授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
10041:専門特殊講義Ⅰ(SB) 2024 秋セメスター 水2 産業社会学部 権 学俊、孫 石熙 2

キャンパス

衣笠

授業施設

以学館IG301号教室

授業で利用する言語

1. 担当教員・孫 石熙(ソン・ソッキ。韓国の放送ジャーナリスト、MBCアナウンサー、報道局社会部記者、MBC『100分討論』司会者、 JTBC『ニュースルーム』メーンキャスター、JTBC代表理事社長などを歴任。産業社会学部客員教授)の授業は、基本的に英語によって行います。英語の授業内容をある程度理解できる学生(中級以上のレベル)が受講対象になります。

2. もちろん英語能力も重要ですが、何よりも、韓国と日本、メディア・ジャーナリズムと社会について高いモチベーションを持つ目的意識がある学生の履修が求められます。

3.教員の講義は英語で、受講生の発表と討論は状況によって英語や韓国語、日本語で進行します。

授業の概要と方法

【授業の概要】
  1. この講義の目標は、まず「楽しく積極的に勉強しよう」です。教員が 一方的に教える方式ではなく、教員と受講生がお互いに情報と意見を交換し討議する方式で授業を進めます。
  2. 本授業は、基本的に伝統的なメディア理論のなかでも、代表的理論ともいえる「アジェンダ・セッティング(設定)理論」(Agenda Setting Theories)と「メディアの役割モデル理論」(Role of Media Theories)が社会が変化するにつれて、どのように拡張され実現できるかを現実における適用事例を通して勉強します。 代表的なのは「アジェンダ・セッティング」から拡張された「アジェンダキーピング」(Agenda Keeping)です。その概念と実践事例を学んでいきます。
 また、メディアの役割がどのように変化・拡張されてきたのか、大衆文化を通じた伝統的ジャーナリズムの拡張も授業内容です。 そして、上記のすべてを盛り込むために、ニュースのモデルがどのように変化すべきかも提示します。つまり、本授業の主題語は「拡張」であり、担当教員が韓国の放送局の責任者であった時期に初めて導入し、実際に適用した既存理論の拡張モデルを提示することです。

  3. 本授業のもう一つの目的は、上記の方法論を通じて韓国と日本のメディアが社会的イシューを扱う上でどのように異なるかを比較することです。 担当教員は韓国のメディアを、受講生は日本のメディアについてお互いに情報を提供し比較してみる方法が授業の主な骨格になります。 したがって、学生の役割は担当教員と同じくらい重要です。そのため、受講生は日本のメディアをより具体的に分析し発表に臨むことになります。
  4.受講生のメディアとジャーナリズムの基本的な知識には偏差があるはずなので、担当教員が基本的理論を講義した後、それぞれの事例を提示しその内容を中心に議論します。担当教員の講義50分、映像と学生発表20分、議論20分になります。


【授業の方法】
 本科目は大学設置基準ならびに立命館大学産業社会学部則、立命館大学大学院社会学研究科研究科則において、区分を面接授業とする。詳細な実施方法については、manaba+Rのコースニュース、「授業スケジュール」および「授業実施形態」欄を確認のこと。






受講生の到達目標

学生の皆さんとともに韓国と日本のジャーナリズムについて考え、意見を述べあえる授業を目指す。

1.ジャーナリズムとメディア理論が不変ではなく、社会発展によって拡張され、変化する可能性があることを実際の適応事例を通して理解する。
2. 地政学的には同じ文化圏ですが、政治、社会、文化的に異なる韓日両国におけるメディアの役割(Role of Media)についても理解する。これにより、お互いの違いに対する理解を深めることができる。
3. 両国メディアの問題点について積極的に批評することで、メディアに対する正しい態度を涵養することができる。
4.英語の授業を通じてより積極的なコミュニケーションを引き出すことができるようにする。同時に韓国語について関心がある場合、授業で行われる議論などで使うことができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

