授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
50245:[2025 秋セメスター]映像社会論 (W) 2025 秋セメスター 金4 映像学部 宋 基燦 2

キャンパス

OIC

授業施設

H202講義室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

本授業は、映像を通して「社会」を理解する方法を学ぶ授業である。本授業における「社会」とは、我々の日常生活における共同・共通の部分に基づいた抽象的な人間の結合と関わりを意味する。従って、本授業における「映像」というものは、そのような社会という生活世界(lebenswelt)における人間活動の結果として外在化した表象であると定義する。すなわち、映像は主観と客観にまたがる現象(phenomenon)であり、メッセージを含んだテクスト(text)であると言える。本授業は、映像に対する現象学的理解を試みる。理論的には、シュッツ(Alfred Schutz)の現象学的社会学の流れに立って、日常的生活世界を構成する部分の一つとして映像を理解し、それを分析・解釈することで社会への理解に広げていくことを目指す授業である。解釈のプロセスにおいては、省察的人類学の立場から、観察者(解釈の主体)も生活世界の一部であることを認識することを重視する。
とはいえ、この授業は、一般的な社会学や人類学の授業ではない。強いて言うなら、社会学や人類学の方法論を応用した「映像学」であり、言葉通り、「映像社会論」である。この授業は、映像を通して社会を理解することを目指すが、そこで得られた理解を手にすることだけを究極的目的とはしていない。映像から得られた社会理解は、また映像作品や他の研究への応用をしていくリサイクルシステムを本授業は目指している。具体的には、社会と人間と映像に関する理解を高めて、より高度な映像作品の制作や、より高度な研究に発展していける、土台を作ることである。またその土台は、理論的な枠組みだけでなく、社会理解のための映像アーカイブの構築と活用に関する具体的理解も含めている。
本授業は、主に講義形式をとっているが、部分的には受講生の参加を求めるワークショップ形式も導入する。

受講生の到達目標

表象としての映像と、その表象の受容者であり創造者である人間に関する基礎哲学を理解でき、それを応用して映像を説明することができる。
映像に対する現象学的理解ができる。
映像と社会の関係を理解し、自分の作品にその知識を活用できる。
映像アーカイブの構築と社会的活用について理解できる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

【+R 授業】 詳細は manaba+R を参照
導入:映像と同一性

ワークショップ1:受講生は写メで自分のセルカをとる。その後その映像が自分であること、もしくは自分でないことを三段論法で発表し、ディスカッションする。
授業イントロダクション

2

現象学と映像

映像における主観と客観について

3

現象学的社会学と映像

生活世界と間主観性

4

写真論とイデア論

イデアとシミュラークル

5

シミュラークルの反乱

ハイパーリアル時代の映像学

6

社会的映像と個人的映像

Digital Punctumは可能か?

7

写真で表す社会

ワークショップ2:自分の考える「社会(世界)」を表現している一枚の写真について発表

8

眼差しと権力(暴力)

フーコーから考える眼差しの権力

9

眼差しと倫理

スーザン・ソンタグ

10

他者の苦しみへの責任

ソーシャル・サファリングと映像

11

政治とソーシャル・ドキュメンタリー

ソーシャル・ドキュメンタリーの行方

12

映像と時間

映像における時間の問題と映像アーカイブ

13

人類学的研究と映像

社会・他者・映像・個人

14

結論

映像から社会と文化を読み取るということ

授業実施形態

対面授業

授業外学習の指示

本授業は、主に講義と討論形式によって勧められるが、授業内容の理解、そして討論への参加のためには、授業前(もしくは授業後)に関連文献を読むことと、関連映像を鑑賞する必要がある。文献と映像に関しては授業中に指示をする。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

授業参与度への総合的評価
授業内レポート(授業リアクションペーパーを含む)
期末レポートと授業中発表などが評価対象である。

成績評価方法(備考)

評価対象の授業リアクション・ペーパーと授業内レポート、または授業内発表に対しては、以下のルーブリック(評価基準)を基準に採点する。
*配点はあくまで目安であり、全体的状況に合わせて調整する場合もある。
 
A評価:授業リアクションペーパー(5点)、授業内発表または授業内レポート(9点〜10点) 
主張・説明する内容が非常に明確であり、説得力がある。また、自分自身の経験や思考(参考文献や研究の内容を吟味した)に基づいた内容となっており、独創性が認められる。なお、文章の形式面(分量、誤字・脱字、文法や文章構成など)においても全く問題がない。また文章が読みやすく、表現が優れている。
 
B評価:授業リアクションペーパー(3点〜4点)、授業内発表または授業内レポート(7点〜8点)  
主張・説明する内容が明確であり、自分自身の経験や思考(参考文献や研究の内容を吟味した)に基づいたものである。なお、文章の形式面(分量、誤字・脱字、文法や文章構成など)においても特に問題ない。
 
C評価:授業リアクションペーパー(1点〜2点)、授業内発表または授業内レポート(5点〜6点) 
主張・説明する内容が明確ではなく、自分自身の経験や思考(参考文献や研究の内容を吟味した)に基づいたものではない。また、文章の形式面(分量、誤字・脱字、文法や文章構成など)においても課題が認められる。
 
D評価:0点 
未提出、当日授業リアクションペーパーのテーマと関係のない内容、出題された授業内レポートのテーマと関係を認めることが難しい内容、引用のルールを守っていないレポート


期末レポートの評価基準については、論題公開時に改めて発表する。

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

特に指定しない。参考資料は授業中必要に応じて配布する。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
社会学 アンソニー・ギデンズ著 ; 松尾精文 [ほか] 訳 而立書房 9784880593500
現象学的社会学 アルフレッド・シュッツ著 ; 森川真規雄, 浜日出夫訳 紀伊国屋書店 4314002794
映像文化の社会学 長谷正人編 有斐閣 9784641174245
ホモ・デウス : テクノロジーとサピエンスの未来 ユヴァル・ノア・ハラリ著 ; 柴田裕之訳 河出書房新社 9784309227368

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/