授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
70130:コーパス日本語史研究(古典語) (L) § 70131:国語学特殊問題Ⅰ(L) 2025 春セメスター 木1 文学研究科 岡崎 友子 2

キャンパス

衣笠

授業施設

敬学館KG202号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法


テーマ:コーパスを活用した歴史的研究
 この授業はコーパスを用い,日本語の歴史的変化を探ることを目的とする。
 近松門左衛門(1653-1724、浄瑠璃作者・歌舞伎作者)作、世話物「曾根崎心中」(元禄16年(1703)大坂竹本座初演)を語学的に読んでいく。近松門左衛門の浄瑠璃は、江戸前期上方語の姿を知る重要な口語資料であり、特に心中を扱った世話物の詞の部分には俗語的表現が多く使用されている。そこから動詞活用や条件表現の変遷等、様々な当時の言葉の様相を明らかにすることができ、これについてはまた、上代から続く中央語の歴史として捉えることができる。さらに登場人物が多様であるため、位相差についても扱うことができる。
 また、この授業は参考文献の探し方や辞書の扱い方、資料の性質、データ分析の仕方等といった日本語研究(特に古典)の研究方法についても学ぶ。
 「+R授業」(オンデマンド)で文楽を学んでいく。
 最終的に提出されたレポートの講評はmanaba+Rに掲載する。

受講生の到達目標

1. 中古・中世・近世の語彙・語法について説明できる。
2. コーパスを利用した歴史的研究を行うことができる。
3. 日本語学の諸問題について課題を設定し、論理的思考を活用し、学術的なレジュメ・レポートを作成できる。
4. 討議することにより、問題点を発見する力、説明する力が身に付く。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

イントロダクション

【20分の「+R授業」(オンデマンド)があります。詳細はmanaba+Rを参照】
授業の進め方 ツールの紹介

2

モデル発表(岡﨑)

コーパスを使ったことのない受講者がいる場合コーパスの使い方に関する講習も行う。

3~5


講義 研究文献講読

語彙史研究 文法史研究

6~13

個人発表・議論

研究課題 先行研究 研究方法 調査結果

14

授業まとめ

個人発表に関する講評 文法史研究の課題

授業実施形態

対面授業と「+R授業」(オンデマンド)にて実施

授業外学習の指示


【事前の学習】
1. 『曾根崎心中』を原文で読んでいくこと。
2. 分からない語については必ず辞書(『日本国語大辞典』小学館等)を引くこと。
3. レジュメを指示通りに作成する。
4. 国立国語研究所の「日本語歴史コーパス」に登録し,使い方をマニュアルで学んでおく。詳しくはHP(国立国語研究所・コーパス開発センター)を参照すること。
【事後の学習】
1. 発表の際討論で出た問題について論文を検索し概要をまとめる。コーパスで予備調査を行う。
2. 分析する語を決定し、他の古典作品でも調査しておく。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100


1. 授業への参加態度20%
 文献講読や個人発表での議論に積極的に関わっているか。
2. 発表30%
 図表や用例を示すなどして,分かりやすい発表資料になっているか。調査結果及び分析を分かりやすく説明できているか。
3. レポート50%
 構成,文体,引用,用例・図表の示し方,参考文献の示し方等がレポートとして適切な形式になっているか。図表や用例を示しながら調査結果及びその分析を分かりやすく論述できているか。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

使用しない

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
日本語文法史研究 1 高山善行他編 ひつじ書房 978-4-89476-638-9
日本語文法史研究 2 青木博史他編 ひつじ書房 978-4-89476-742-3
日本語学大辞典 日本語学会編 東京堂出版 978-4490109009
実例詳解 古典文法総覧 小田勝 和泉書院 978-4757607316
ガイドブック日本語史調査法 大木一夫編 ひつじ書房 978-894768543
文法史 金水敏他編 岩波書店 978-4-00-028129-4
ガイドブック日本語文法史 高山善行他編 ひつじ書房 978-4-89476-489-7

参考書(使用頻度、その他補足)

以上のほか,授業中に適宜紹介する。

参考になるwwwページ


国立国語研究所・コーパス開発センター:http://www.ninjal.ac.jp/corpus_center/
国立国語研究所「データベース・データ集」:http://www.ninjal.ac.jp/database/
実例詳解古典文法総覧 補遺稿(和泉書院):http://www.izumipb.co.jp/izumi/modules/pico/index.php?cat_id=60
日本語学系情報収集サイト やちまた:
https://www.let.kumamoto-u.ac.jp/literature/asia/nihonbungaku/tmogi/yachimata/index.html

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

コミュニケーションペーパー,manaba+R,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/