日本と韓国のメディア、社会問題に関心のある学生であれば、特に事前に履修しておくと良い科目はありません。あらかじめシラバスの内容をよく確認して履修登録して下さい。また、担当教員の授業は英語によって行われます。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1【対面授業】

ジャーナリズム(授業内容)についての概要と導入(シラバス説明、本講義の目的・内容、方法、学習の進め方、評価などについての概説)

ジャーナリズム、概説、シラバス、評価、期末レポート、授業の進め方、自己紹介、関心内容

2【対面授業】

アジェンダ·セッティング理論と実際の事例ーマスメディア効果理論(Media Effect Theories)の最も核心的な部分であるアジェンダセッティングに対する基本的な理解

アジェンダセッティング(Agenda Setting)、アジェンダ構築(Agenda Building)など
アジェンダ·セッティングの事例紹介及び議論。学生発表の順序決定

3【対面授業】

アジェンダ·セッティングの拡張ーアジェンダ·キーピング(Agenda Keeping)

概念と実践とその限界、着眼(韓国のサムスングループの労働組合弾圧報道)
学生発表① : 日本メディアのアジェンダセッティング事例及び結果

4【対面授業】

セウォル号惨事(沈没事件)報道 ❶

 勃發、「ギレギ」(「記者+ゴミ」の合成語)の起源(アジェンダキーピングの動機付け)、現場報道 (アジェンダキーピングの土台)
学生発表② : 日本のメディアおよびジャーナリストに対する一般の認識

5【対面授業】

セウォル号惨事(沈没事件)報道 ❷

事実確認と推測報道の境界は?(アジェンダのファクト)、人間の顔をしたジャーナリズムとは何か?(アジェンダの感性)、犠牲者報道(アジェンダの説得)
500回のアジェンダキーピング、限界は何か?

学生発表③ :日本メディアのアジェンダキーピングの事例と結果【1】

6【対面授業】

朴槿恵韓国大統領 弾劾関連報道 ❶

勃発前夜、タブレットPC発見と最初の報道(先のアジェンダ、つまりセウォル号報道との連結線)、ろうそくデモの触発と連携(市民社会が率いたアジェンダ)

学生発表④ :日本メディアのアジェンダキーピングの事例と結果【2】

7【対面授業】

朴槿恵韓国大統領 弾劾関連報道 ❷

政界の動きと市民社会の対応(アジェンダの展開と深化)、逆作用の深化と社会分裂(アジェンダキーピングの葛藤局面)、法的結末と大統領選挙(アジェンダキーピングと社会変化)

学生発表⑤ : 日本メディアの政治イシュー報道と市民社会の反応

8【対面授業】

メディアと大衆文化-ジャーナリズムの拡張

大衆文化とジャーナリズム、ニュースより強力な影響力、ジャーナリズムのプラットフォーム移動現象 

ゲストスピーカー: ポン・ジュノ監督【映画『パラサイト』監督、2020年第92回アカデミー賞作品賞、監督賞などを受賞】【zoomで実施予定】

9【対面授業】

MeToo運動の報道 ❶

運動力量の蓄積と触発(存在するアジェンダの偶然性)、MeTooが持つ爆発性(ジェンダー分裂を引き起こしたアジェンダキーピング)

学生発表⑥ : 日本メディアのジェンダー(MeTooを含む)イシュー報道と影響

10【対面授業】

MeToo運動の報道 ❷

告白が真実かどうかの判断(アジェンダの任意的基準の問題)、ジェンダーと政治の結合(アジェンダキーピングの当為性)

学生発表⑦ : 日本メディアにおけるジェンダー問題批判(報道、ドラマ、広告など)

