子系の量子論 藪 博之 裳華房 9784785325145 本書の最初の部分は本講義と共通
ファインマン物理学V ファインマン,レイトン,サンズ 岩波書店 4000077155 戦後を代表する物理学教程
量子力学 梅沢博臣, ヴィティエロ 日本評論社 4535784299 形式面の展開がすばらしい
大学演習 量子力学 小谷 正雄, 梅沢博臣 裳華房 4785380128 上の本と相補的な演習書
量子力学(上)(下) シッフ 吉岡書店 4842701471, 4842701587 意味と形式のバランスがよい
量子力学I,II ランダウ, リフシッツ 東京図書 4489000588, 4489000596 量子力学の応用が豊富
量子力学の一般原理 パウリ 講談社 存在しない 簡潔にしてバランスのとれたreview

参考書(使用頻度、その他補足)

上に上げた参考書は私が量子力学を学ぶうえで大きな影響を受けた本です。したがって、それは私の講義に必然的に影響をおよぼしています。そういう意味で参考書にあげておきました。読まなければいけないという意味ではありません。その他の本は講義で紹介します。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

インタラクティブシート,manaba+R,その他(教員より別途指示)

備考


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URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/