授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
15889:[2025 秋セメスター]ウエルネス論(S) 2025 秋セメスター 月4 産業社会学部 漆原 良 2

キャンパス

衣笠

授業施設

以学館IG401号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

【本科目の位置づけ】
 本科目は、専門科目の履修への移行を控えたスポーツ社会専攻1回生秋学期に履修する「専門導入科目」としての位置づけです。人間に本来備わっている生命活動を支える機能や構造の特性を通じて、その人間が行う運動や行動、スポーツ、その人間が形成する社会に対する見方、考え方を投げかける内容となっています。この科目を学ぶことで、今後専門科目を履修した際に、人間の在り方からスポーツや社会を観察、考察できるよう活用してもらうことを期待しています。

【授業の概要】
 ウエルネスの概念では、従来の健康(ヘルス)に定義されるような単なる心身の健康状態の維持にとどまらず、自らがより積極的に充実した生活を創造していくことが真の健康と考えられています。このような考え方の中では、人間は単に健全な個々の要素の集合体として総和的に健康となるのではなく、すべての要素が関連しあいながら1つの心身を形成し、その全体において健全となるような考え方も重要となるのではないでしょうか。そして、この関連性に着目した視点から、相互に影響を及ぼし合う個人がその「関係」の上に形成する集団や社会における問題も、実は生命科学的な仕組みとつなげて捉えることで新たな気づきが得られることも期待されます。
 本講義では、ヒトの生命活動を支える諸機能を学び、その全体としての関係性が単に生物学的な問題に限らず、社会を形成する人間行動・社会の問題にもつながることを理解するとともに、その関係性を踏まえた制御・調整能力という面からウエルネスを実現するために必要な能力について考察していきます。

【授業の方法】
 本科目は大学設置基準ならびに立命館大学産業社会学部則、立命館大学大学院社会学研究科研究科則において、区分を面接授業とする。毎回、資料を配布し、スライドを提示しながら講義を行います。復習をしやすいよう、授業終了後にスライドをmanaba+R内に掲示し、翌授業回冒頭では前回の振り返りを行うとともに、前回の授業で出された質問に可能な範囲で回答します。授業期間中に2回その授業回までの理解度を確認する到達度検証レポートを実施し、提出期間終了後にフィードバックを行います。最終レポートについては最終講義日に出題意図や取り組むポイントを説明した上で、取り組んでもらいます。
 詳細な実施方法については、manaba+Rのコースニュース、「授業スケジュール」および「授業実施形態」欄を確認して下さい。

 本授業における欠席に対する配慮の申し出、質問等は原則、授業前後に対面で申し出て下さい(その代わり、欠席に対する配慮も事後連絡で構いません)。長期入院等授業参加が難しい場合は、メールにて問い合わせ下さい。コレクション機能による連絡や友人による伝言には対応しません。

受講生の到達目標

1) 過去の健康観(特にWHOの健康の定義)とウエルネスの違いについて説明することができる
2) ヒトの生命維持に関わる構造や機能を知り、それらが相互的な関係性の中で存在していることを具体例を挙げながら説明できる
3) ヒトを個々の部分の総和としてではなく関連性をもった全体としてとらえる考え方を踏まえて、生理学的に捉えられるヒトの生きる仕組みとウエルネスの概念の親和性について説明できる
4) 高い次元のウエルネスの実現を目指す上で、人の持つ潜在的な可能性を引き出す手段として、コオーディネーションの考え方に基づくトレーニングについて具体例を挙げながら説明できる

事前に履修しておくことが望まれる科目

本科目は専門導入科目として1回生秋学期での履修を想定していることから、事前に履修をしておくことが望まれる科目はありません。ただし、取り扱う内容として、ヒトの生理学的機能や解剖学的構造に関する内容が含まれるため、高校で生物や保健について学ぶ機会が少なかった学生については事前に関係する内容について予習しておくことを薦めます。学び直しや予習に適した資料については第1回授業にて紹介予定です。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

【+R授業】授業の概要と導入
【対面】ウエルネスとは?-「健康」との違い-①

【+R授業】到達目標、授業概要、評価方法についての説明
【事前アンケート課題】+R授業の内容確認、自分の生きがいについて考える
【対面】「生きがい」や「健康」に必要になるものとは?偉人の生き方を事例に考える
講義と出席者同士によるグループワークを行います