11【対面授業】

韓日関係関連アジェンダとその持続性❶

慰安婦問題、強制徴用関連報道、独島(竹島)問題の持続性

学生発表⑧ : 日本メディアの韓日関係報道傾向と批評

12【対面授業】

韓日関係関連アジェンダとその持続性❷

福島原発イシューと韓日報道。
ゲストスピーカー講演: イ・ホンギ監督。福島第一原発事故関連のドキュメンタリー制作監督
学生討論

13【対面授業】

メディアロールモデルの理論と拡張 ❶

伝統的メディアロールモデルーWatch dog, Lapdog 等の淵源とvariations。
Marxism、Neo Marxism、政治経済学(Political Economy)とメディア、
Guard dog, Sleeping dogの問題、事例と批評

学生発表⑨ : 日本のメディア産業構造

14【対面授業】

 メディアロールモデルの理論と拡張 ❷

Legacy Media vs Digital Media、Post Modernism vs Post Truth、My Own Dog、
事例と批評

学生発表⑩ : 日本におけるデジタルメディアの現状(YouTube等の一人メディアの発展と映像・動画メディアが世論に与える影響等)

15【対面授業】

ニュースモデルの拡張

アンカーの意思表現、ファクトチェック(Fact Check)の日常化、ゴシップ(gossip)のジャーナリズム、討論の果敢な配置、ジャーナリズムを盛り込む音楽

学生発表⑪ : 日本の大衆文化とメディア (TV World vs. Real World)

授業実施形態

対面授業で行います。また、授業の特性上、映像資料を多く使います。もちろん、受講生が発表する時、映像資料を使いながら報告しても大丈夫です。必要であれば、韓国のメディアと大衆文化関連の専門家をお招きして(zoomオンライン)一緒に議論します。受講生はその日のテーマに沿った日本のメディア事例について発表(グループまたは個人発表)します。学生たちはおそらく一回程度の発表の機会があるので、それほど大きな負担にはならないと思います。

授業外学習の指示

日本のメディアをより総合的・批判的・分析的に把握する訓練をしてほしいです。 ニュースの編集と記事内容と構成、全体的なバランスを見ることが重要です。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

1.出席および授業への積極性(授業内容に対する質問と議論参加、意見発表等) 30%
2. 発表 30%
3. 期末レポート(英語) 40%
レポートの評価については、授業内容についての理解度、論理構成の的確さ、独自の課題意識などを基準に総合的に評価する。

成績評価方法(備考)

本科目は、三分の二以上の出席(11回、manaba+Rなどでの出席カード提出) を前提とし、成績評価を行う。

受講および研究に関するアドバイス

積極的な発表と討論参加が何よりも重要です。授業言語は英語が基本なので、不本意ながら萎縮するかもしれませんが、それを克服しなければなりません。そのためには、少し語法が間違っていても積極的な参加が役に立つでしょう。討論する時に必要であれば、韓国語や日本語も使えるので大きな問題はありません。
また、学生の発表はあくまでも客観的な資料が必要となります。情報の量が重要なのではなく、情報の正確性が重要です。これはジャーナリズムの基本でもあります。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

扱う範囲が広いので、別に教科書を指定しません。講義時に授業に必要なプリントや資料(書籍の一部、新聞・雑誌記事、論文など)を配布し、テキストとします。 必要に応じて、その冊子を購入して読むことをお勧めします。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
ジャーナリズムの現場から 大鹿 靖明 講談社 4062882760
SNS時代のジャーナリズムを考える 瀬川 至朗編 早稲田大学出版部 4657220152
ジャーナリズムなき国の、ジャーナリズム論 大石 泰彦 編 彩流社 ‎ 4779126258
ジャーナリズムの可能性 原 寿雄 岩波書店 4004311705

参考書(使用頻度、その他補足)

その他、参考文献は毎回の講義時に紹介する。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考

1. 議論に積極的に参加して下さい。そのために、分からないことはどんなことでも恥ずかしがらずにどんどん質問して下さい。内容的には、鵜飲みせずに疑ってみるとともに授業内容や発表にあえて異議を唱えて議論を闘わせてみることも大事です。
2. ゲストスピーカーによる講義がありうる。
3. 講義の理解度を高めるため、講義に関連するニュース映像鑑賞がある。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html