| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科 | 全担当教員 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 10796:国際保健医療政策研究(S) | 2024 | 春セメスター | 月4 | 産業社会学部 | 松田 亮三 | 2 |
キャンパス
授業施設
授業で利用する言語
授業の概要と方法
医療は人の命と健康に関わる重要なサービスです。本科目では、受講生が、医療の仕組みについての理解をもとに、誰もが必要な医療を経済的な不安をもたず利用できるような医療の仕組みをつくり、維持することに向けて、市民として議論できるようになることを目指します。その際、日本、米国、英国、フランス、ドイツ、スウェーデン、韓国などのいろいろな国の事例も参照しながら検討します。
講義では、重要論点現実の課題についての意見を求めるなど、積極的参加を重視します。
【授業の方法】
本科目は大学設置基準ならびに立命館大学産業社会学部則、立命館大学大学院社会学研究科研究科則において、区分を面接授業とする。詳細な実施方法については、manaba+Rのコースニュース、「授業スケジュール」および「授業実施形態」欄を確認のこと。
受講生の到達目標
1.誰もが利用をできるという普遍給付の理念が、国際社会でどのように位置づけられているか
2.医療におけるサービス・保険市場の特徴は何であり、普遍主義からみてどのような限界があるか
3.普遍給付を実現するうえで、政府は、社会保険や公共サービスをどのように用いればよいか
4.医療支出の増大に対して、政府はどのように対応すべきか
5.よりよい医療機構に向けて、社会はどのような対応をなすべきか
事前に履修しておくことが望まれる科目
授業スケジュール
| 授業回数/ 担当教員(複数担当の場合) |
テーマ |
|---|---|
| キーワード・文献・補足事項等 | |
| 1(ライブ配信) | 医療政策と医療機構 |
授業の構成と学び方の説明を行った上で、現代医療が直面している課題を紹介しつつ、医療政策の医療機構(医療財政、医療供給)など導入的概念を学びます。
|
|
| 2 | 福祉国家と医療 |
なぜ今医療政策が重要な領域となっているかについて、生命・生活の価値の重さを前提とした上で、医療支出が増大していること、そしてその負担構造が社会的に定められていることなど、20世紀における医療機構の変化を福祉国家の進展と合わせて考えます。 |
|
| 3~5 | 医療保険と普遍給付 |
普遍給付の概念を理解した上で、市場の仕組みでの医療実施の限界と公私の医療保険の仕組みを理解します。保険料賦課、保険給付についても、さまざまな類型の特徴を把握します。 |
|
| 6~7 | 普遍給付への課題 |
普遍給付への課題として、日本やドイツのような社会保険、イギリスやスウェーデンのような税による医療機構を概観し、無保険、利用者負担、保険料・税の負担について考えます。 |
|
| 8(6月3日) | 韓国の医療政策(韓国の医療政策と韓国経済) |
韓国の医療政策とその背景にある韓国経済の問題を考えます(ゲスト・スピーカーによる講義)。 |
|
| 9 | 利用者負担 |
負担の類型、無保険の問題性、不十分な保険、ランド保険実験など、利用者負担に関わる概念と実際を学び、どのような負担の在り方がよいかを考えます。 |
|
| 10~13 | 医療支出(医療費)の増大と政策対応 |
医療支出の増加が政策形成にもたらす圧力を、財源と支出という二つの側面から考えます。効率と業績という重要概念を深め、保険・供給組織の再編成、医薬品の経済評価、実績の評価にもとづく取り組みなどを検討します。 |
|
| 14 | 医療機構の統治 |
医療機構をどのようによいものにしていくか、多面的な評価や住民参加などそのための社会的仕組みを考えます。また、より幅広い視点から、医療の統治に関わる社会的な諸力を検討し、医療についてのよりよい統治のあり方(ガバナンス)を展望していきます。 |
|
| 15(オンディマンド配信) | 医療機構の今後 |
これまで学修した概念を総合し、パンデミックに対応するレジリエンスなどの今日的課題も検討しつつ、今後の医療機構を展望します。 |
授業実施形態
授業外学習の指示
・なるべく授業の前に、指定文献(主に、担当者が作成した教材)を読み、基礎知識を理解し、提示される課題を考える。
・課題を深めるために、具体的事例など、参考資料・文献を読み、理解を深め、重要な概念を用いて自らの議論をノートに書く。
・授業後、理解を確認しつつ、課題を実施する。
【特に重要な実務的指示】各種の課題に関わる重要事項をmanaba+Rで連絡しますので、受講者は早期登録制度を用いて、初回の講義からmanaba+Rを利用できるようにしてください。また、コース・ニュースなどリマンドを受け取る設定にして下さい。
成績評価方法
| 種別 | 割合(%) | 評価基準等 |
|---|---|---|
| 定期試験(筆記) | 0 | |
| レポート試験 (統一締切日を締切とするレポート) |
||
| 上記以外の試験・レポート、平常点評価 (日常的な授業における取組状況の評価) |
100 | 出席、授業中活動、個別事項の説明についてのミニ・レポート等により、積極的学習参加を評価する(30%)。
|
成績評価方法(備考)
・受講生数などで実施条件があれば、グループ・ワークを行うこともあります。
