授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
52012:[2025 春セメスター]ヨーロッパの歴史(PA) 2025 春セメスター 金2 経営学部,政策科学部 大村 和正 2

キャンパス

OIC

授業施設

C273講義室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

ヨーロッパの近代史と現代史の主要な問題を扱う。大学受験を経験した人には歴史は暗記科目というイメージが強いのではないか。これは大学での学びと異なる。将来、公務員試験や教員試験などを志望する人には必要であるが、大学の授業はこれとは異なる。本授業では、ヨーロッパの歴史の細かい知識や出来事を解説するものではない。ヨーロッパの歴史は、現代世界にも重要な影響を与え続けている資本主義、グローバル化、主権国家、国民国家、自由主義、民主主義などを育んできた。ヨーロッパの近代史を通じた諸々の概念や理念は現代世界にも大きな影響を与え続けている。他方、過去の歴史には時代により特有な特色があり、現代の価値で過去を理解することが妥当でない場合がある。また歴史の事実をどのように考えるのかめぐり、様々な論争が展開されてきた。本授業では、16世紀以降のヨーロッパの海外進出、資本主義の形成や発展、主権国家や国民国家、人権や市民、自由主義と民主主義(の葛藤)、戦争と国際秩序などをヨーロッパの近代・現代史の主要な歴史事項とその学説や論争を振り返りながら、理解することを目指す授業である。
世界史の知識の十分理解していない人にも分かるように説明することを目指したい。
授業の方法は、教室でプリントを配布して、板書しながら説明するという古典的な授業スタイルである。

受講生の到達目標

ヨーロッパの近代史、現代史の基本事項を学びながら、資本主義、主権国家、国民、人権、自由主義、民主主義、国際秩序など、現代世界を考えるうえで必要な社会科学の基本的な概念の理解を深めることを目標とする。ヨーロッパの近代史や現代史を踏まえて、現代世界を理解すること、現代の考え方では理解できない歴史の理解などを目指したい。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
第1回

授業ガイダンス

大学の学びとは。高校までの歴史の授業との違い。この授業の方針(成績評価も含めて)など。
「+R授業」(20分)は第1回授業で実施する。
第1回授業の開始以前にmanabaを確認すること。manabaに授業ガイダンスの資料を掲載するので、第1回授業を受けるまでに確認しておいて欲しい。
詳細は「manaba+R」を参照。

第2回

資本主義の形成―近代とは何か

近代の定義とその論争。近代の資本主義の始まりの歴史的起源。16世紀「大航海時代」のスペイン、ポルトガル、17世紀のオランダ、18~19世紀のイギリス。ヨーロッパ世界と中国などとの歴史的「分岐」。

第3回

資本主義は最初からグローバルで不平等

I.ウォーラ―ステインの世界システム論。ある国が経済発停して、ある国が貧しいのは、歴史の発展段階ではない。ある国(いわゆる植民地)が従属させられて貧しいことが、ある国(近代の西欧諸国)の発展を支えているのだ。中核、周縁、半周辺。世界的な分業体制。ヘゲモニー国家。

第4回

国家とは―主権国家の成立?

国家の定義と歴史。17世紀のウェストファリア体制、近代的な主権国家体制の形成。それを否定する研究動向。近世ヨーロッパの国家像。複合国家論。

第5回

国民(ネイション)と国民国家(ネイション・ステイト)

国民(ネイション:nation)と国家(ステイト:state)の違い。
国民(ネイション)は近代になって形成された。B.アンダーソンやE.ゲルナーの議論。
16世紀以降、宗教改革と出版資本主義。「創造の共同体」。19世紀の産業化と国民国家の形成。

第6回

資本主義の建前の理念とえげつない抑圧―近代の所有の権利、富、労働、「自助」、貧困。

大西洋貿易と植民地と奴隷制、エンクロージャーと土地の所有権、プロレタリア、「自由労働」、「富」の定義をめぐる経済思想家の論争。勤勉な労働という倫理と資本主義の精神、「自助」の原理、貧困への視線など。

第7回

民主主義と「市民」。

民主主義が形成された古代ギリシャのアテネ。民主主義を否定するプラトンなど古代ギリシャの思想家。古代の市民と政治共同体のポリス(都市国家)。古代ローマの混合政体。
中世ヨーロッパの封建諸侯の主張による臣民の権利。近代初期の市民。

