Course Name Year Term Period Faculty / Graduate School All Instructors Credits
15369:History of Japanese Political Thought (J) 2024 Spring Mon3 College Of Law OKABAYASHI NOBUO 2

Campus

KIC

Class Venue

ZONSHINKAN ZS301

Language

Japanese

Course Outline and Method

 「近代国家」においては「国民」という自意識(アイデンティティ)を持った集団をいかにうまく作るかということがその成功の鍵を握っているといってよい。その意味では近代の政治思想史は、その時期その時期におけるあるべき「国民意識」(「日本人意識」といってもよい)の提示の変遷ともいえるだろう。そのような観点から本講では、まず「近代」という時代と「近代国家」のメカニズムを「国民」や「民族」あるいは「文明」「文化」という意識の問題を手がかりに考察したうえで、近代日本の政治思想を言論による「国民意識」の提示の変遷史として、現在におけるまでの概観を追ってみることにする。
 なお、授業内容に関する質問と回答は、manaba+Rにて行なう。また、学期末レポート、小レポートについては、manaba+Rで講評する。

Student Attainment Objectives

 「近代」という時代およびその中におけるそれぞれの時期と、政治思想や国民意識がいかなる内面的関連を持っているかを理解する。そして私たちの現在の「国民意識」がいかにして作られ現在にいたるかを考えること、「近代」という時代が全体としてどのような人間の意識のうえでの特徴を持っているかということ、さらには(これは日本政治思想史という講義のテーマを超えることだろうが)これからの私たちの国家をめぐる意識(アイデンティティ)がどうあるべきかを考えるてがかりとすることができればよいだろう。

Recommended Preparatory Course

 政治史関連の科目をすでに履修しているに越したことはないが、必要条件ではない。ただし、明治期以降の文献を読むことを苦にしない必要はある。

Course Schedule

Lecture/Instructor(When there are multiple instructors) Theme
Keyword, References and Supplementary Information
1(この数字は対面修業を想定した回数を示すが、WEB授業の場合も全体としてこの15回分を満たすように調整して行なう。)

 イントロダクションー「〇〇人」であることの定義。「近代国家」の三大構成要素。諸注意、参考文献紹介ほか。
 なお、以下の各項目は授業の順序を示すものであって、必ずしも一回の授業時間で区切るものではない(実際に授業をやれば、そんなに都合よく行くものではない.)。
 授業実施形態については、初回から毎回対面授業を基本とするが、ライブ配信および録画配信も行う予定。URLなどは manaba+R のコースニュースで通知するので注意すること。

キーワード:アイデンティティ、国民、民族、文化、主権、領域、国民
参考文献:福岡安則『在日韓国・朝鮮人』中公新書。

2

「近代国家」とは何か。近代国家における「国民」の創出―政治的枠組

キーワード:主権、領域(国境)、国民、憲法、国民議会。
参考文献:ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』NTT出版。

3

近代国家における「国民」の創出2―経済的枠組

キーワード:交通、税制、貨幣、度量衡、市場。
参考文献:神崎宣武『江戸の旅文化』岩波新書。

4

近代国家における「国民」の創出3―文化的枠組

キーワード:家族、学校、マス=メディア、道徳、歴史、地誌、暦、国語
参考文献:井上ひさし『国語元年』新潮文庫。

5

まとめ:「国民化」ということー空間・時間・習俗・身体・思考と言語の国民化

キーワード:国境、風景、歴史、神話、暦、服装、挨拶、身体、軍隊、国語、標準語、方言
参考文献:吉田裕『日本の軍隊』岩波新書。川口良・角田史幸『「国語」という呪縛』講談社。

6

「民族」とは何か

 キーワード:民族、アイヌ民族、沖縄
参考文献:なだいなだ『民族という名の宗教』岩波新書。

7

 「文明」と「文化」の意識

キーワード:文明、文化、進歩史観
参考文献:ノルベルト・エリアス『文明化の過程』法政大学出版局。西川長夫『国境の越え方』筑摩書房。

8

近代日本における国民意識提示の変遷―1.幕末維新から文明開化期へ

 キーワード:明治維新、明六社、啓蒙思想、福沢諭吉
 参考文献:福沢諭吉『文明論之概略』岩波文庫。

9

 2.自由民権期から欧化と国粋期へ

キーワード:自由民権運動、植木枝盛、欧化主義、民友社、徳富蘇峰、国粋主義、政教社、志賀重昂、三宅雪嶺、東洋(アジア)、岡倉天心。
参考文献:徳富蘇峰『将来之日本』、三宅雪嶺『真善美日本人』(ともに中央公論社『日本の名著』シリーズ)。