・毎回の講義について、ミニ・レポート、小テスト課題が出されます。
・課題論文は見出しをつけた論文形式の作成物を予定しており、授業および学習を指定する教材の内容をふまえたものであることが求められます。回数と制限字数、含むべき内容などの詳細は受講者の状況をみて決定します。
受講および研究に関するアドバイス
・授業中にmanaba+Rの出席カード機能を使った活動を行いますので、対応できるようにして下さい。
・スライド資料のほとんどを、manaba+Rでも配布します。
・説明される概念の定義を一言一句覚えるのではなく、そこに含まれる重要な内容を理解し、用いることができることを重視しています。概念や理論を実際に使って討論をするようにしますので、それをふまえて各種課題に取り組んで下さい。
教科書
教科書(使用頻度、その他補足)
参考書
| 書名 | 著者 | 出版社 | ISBNコード | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 医療と介護 3つのベクトル | 池上直己 | 日本経済新聞出版社 | 日経文庫 | |
| 医療政策を問いなおす : 国民皆保険の将来 | 島崎謙治 | 筑摩書房 | ちくま新書 | |
| 日本の医療 : 制度と政策 増補改訂版 | 島崎謙治 | 東京大学出版会 | 9784130511452 | |
| 日本の医療と介護 : 歴史と構造、そして改革の方向性 | 池上直己 | 日本経済新聞出版社 | ||
| 医療制度改革 : 先進国の実情とその課題 | ブルーノ・パリエ | 白水社 | 文庫クセジュ | |
| 医療のなにが問題なのか | 松田晋哉 | 勁草書房 | ||
| 日本の医療 : その仕組みと新たな展開 | 岩淵豊 | 中央法規出版 | ||
| 医療財源論 : ヨーロッパの選択 | エリアス・モシアロス [ほか] 編著 | 光生館 | ||
| 医療と福祉における市場の役割と限界 : イギリスの経験と日本の課題 | 郡司篤晃編著 | 聖学院大学出版会 | ||
| 欧州医療制度改革から何を学ぶか | 松田晋哉 | 勁草書房 | ||
| 医療制度改革の国際比較 | 田中滋, 二木立編著 | 勁草書房 | ||
| 世界の病院・介護施設 | 加藤智章編 | 法律文化社 | 9784589040701 | |
| The Road to Universal Health Coverage | Jeffrey L. Sturchio , Ilona Kickbusch et al. eds. | Johns Hopkins Univ Pr | ||
| Health Policy Issues: An Economic Perspective | Paul J. Feldstein | Health Administration Pr | ||
| 徹底研究 医療費の患者負担の在り方 | 法研 | |||
| 図表でみる世界の保健医療 : OECDインディケータ | OECD編著 ; 村澤秀樹訳 | 明石書店 | ||
| この国の医療のかたち医療政策の動向と課題 : 2025年のヘルスケアシステム | 尾形裕也著 | 日本看護協会出版会 | ||
| 韓国における公的医療保険と財政 | 小笠原信実 | ミネルヴァ書房 |
参考書(使用頻度、その他補足)
参考になるwwwページ
・藤澤理恵『図表でみる医療2023:日本』2023年11月7日(OECDのスタッフが、日本の医療の特徴を整理した資料、53頁)
https://www.oecd.org/health/health-at-a-glance/Health-at-a-Glance-2023-Japan-Launch.pdf
・厚生労働省「海外情勢報告」:いくつかの医療機構の概略が毎年説明されています。
http://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/hakusho/
・健保連海外医療保障: 主題ごとでの各国の検討がなされている論文が掲載される雑誌です。
http://www.kenporen.com/study/medical-security/
・The Commonwealth Fund International Profiles of Health Care Systems http://www.commonwealthfund.org/publications/fund-reports/2017/may/international-profiles
日本を含む18の医療機構について、そのポイントが記述されています(英語)。なお、日本の部分は、講義担当者が執筆しています。
・前田明子、エドソン・アロージョ他『包括的で持続的な発展のためのユニバーサル・ヘルス・カバレッジ:11カ国研究の総括』、日本国際交流センター(以下のULRで全文閲覧可能 http://www.jcie.or.jp/japan/pub/publst/1453.htm)
授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法
備考
・講義の日程(順序)が変更になる可能性があります。その場合は、授業やmanaba+Rにて知らせます。また、課題など重要連絡はmanaba+Rでも連絡しますので、manaba+Rでリマインドを受け取る設定にしてください。
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html