授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
10068:倫理学特殊講義(LC) 2025 春セメスター 木1 文学部 安井 絢子 2

キャンパス

衣笠

授業施設

洋洋館YY201号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

本授業では、1980年代に提唱されたケアの倫理について、英語圏の初期の議論を中心に、ケアの倫理が登場した経緯とその展開を講義形式で紹介する。そのうえで、ケアの倫理の応用研究の一例として、ケアの行為論、ケアの倫理と当事者研究、ケア関係におけるニーズについて検討する。
 授業形態は、対面とオンデマンドの併用とする。
 フィードバックについては授業中にレポートに対する公評の時間を設ける。

受講生の到達目標

(1)学生は、ケアの倫理が登場した経緯とその展開を正しく理解し、その基本的な考え方を説明することができる。
(2)学生は、異なる経験からの語りを受け止め、他者の語りを尊重する姿勢を養う。
(3)学生は、自身の経験を見つめ直し、可能な場合は無理ない範囲で、自身の声を他者に伝え、記述できるようになる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

特になし

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

ガイダンス(1):ケアとは何か

【20分の「+R授業」があります。詳細はmanaba+Rを参照】
倫理、倫理学、規範、ケア、正義
オンデマンド授業実施

2

ガイダンス(2):ケアとは何か

ケア、フランクファート
対面授業実施

3

ケアの倫理(1):ギリガン

コールバーグ、ギリガン、『もうひとつの声で』、正義の倫理、ケアの倫理
対面授業実施

4

ケアの倫理(2):ノディングス

倫理的理想、関係的自己
オンデマンド授業実施

5

ケアの倫理(3):その展開

ヴァルネラビリティ、依存、ケアワーク、ドゥーリア
対面授業実施

6

ケアの行為論(1):従来の行為論

行為、アンスコム、デイヴィッドソン
対面授業実施

7

ケアの行為論(2):個別主義と普遍主義

道徳性、個別、普遍、フランクファート、コースガード
対面授業実施

8

ケアの行為論(3):自由と時間

意思決定、自由、未来志向性、ブラッドマン
対面授業実施

9

ケアの倫理と当事者研究(1):当事者研究とは何か

当事者研究、依存、自己、感情
対面授業実施

10

ケアの倫理と当事者研究(2):「難病者」の声を聴く

難病、痛み、苦しみ、声
オンデマンド授業実施

11

ケアの倫理と当事者研究(3):ケアと自立生活

自立生活、障害者-介助者関係
オンデマンド授業実施

12

ケアの倫理と当事者研究(4):関係性と言葉

言葉、関係、依存症、中動態
オンデマンド授業実施

13

ケア関係におけるニーズ(1):ニーズとは何か

ニーズ、ブラッドショー、イグナティエフ、テイラー
対面授業実施

14

ケアの倫理とニーズ論(2):ケア関係におけるニーズ

欲求、ニーズ、関心
対面授業実施

授業実施形態

対面授業10回、オンデマンド授業4回

授業外学習の指示

毎回の授業で参考文献を指示する。
 本授業を理解し、到達目標を達成するためには参考文献に当たり、積極的な授業外の学習を進め、予習・復習する姿勢が望まれる。
 オンデマンド授業時には、課題への解答が求められる。具体的な課題やスケジュールをMOODLE上に挙げるので、その際には参照して準備して欲しい。
 オンデマンド授業時には課題を課す。授業で示した資料に当たり、自らの考察をまとめることが求められる。具体的な課題やスケジュールをMOODLE上に挙げるので、その際には参照して準備して欲しい。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

・オンデマンド授業時の課題提出(合計40%)
課題への解答を通じて、到達目標(1)「ケアの倫理と当事者研究の基本的な理解と説明」ができていることを論理的に明示するとともに、到達目標(2)「異なる語りの尊重」に適う記述を行う。
・期末レポート(合計60%)
上記の到達目標(1)、(2)とともに、到達目標(3)「無理ない範囲での自身の語りの提示」を、個別経験の妥当性と正当性に目配りしつつ満たした記述を行う。

成績評価方法(備考)

特になし

受講および研究に関するアドバイス

特になし

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

指定なし

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
『正義と境を接するもの』 品川哲彦 ナカニシヤ出版
『もうひとつの声で』 キャロル・ギリガン著、川本隆史・山辺恵理子・米紀子訳 風行社
『倫理学』 神崎宣次・佐藤靜・寺本剛編 昭和堂
『語りの場からの学問創成』 熊谷晋一郎・峰重慎・村田淳・安井絢子編 京都大学学術出版会

参考書(使用頻度、その他補足)

オンデマンド授業時の課題は『語りの場からの学問創成』(京都大学学術出版会、2024年)から課す。指定箇所は授業時に資料配布する予定である。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

その他(教員より別途指示)

備考

教員に視覚障害があるため、質問がある場合は、名前を伝えたうえで申し出てください。授業時はTAが授業サポートをしていますが、特に指示がない限り、授業に係わることは教員に直接伝えるようにしてください。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/