2

ウエルネスとは?-「健康」との違い-②

完全主義的健康観、全人的・目的論的健康観、WHOの健康の定義、ウエルネス、QOL

3

生理学的視点から考える健康状態

生理学的健康状態、細胞内環境、能動輸送、活動電位
生体内環境、生体恒常性、負のフィードバック機構、動的平衡、適応

【終了後 第1回到達度検証レポート出題】

4

生命を維持するエネルギーを作り出す仕組み-消化・吸収・代謝-

基礎代謝、ATP、消化器系、消化・吸収、異化・同化

5

生命を維持する酸素を取り込む仕組み-呼吸-

呼吸器系、外呼吸、内呼吸、呼吸調節中枢

6

生命を維持する栄養素や酸素を運ぶ仕組み-循環-

循環器系、心臓、心臓血管調節中枢

7

生命を維持する排泄する仕組み-排泄-

腎臓、尿の生成(濃度調整)、尿量の調節

8

植物性機能を調節する仕組み-内分泌系、自律神経系-

内分泌腺、ホルモンの産生と分泌の調節、交感神経、副交感神経、拮抗支配、視床下部

9

生体外環境へ働きかける仕組み-感覚器、骨格、骨格筋-
生体機能を調節する仕組み-脳、神経系-

受容器、知覚、骨、骨格筋、トレーニング効果
中枢神経系、大脳皮質における機能局在・体部位局在、可塑性

10

ウエルネスを支える生体機能-まとめ-

階層性、全体性、総和性、合目的性

【終了後、第2回到達度検証レポート出題】

11

健康の実現に必要とされる運動・トレーニング

体脂肪、生活習慣病、有酸素運動

12

高い次元のウエルネスを実現した様々な事例

老若男女や障害の有無を超えて人の潜在的な可能性を見ることのできる事例の様々な動画を視聴
個体差の存在を前提とした自己実現(発達段階に応じたスポーツ)
健康が損なわれた中での自己実現(障がい者のスポーツ)

13

ウエルネスの実現に必要な能力とそのトレーニング①

コオーディネーション能力(自己組織化・調整力)
コオーディネーションの発想に基づくトレーニングの実践

14

ウエルネスの実現に必要な能力とそのトレーニング②
まとめ

コオーディネーションの発想に基づくトレーニングの実践

【終了後、最終レポート課題出題】

授業実施形態

第1回~14回を対面授業にて実施 【+R授業】は第1回授業として実施します。第1回の対面授業を実施する前に視聴していること、および視聴後に事前アンケート課題について回答していることを前提に授業が行われますので、必ず視聴しておいて下さい。詳細については、manaba+Rにて周知します。

授業外学習の指示

 本講義では、授業の実施形態に関わらず、復習を重視する設計をしています。
 授業内容としては健康に対する考え方、生体の構造や機能に関する内容は、高校までに学ぶ保健や生物、数学を基礎としていますが、知識を覚えることが目的ではなく、それらの基礎知識を活用して高校までの学びとは異なる人やその生き方に対する見方、考え方を考えていくことになります。このため、十分な理解を得るためには授業が終わった後に自分で咀嚼しなおすことが大切になります。
 まず、授業の最後にmanaba+Rを用いて質問、感想を述べることができますが、そこで自分の理解をまとめてみたり、わからないことを書き込むようにして下さい。その際、簡単な単語の意味などはスマホでのweb検索等で済ませ、聞かなければわからないことを質問するようにして下さい。翌週の冒頭に質問や感想のいくつかを採り上げ、理解が間違っている場合に説明をしたり、授業内容を掘り下げて解説を行います。
 次に授業では資料を配布しますが、レジュメやスライドのコピーではなく授業内容の概略をまとめ、かつ虫食い状態にしたものです。授業中はスライドを使って解説しますので、その内容を聞き取りメモすることに集中して下さい。授業終了後にスライドをmanabaに公開しますので、帰宅後にそのスライドや授業中にとったメモを基に、資料の虫食い部分を埋めたり、ノートをまとめ直す等して復習して下さい。
 以上、授業でのコミュニケーションペーパーを通じた質疑、帰宅後に配布資料を活用した復習に努めてもらうことで本授業の理解を深められることが期待されます。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

