授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
13106:IR18‐EDJ201 国際公務セミナー(R) 2025 春セメスター 木3 国際関係学部 君島 東彦、西村 智朗、南野 泰義 2

キャンパス

衣笠

授業施設

恒心館KS201号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

【+R授業について】
4⽉1⽇までにmanaba+Rのコースニュースに+R授業の案内を掲載する。必ずmanaba+Rのコースニュースを確認すること。

 この科目は、国際公務プログラム所属の学生(2回生)が、日本の行政システムや国際機関のガバナンスについて理解することを目的とする。
 この科目は、政治学、憲法学および国際法を専門とする教員が分担して担当し、学生によるグループでの報告とディスカッションを通じて、外交や安全保障だけでなく、人権、環境、食料、経済、エネルギーといった多様な課題について検討する。また、国際機関や中央政府だけでなく、地方自治体の取り組みについても対象に加える。
 この科目を通じて、日本の中央及び地方の行政における現状と課題について理解できるようになる。評価は、形成的評価により行う。

受講生の到達目標

この授業を通じて、学生は、
1. 国際機関ならびに国家および地方自治体の機能と役割について、深く理解することができる。
2. 国際機関ならびに国家および地方自治体における実務と課題について、自らの意見を持つことができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

国際法Ⅰ、憲法Ⅰは並行受講していることを前提に授業がおこなわれます。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1(西村・君島・南野)

国内および国際社会の行政制度の重要性について理解する。

・自己紹介
・各回の内容の把握と報告チームの編成

2(西村担当)

『国際法で世界がわかる』(1)-国際法の成立形式ー
毎回、森川幸一他編『国際法で世界がわかる』(岩波書店、2016年)の該当部分を学習する。これは秋学期の「国際関係学セミナー」においても継続する。

1.環太平洋経済連携(TPP)協定は主権を目減りさせる?
2.日米防衛協力のための指針(日米ガイドライン)は条約ではない?
・国際条約の役割と機能を理解する。
・非拘束的な合意の法的効果を理解する。

3(西村担当)

『国際法で世界がわかる』(2)ー主権国家ー

4.沖縄が日本から独立するかもしれない?
5.北朝鮮に対しては国際法を守らなくても良い?
・国家の「独立」とそのための要件を検討する。
・国家承認の役割と意義について議論する。

4(西村担当)

『国際法で世界がわかる』(3)ー国家領域(空間秩序)ー

6.日本・韓国・中国がともに主張する「固有の領土」とは?
7.中国政府船舶による尖閣周辺海域での航行は「領海侵犯」?
・領土紛争の存在とその解決方法について検討する。
・領海の主権と海洋法上の権利義務について理解する。

5(西村担当)

『国際法で世界がわかる』(4)-紛争の平和的解決ー

25.竹島紛争は国際司法裁判所に持ち込めない?
26.国際裁判には従わなくてもよい?
・国際紛争解決における国際裁判の役割を検討する。
・国際司法裁判所の手続を理解する。

6(君島担当)

佐藤幸治「日本国憲法論」を精読する(1)

憲法については、佐藤幸治『日本国憲法論 第2版』(成文堂、2020年)の重要な部分を精読する。佐藤幸治「日本国憲法論」の精読は秋セメスターの「国際関係学セミナー」においても継続する。春セメスターの「国際公務セミナー」は「憲法1」と互いに補い合うような内容をめざしている。
第6回は「憲法の生成と展開」(3-31頁)の前半。
「憲法」の語、立憲主義の成立と展開、現代立憲主義。

7(君島担当)

佐藤幸治「日本国憲法論」を精読する(2)

第7回は「憲法の生成と展開」(3-31頁)の後半。
「憲法」の語、立憲主義の成立と展開、現代立憲主義。

8(君島担当)

佐藤幸治「日本国憲法論」を精読する(3)

第8回は「日本憲法の展開」(67-89頁)。
大日本帝国憲法の成立と特質。日本国憲法の成立と基本原理。

9(君島担当)

佐藤幸治「日本国憲法論」を精読する(4)

第9回は「基本的人権の観念とその保障」(128-149頁)。
基本的人権の観念とその根拠。基本的人権の史的展開。国際的人権保障。基本的人権の憲法的保障。

10(南野担当)

第10回 日本外交の論点(1):日米同盟をめぐって(討議)
<テキスト・第1章と第2章>

〇日米同盟をめぐる課題と現状を理解する。
〇日米同盟の日本外交に与える影響について討議する。
日米安全保障条約、地位協定、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)、在日米軍基地

11(南野担当)

第11回 日本外交の論点(2):日本の安全保障政策をめぐって(討議)<テキスト・第4章と第8章>

〇日本の安全保障政策の特徴と課題を理解する。
〇安全保障政策における現在的な課題について討議する。
集団的自衛権、安全保障のジレンマ、同盟のジレンマ

12(南野担当)

第12回 日本外交の論点(3):領土問題をめぐって(討議)
<テキスト・第6章>

〇日本外交における領土問題の原状と課題について理解する。
〇領土問題をめぐる外交のあり方について討議する。
領土入口論、領土出口論、クレディビリティ

13(南野担当)

第13 日本外交の論点(4):第2期トランプ政権に向き合う日本外交の課題(討議)
<参議院常任委員会調査室・特別調査室 編『立法と調査』ほか>

〇今日の国際情勢を踏まえ、日本の外交課題を理解する。
〇近年の国際情勢の変化とその影響、日本外交における対処策について討議する。
国家安全保障戦略、日米関係、日中関係

14(西村・君島・南野)

まとめの議論

・国際法、憲法および政治学の観点から、国際公務・行政の重要性と課題について検討する。
・秋学期の国際関係学セミナー(国際公務)の準備のため、各自の課題や国際公務プログラム全体の作業を確認する。

授業実施形態

各回の授業実施形態については、対面授業を基本とします。

授業外学習の指示

(1)この科目を受講するに当たり、日本や国際社会の政治行政の現状について、常に探究心を持って授業に臨んでもらいたい。したがって、日々の新聞やテレビのニュース報道を必ずチェックすること。ウェブでも構わないが、検索サイト(Yahoo!やInfoseekなど)や配信アプリ(グノシーやSmartNewsなど)ではなく、報道専門(日本経済新聞、BBCなど)のサイトを複数利用することが望ましい。
(2)毎回の報告に関する資料・文献を通読し、質問及びコメントを用意して授業に臨むこと。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

3人の担当教員が協議して、全14回の学習状況を総合的に把握したうえで、評価する。出席状況40%、報告の出来30%、討論の積極性・貢献度30%の比率で評価する。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
『日本外交の論点(新版)』 佐藤史郎 他編 法律文化社 9784589043337 南野担当分
「立法と調査」468 号 参議院常任委員会調査室・特別調査室 南野担当分
『国際法で世界がわかる』 森川幸一他編 岩波書店 9784000229555 西村担当分
『ベーシック条約集2025』 浅田正彦編集代表 東信堂 西村担当分

教科書(使用頻度、その他補足)

全ての教科書は、それぞれの担当回で、毎回報告と議論で使用するほか、秋学期の国際関係学セミナーでも使用する。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
日本国憲法論 第2版 佐藤幸治 成文堂 9784792306724 君島担当分

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考

担当者の連絡先
西村 智朗(国際法):ntomoaki@ir.ritsumei.ac.jp
君島 東彦(憲法): kimijima@ir.ritsumei.ac.jp
南野 泰義(政治・行政):yasumina@ir.ritsumei.ac.jp
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/