授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
14712:エリアスタディ入門(W) 2024 秋セメスター 月2 政策科学部,映像学部 松永 光平 2

キャンパス

OIC

授業施設

AN310講義室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 本講義は、人類が生存し続けるため、地理学の視点を導入しながら、地球内外における居住可能性を検討する。現在、気候変動や資源の枯渇など地球規模の諸問題を克服して、人類の生存に適した空間を再生産、あるいは新たに形成することが、喫緊の課題となっている。こうした課題は、人間と自然との関係を扱う地理学の対象となる。
 カール・リッター以降、地理学の対象は、地球の地表面に限られていた。その一つの理由は、地球が全宇宙における、人類の唯一の居住地であったからである。しかし、宇宙ステーションに人類が常駐し、太陽系の各惑星・衛星に対する探査が進み、移住計画が発表されている今日、地理学の対象は、月や火星の地表面にもおよびつつあるとも思われる。現に、人文地理学とともに地理学を構成する自然地理学やその周辺分野では、月面や火星地表面での地形プロセス、水文プロセスの解明に取り組みつつある。火星地表面で水が浸出するという現象が報告される一方、それは砂の動きであるという反論も出されるなど、人間の生活基盤となる水の存在をめぐっても重要な議論が積み重ねられている。
 本講義では、まず、近年の太陽系探査の成果も踏まえて、地球全体をひとつの地域として捉え、人類の居住可能性の観点から、ほかの惑星・衛星との比較を通じて地球の特徴を把握する。つぎに、歴史的観点から、その特徴の起源を探る。また、地球環境問題を事例として、居住可能性がどのように損なわれてきたかを学ぶ。以上を踏まえ、ほかの惑星・衛星と地球との違いを考察し、地球外惑星・衛星への移住の可能性を討論する。
 地球上の各地域に居住する人々の生活や、資源・環境問題について、受講者自身が調べることが必要である。そして、発表を通じて情報共有することにより、より深い地域研究(エリアスタディ)への導入とする。
 なお、本講義で予定しているプレゼンテーション、ディスカッションについては、口頭でフィードバックし、必要に応じて、関連事項を解説する。

受講生の到達目標

①世界各地で人類が直面している諸問題(とくに環境問題と資源問題)について説明できる。
②上記諸問題を解決する上で、太陽系地球外への移住と、地球上での居住の持続の二者のうち、どちらが実現可能性が高いかという問いについて、自分なりの考えがもてる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
第1回

イントロダクション

環境地理、人間と自然の関係、地人相関、人地相関、地的渾一

第2回-第3回

地球

リッター、有機体論、ダーウィン、進化論、ラブロック、ガイア仮説

第4回-第5回

地球環境問題

アルブレヒト・ペンク、人口可容論、村井俊治、リモートセンシング、ローマ・クラブ、成長の限界、SDGs、フューチャーアース

第6回

太陽系探査の成果と移住計画

ホーキング、ESA、ムーン・ヴィレッジ、スペースX、火星移住

第7回-第14回

アメリカ、ヨーロッパ、北ユーラシア、アジア、オセアニアでの居住可能性

プレゼンテーション

第15回

まとめ:太陽系地球外への移住と地球での居住の持続とどちらが実現可能性が高いか

ディスカッション

授業実施形態

対面授業にて実施。

授業外学習の指示

適宜高校の地図帳、教科書などを見ること。世界的視野、あるいは大陸別、国別などさまざまなスケールで、環境や資源の地域的特徴の学びを深めたい。宇宙開発や、国内外の環境問題、資源問題のニュースにも目を配ること。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

受講生の到達目標のすべてに対応して、プレゼンテーション30点、ディスカッション30点、講義への参加度合い40点で評価する。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

使用しない。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
世界各国地理 竹内啓一 岩波書店 4005002188 子供向けの岩波ジュニア新書218。だが筆者のもつグローバルな視野から俯瞰的に各国の状況が位置づけられており内容は深い。1993年出版。
地誌学概論 矢ケ崎典隆・加賀美雅弘・古田悦造編 朝倉書店 9784254168181 日本を代表する地理学者による各国の紹介。上の本より取り上げられた国の数が少ないが、ここで紹介されている国々を日本と比較することで、日本を相対化したり、日本の特殊性・地域性を考えることもできる。オーストラリアについて執筆なさっている片平博文先生は、本学出身で本学名誉教授。
図説世界の地誌 辰己 勝・辰己眞知子 古今書院 9784772241915 筆者は立命館大学地理学出身。世界各地の諸問題が取り上げられている。

参考書(使用頻度、その他補足)

授業内では使用しない。各自で興味関心、必要に応じて読んでほしい。上ではエリアスタディとのかかわりが深い地理学における地誌の書籍を紹介した。ほか、全訳世界の地理教科書シリーズ(帝国書院)もお勧め。しかし、歴史学、言語学、文化人類学、社会学、政治学、経済学など地理学以外の分野における世界各地の研究がある。2000年代に出た成果として、たとえばエリア・スタディーズシリーズ(明石書店)がある。

参考になるwwwページ

研究の動向を知るうえで、以下のサイトが有効と思われる。
地域研究コンソーシアム
http://jcas.jp/
人間文化研究機構(「地域研究の推進」の項目を参照)
https://www.nihu.jp/ja/research/archive
総合地球環境学研究所
https://www.chikyu.ac.jp/
アジア経済研究所
https://www.ide.go.jp/Japanese/

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html