①授業への参加状況(30点)
 毎週授業の最後にmanabaのアンケート機能を用いて、指定された課題について回答してもらいます。提出1回につき2点が加点されます。記入内容により評価が変わることはありませんが、授業回によっては質問、感想以外の課題を課すことがあり、必要事項が書かれていなければ欠席扱いとなる場合があります。14回の授業が行われますので、2点×14回=28点になります。これに加えて、第1回授業開始前に事前アンケートを実施し、その回答にも2点を配分するため、計30点となります。ただし、加点は提出回数が15回の提出機会中10回以上の者に限り、6回以上未提出の人は「0点」となるので注意して下さい。
 なお、授業回によって課題は異なり、授業冒頭から出席していなければ回答できないような内容の場合もあります。また、授業開始後10分を経過して入室した場合は「遅刻」とみなし、受講はできますが、出席点は加算されません。
②到達度検証レポート(30点)
 第3回の授業と第10回の授業でそれまでの授業内容についての理解度を確認する300~500字程度のレポートを課す予定です。提出期間として7日間程度を設け、manaba+Rのレポート機能によりオンライン入力を使って提出してもらいます。1回につき、0~15点で採点します。授業内で説明した基本的な用語や概念について説明することができるかを評価します。
③最終レポート(40点)
 第14回の講義で1000~1500字程度の最終レポートを出題します。manaba+Rのレポート機能のファイル送信形式で提出してもらいます。全14回の授業内容を通じて行われる本講義での主張を正確にまとめられることを評価します。

成績評価方法(備考)

〇公欠に該当する欠席や、試合参加、体調不良等で欠席する場合の対応
 試合等参加証明書の提出や、やむを得ず欠席する事情の申し出(原則として授業前後に対面にて申し出ること。コレクションやメールの送付だけでは対応しません)により配慮をします。詳細は+R授業で説明します。
配慮の内容:
 出席点は加点しませんが、欠席とはみなしません。本授業では10回以上の授業内アンケート(事前アンケートを含む)がなければ出席点を加点しないこととしていますので、9回提出があっても、6回未提出があると出席点は0点になりますが、9回提出、5回配慮事由に該当しない欠席による未提出、1回配慮事由に該当する欠席による未提出の場合、18点が加点されることになります。
 その他、欠席回の授業資料等の提供、授業内容に対する質問の受付を行います。
 ただし、代表合宿での長期海外遠征や長期入院等により欠席が長期にわたる場合は、授業内容についていけなくことを防ぐ目的で課題を課した上で、一定範囲の出席点を加点する場合があります。

配慮に該当する事由例:
公欠届、試合等参加証明書が提出される場合、交通機関の乱れ、体調不良、冠婚葬祭、就職活動、ゼミ合宿等、自分で予定の調整が困難な場合
配慮に該当しない事由例:
私的な旅行、アルバイト、通院等、自分で予定の調整がある程度可能な場合

〇遅刻に対する対応
 授業開始後10分を経過して入室した場合は「遅刻」とみなし、受講はできますが、出席点は加算されません。該当する学生には、入室時に用紙を渡しますので、授業終了時に欠席理由を記入の上提出して下さい。理由が、上記欠席の配慮に該当するような内容の場合、配慮(遅刻とはみなさない)します。

受講および研究に関するアドバイス

 授業は1回完結型ではなく、14回を通して1つの大きな考え方を提案していく流れで構成されています。このため、1回の講義を独立したものとして理解するのではなく、それまでの講義とのつながりの中で理解することに努めると理解しやすくなります。特に、用語を記憶することよりも、どのような視点で人の運動や行動、スポーツ、社会を捉えようとしているのか、人の持つ潜在的な可能性がどのようなものであると考えているか、授業全体を通じて説明内容の基盤に存在する考え方に注意して講義を聞くようにして下さい。
 また、このことは講義を欠席すると次回の講義内容の理解がしづらくなることを意味します。対面形態で実施した場合、授業で用いたスライドはその日のうちに公開されますので、欠席した人も翌週の授業までに資料を見て勉強しておくと翌週以降も講義内容を理解しやすくなります。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

特に指定しません。毎回、講義内容に応じて、資料を配付します。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
生体のしくみ標準テキスト第3版 監修 高松 研, 堀内 ふき 医学映像教育センター 978-4862438317 ヒトの構造と機能の理解に役立つ
生物と無生物のあいだ 福岡伸一 講談社現代新書 978-4-06-149891-4 生命とは何か考察する際に役立つ
脳のなかの幽霊 V.S.ラマチャンドラン,サンドラ・ブレイクスリー 角川書店 4-04-791320-0 ヒトの可塑性を知ることができる
一般システム理論 フォン・ベルタランフィ みすず書房 4-622-02522-1 全体性の概念を学ぶことができる
パラリンピックブレイン 中澤 公孝 東京大学出版会 978-4130634083 ヒトの可塑性を知ることができる
つまずかない、転ばない奇跡のくねくね体操 荒木秀夫 宝島社 4800279666 コオーディネーションの概念に基づいたトレーニングについて知ることができる

参考書(使用頻度、その他補足)

 その他、必要に応じて講義内で適宜紹介します

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

コミュニケーションペーパー,学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考


【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html
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