第8回

自由主義と民主主義(の緊張関係)―市民層と人民の対立

市民層を中心とする自由主義理念と民主主義の緊張と対立。
イギリスのピューリタン革命におけるレベラーズの乱。
フランス革命におけるジャコバン派とジロンド派の対立。
英国のJ.ロックとフランスのJ.J.ルソー。
19世紀の選挙権拡大をめぐる民主派と自由主義派の対立。

第9回

人権の創造ー基本的人権の理念をめぐる矛盾と葛藤

アメリカ独立革命とフランス革命の歴史的な意義。人権の創造。憲法の制定。「自由」なアメリカ独立革命や「自由と平等」のフランス革命の矛盾や欺瞞。植民地にとって。女性にとって、など。

第10回

国家と資本主義の変化=19世紀的世界から20世紀的世界へ

19世紀までの資本主義とレッセフェール、夜警国家。
社会主義や労働運動の登場と自由主義や保守主義の変容。社会改革と福祉国家へ。
世界恐慌と米国のニューディール政策。ケインズ主義の財政経済政策。
2つの世界体制と国家の役割の変化。

第11回

戦争と平和のルール

19世紀の帝国主義の時代。20世紀の2つの世界大戦。2つの世界大戦の前後、平和に関する国際規範の変化と国際条約の進展。国際連盟や国際連合。

第12回

ファシズム

A.ヒトラーのナチス・ドイツ。自由民主主義体制から独裁体制へ。国民社会主義。人種差別や反ユダヤ主義。その後の影響。

第13回

冷戦の時代

第2次世界大戦後、超大国米国とソ連の対立と国際秩序。分断されたヨーロッパ世界。冷戦の崩壊へ。

第14回

21世紀初頭、資本主義と自由・民主主義体制の危機。

格差社会の深刻化と分断社会。繁栄から「置き去りにされる人々」。政治不信の深刻化。極右と極左のポピュリズム。新しい争点の環境問題とエネルギー問題。移民問題と植民主義の遺産(?)。近現代史の問題を踏まえて、現代世界の今後を考える。

授業実施形態

教室でプリントを配布して、板書も行う講義形式。学生は必要に応じて、ノートやメモをとること。

特定の本を「教科書」に指定しない。随時、授業でオリジナルのプリントを配布。プリントは教室でしか配布しない。manabaでのプリントの提供は行わない。

授業外学習の指示

高校までの世界史の知識がない人でも理解できる授業を目指す。しかし高校までの世界史などの内容を全て扱うわけにもいかないので、高校までの基本事項が著しく不十分で大学の授業の理解に支障のある人は、高校の教科書などで基本事項を確認してほしい。ある程度、高校の世界史に自信のある人も、この授業の理解を深めるために、事前にシラバスの授業計画に該当する高校の教科書の内容を確認しておくことをお勧めする。歴史の授業ではあるが、現代の世界の動向とも関連する。新聞やテレビなどで海外の時事的問題にも目を把握するようにしてほしい。この科目のためだけでなく、大学生には必要なこと。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 100

持ち込み加で、授業の大テーマに関する論述問題。授業内容の理解力、論理性、センス、オリジナリティ、文章力で総合的に評価する。

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
0

成績評価方法(備考)

単純に知識の暗記を問う問題は出題しない。上記のように授業内容の大テーマに関する文章を書くことで、理解力、論理性、センス、オリジナリティなどを総合的に評価する。「センス」というのは、限られた試験時間(60分)内に限られた答案用紙(字数の指定はない)に解答を書くのに、授業内容の全てを詰め込むことは不可能。授業内容の何を書き、何を省くのか。どのような問題や事例をどのような観点から書くのか。これらを選択したり、考えるセンスが問われる、という意味。

受講および研究に関するアドバイス

上記の「授業実施形態」や「授業外学習の指示」の記述を参照。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

コミュニケーションペーパー,manaba+R,学生との直接対話

備考

manabaの個別指導コレクションでの連絡にも対応するが、1週間の間に1、2回程度しか確認しない。このため個別指導コレクションの連絡への返信は時間がかかる可能性ありと考えること。直ぐに反応が欲しい人は、授業の前後に直接質問するか、コミュニケーション・ペーパーに記載して授業で提出すること。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/