授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
14392:[2025 秋セメスター]少年法(J) 2025 秋セメスター 木2 法学部 山口 直也 2

キャンパス

衣笠

授業施設

存心館ZS207号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 少年法は犯罪を行った少年を健全に育成するためにある法律です。この健全育成という考え方は未熟な少年に成人と同様の刑罰を科してもかえってその立ち直りを阻害する結果になるという反省から生まれた理念です。本授業では、1989年に国連で誕生した「国連子どもの権利条約」および日本国憲法における「子どもの権利」の法理論的位置づけを明確にした上で、少年法をめぐる様々な法律問題を実務的観点も踏まえて検討します。
 これらの学習内容については、毎授業中の双方向のやりとり(投票機能)、中間レポート及び最終定期試験でそれぞれ理解度を確認します。また、中間レポート及び最終定期試験の講評は事後にmanaba-Rに掲載しますので復習に役立てて下さい。
   なお、各回の授業のレジュメ・資料については、事前(遅くとも授業日の前々日まで)にmanaba+Rのコンテンツ欄に掲示するとともに、授業日当日までに資料配布棚に配架します。
 

受講生の到達目標

 少年法の基礎的知識を修得し、その理念、現状と課題を理解します。少年非行、子どもと社会をめぐる諸問題(教育問題)、子どもの人権等について幅広い知識を習得できるようにします。そのうえで、これらの問題を法的観点から考え、分析する力を身につけます。

事前に履修しておくことが望まれる科目

刑法、刑事訴訟法、犯罪学

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

ガイダンス
子どもの権利の理論的基礎と少年法の理念

憲法・国際人権法の観点から「子どもの成長発達権」という権利を措定して、子どもの権利論を比較法的に検討したうえで、わが国の少年法の基本理念を考えます。特に犯罪少年(特定少年)の法的扱いについて概観したうえで、少年法61条(犯人推知報道禁止)・68条の問題について議論します。

2

少年非行の原因:家庭・学校・地域社会と少年非行

主として、家庭裁判所が処理する少年非行(数、罪種等)の現状を踏まえたうえで、ハーシー、マッツァなどが唱えた非行原因論から、わが国の少年非行の原因を分析を試みます。『家栽の人1』のDVD(短縮版)を視聴して、少年非行の原因論について議論します。

3

少年法の全体像・非行少年の発見

保護主義か、厳罰主義か、世間一般的に注目を集めている少年法を、その根本理念から掘り起こして、今日的意義を諸外国の現状も参考にして考えます。あわせて非行少年の発見活動について概観します。

4

少年警察活動と非行防止法制

少年警察の非行防止活動、少年補導条例、警察調査権、被疑少年の取調べ、身柄拘束等の諸問題について検討します。少年警察活動の問題点について議論します。

5

家庭裁判所における事件受理と観護措置

家庭裁判所の事件受理過程、書記官の役割等について解説し、少年鑑別所での観護措置上の諸問題についてその実状を分析します。少年の身柄拘束の弊害について議論します。

6

家裁調査官の役割と社会調査

家庭裁判所における大きな特徴である家裁調査官の役割について、特に社会調査が少年法全体において占める意義に留意しつつ検討します。適切な社会調査の在り方について議論します。

7

審判の関与者

少年審判の意義と機能、少年審判を貫く諸原則等について解説したうえで、少年審判の実際の担い手(裁判官、調査官、保護者、付添人、検察官)の役割について、その意義を検討します。家庭裁判所裁判官の教育的役割について議論します。

8

少年審判手続(1):少年審判の諸原則及び証拠調べ手続

裁判官の進行・審判指揮権を前提として、非公開の審判の中で保障される少年の適正手続上の権利、弁護士付添人の役割についてその意義を中心に検討します。少年保護手続における弁護士(付添人)の適切な役割について議論します。

9

少年審判手続(2):少年審判における事実・要保護性認定

少年審判(事実認定)における証拠法上の諸問題(自白法則、違法収集証拠排除法則、「伝聞」法則等)、要保護性認定過程について検討します。特に、裁定合議事件、検察官関与事件における証拠の扱いについて学びます。適切な事実認定に関する最高裁判例について議論します。

10

少年審判における中間・終局決定

試験観察決定、検察官送致決定、福祉機関送致決定、保護処分決定等の各決定が持つ意味、今日的問題点について検討します。原則逆送の問題点について法改正の動きを見据えつつ議論します。

11

少年の保護処分

保護観察処分、福祉施設収容処分、少年院収容処分に関する裁判例を検討したうえで、「広島年院教官特別公務員暴行陵虐罪事件」を教訓として立法化された新少年院法、新少年鑑別所法等を素材に、施設収容処分の今日的問題について議論します。併せて『少年院』に関するドキュメンタリーDVD(短縮版)を視聴します。

12

上訴手続、少年の刑事裁判

前半では、少年司法手続における抗告、再抗告について判例を中心に検討します。後半では、少年の刑事裁判(裁判員裁判を含む)の問題点(審判の公開、社会記録の扱い等)を子どもの権利の観点から検討したうえで、少年の刑事裁判の諸問題について、具体的事例をもとに議論します。

13

少年の刑事処分

少年に対する刑事処分について、少年刑務所の現状等に触れながら解説します。本講では少年に対する死刑の是非を「山口県光市母子殺害事件」最高裁判決を素材にして考えることを目的とします。

14

少年事件被害者の保護と修復的司法の問題点

犯罪被害者基本法、基本計画、および犯罪被害者保護に関する諸法の改正動向を踏まえて、被害者の権利・利益に関する少年法、刑事訴訟法、少年院法、更生保護法等の関連条項を検討します。併せて修復的司法に関するドキュメンタリー『加害者が被害者と向き合うとき』(短縮版)を視聴したうえで、修復的司法の意義について考える。
「【+R授業】詳細はmanaba+Rを参照」

授業実施形態

対面で実施します。

授業外学習の指示

授業ではできる限り受講生との双方向の対話を行いたいと思います。そのために、受講生は、事前にmanaba+R上に掲示又は配布される資料・判例等を読みこんだ上で授業に参加することが望まれます。なお、当日の授業内容についてはもっぱらレジュメにそって説明します。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 60

・比較的長文の事例問題(特に実定法に関わる問題)を出題します(60点満点)。

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
40

 (1)中間レポート(30点満点)
・比較的長文の事例問題(特に実定法に関わる問題)を出題します。問題文は授業中で展開したシナリオを前提とします。
*manaba+R上のレポート機能を利用して実施します。
 (2)平常点 (10点満点)
・出席及び授業中の発言(投票含む)で評価します。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

【レジュメ・資料の配付】
毎回の授業の2日前までにManaba+R上にも掲示します。

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
少年法 廣瀬健二 成文堂 9784792353391

教科書(使用頻度、その他補足)

毎回のレジュメに教科書の該当ページを掲載していますので、予習・復習の段階で毎回使用していください。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
少年法判例百選(第2版) 川出敏裕編 有斐閣 978-4-641-21341-8

参考書(使用頻度、その他補足)

参考書については毎回の復習に役立てて下さい。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/