10

3.初期社会主義運動期から帝国主義突入期 へ

キーワード:初期社会主義運動、平民社、平民新聞、幸徳秋水、日露戦争、家族国家、井上哲次郎、国民性、柳田国男。
参考文献:幸徳秋水『帝国主義』岩波文庫。柳田国男『遠野物語・山の人生』岩波文庫。

11

4.大正デモクラシー期から対中戦争期へ

キーワード:大正デモクラシー、民本主義、吉野作造、国民精神総動員、日本精神、和辻哲郎、近代の超克
参考文献:岡義武編『吉野作造評論集』岩波文庫。戸坂潤『日本イデオロギー論』岩波文庫。和辻哲郎『風土』岩波文庫。

12

5.敗戦から戦後出発期へ

キーワード:近代主義、封建遺制、丸山真男、抑圧の移譲
参考文献:日高六郎編『現代日本思想大系34 近代主義』筑摩書房。

13

6.独立回復期から高度成長期へ

キーワード:雑種文化、加藤周一、梅棹忠夫、桑原武夫、近代化、高度大衆消費社会
参考文献: 加藤周一著作集7『近代日本の文明史的位置』平凡社。梅棹忠夫『文明の生態史観』中央文庫。

14

7.高度成長期から経済大国期へ

キーワード:日本近代化論、一億総中流意識、「単一民族国家」幻想
参考文献:ロストウ『経済成長の諸段階』ダイヤモンド社。中根千枝『タテ社会の人間関係』講談社現代新書。

15

8.経済大国期から国際化期へ

キーワード:国際化、「内なる国際化」、外国人労働者、移民
参考文献:杉本良夫、ロス・マオア『日本人論の方程式』ちくま学芸文庫。西川長夫『国境の越え方』筑摩書房。

Class Format

対面授業で行います。

Recommendations for Private Study

 上記の各回の参考文献や講義中に適宜紹介する参考文献などを積極的に活用して関心を深めてください。とくに第9回以降の『近代日本における国民意識提示の変遷」の部分については毎回授業で扱う資料を事前にmanaba+Rで配布するので、それをあらかじめ読んでおくこと。
 日本近代史について通常知っていると思われるような事件や人名については詳しく説明しないことが多いだろうから、そういうものについては復習的に知識を補ってください。

Grade Evaluation Method

Kind Percentage Grading Criteria etc.
Final Examination (Written) 0

 

Report Examination
(A report to be submitted by the unified deadline)
0

Exams and/or Reports other than those stated above, and Continuous Assessment 
(Evaluation of Everyday Performance in Class)
100

 定期試験に代わる学期末レポート(80%)― manaba+R での提出を求める。まず私の講義内容を十分に踏まえているかどうか(講義を部分的にしか聞いていないようでは十分に内容を理解できないだろうから、覚悟しておくこと)、そしてその時代に対してどのような関心と問題意識を組み立て深め、どのように考察しようとしているかを中心に評価する。
 小レポート2回(20%)― manaba+R での提出を求める。授業内容の理解度を問うため、あるいは授業で直接取りあげないことを補充するために、小レポートを2回ほど行なう。
 なお、どちらも終了後 manaba+R で全体の解説講評を行う。

Grade Evaluation Method (Note)

【BCPレベル3~4に変更とになった場合】
 その場合も成績評価方法に変更はない。

Advice to Students on Study and Research Methods

 授業中に紹介する参考文献などをあたって、積極的に自分自身の関心(問題意識)を持ち、それを深めるようにしていただきたい。

Textbooks

Textbooks (Frequency of Use, Note)

 特定の教科書は使用しない。なお、上記授業回数の第9回以降に相当する毎回において授業で直接取り扱う資料については、manaba+Rのコンテンツでファイルを配布するので、それをプリントアウトしたものを持参して授業に臨むこと。

Reference Books

Reference Books (Frequency of Use, Note)

 講義当初に参考文献リストを配布。その他随時講義中に紹介する。

Web Pages for Reference

How to Communicate with the Instructor In and Out of Class(Including Instructor Contact Information)

Learning Management System (manaba+R),Talk with Students

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URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html