授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
12899:[2025 秋セメスター]IR18‐EAJ202 憲法Ⅱ(R) § 12900:IR-EAR202 憲法Ⅱ(R) 2025 秋セメスター 火3 国際関係学部 君島 東彦 2

キャンパス

衣笠

授業施設

洋洋館YY302号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法



 この科目は受講生に対する知識の注入をおよそ目的としていない。教育とは知識の注入ではない。教育とは自らの生き方・世界観を絶えず吟味し変革していくプロセスであり、教師はその産婆である。この講義は学生諸君が自ら化学反応を起こすための触媒である。この講義が学生諸君の世界認識・自己変革の手助けとなることを切に願っている。また、学問とは常識批判である。学生諸君の「先入観を裏切る」講義をめざしている。

 「憲法 II」は、ガバメント/ガバナンス論を扱う。人権を保障するために、われわれはどのようなガバメントあるいはガバナンスを持つのかについて考えることになる。ガバメントの中心は依然として主権国家の政府ということになる。そこではデモクラシー論、立法、行政、司法の権力分立論などが主要なテーマとなる。また、主権国家の上位のガバナンス──国際機構論、国連論、国連改革論──や下位のガバメント(地方自治)、あるいは主権国家の「横」のガバナンス(越境的市民社会、NGOなど)も視野に入れる。ガバメント/ガバナンスは、政治と法制度が交錯する領域である。授業では、日本および世界の最新の政治状況、憲法現象を注視し、それについて憲法の観点から評価を加えることになる。

 この授業では、パワーポイントを使う講師のレクチャーに加えて、毎時間、2回ないし3回程度のグループ・ディスカッションを行う。講師から授業内容を深めるための問いを発する。毎時間、その問いを受けて、深く考えてほしい。

受講生の到達目標

・憲法のガバメント/ガバナンス論の概要、全体像を把握する。
・日本国憲法下の国会、天皇、内閣、裁判所の権限、機能、活動実態を理解する。
・主権国家の上位の国際機構、下位の地方自治を適切に位置づける。

事前に履修しておくことが望まれる科目

「憲法Ⅰ」を受講していると役に立つが、受講していなくても差し支えない。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

ガバメント/ガバナンス論を始めるにあたって。
デモクラシー論(1)

・ 近代憲法の構造。人権を保障するための政府。
・ 民主主義(人民主権)+自由主義(権力分立)
・ 主権とは何か
【+R授業】詳細はmanabaの+R授業で確認すること。

2

デモクラシー論(2)

・ デモクラシーとは何か。デモクラシーとは選挙と多数決なのか?
・ 我々はなぜデモクラシーを採用するのか
・ 「NGOは選挙で選ばれていないから、民主的正統性を持っていない」という主張について。

3

議会制(1)

・ 「国権の最高機関」とはどういうことか。
・ 一院制の国と二院制の国のどちらが多いか。
・ 「院」とは何か。

4

議会制(2)

・ 国会議員の特権はなぜ、何のためにあるのか。
・ 議院の自律権。国会と議院の違い。なぜ議院の自律権があるのか。
・ 議院の国政調査権は適切に使われているか。

5

天皇制(1)

・ 「象徴」とはどういうことか。
・ 日本国憲法1条の意味。人民主権の下での天皇制。
・ 天皇制の歴史
・ 戦後日本における天皇制の機能

6

天皇制(2)

・ 皇位継承を男系男子に限る制度をどう見るか。
・ 「君主制」の国際比較。
・ なぜ天皇の行為を国事行為に限定するのか。

7

議院内閣制(1)

・ 立法府と行政府の関係はどうなっているか。その国際比較。大統領制、議院内閣制、議会統治制。
・ 「衆議院の解散」とは何か。その歴史、現在、未来。

8

議院内閣制(2)

・ 行政権とは何か。
・ 「内閣総理大臣その他の国務大臣は文民でなければならない」という文民条項はなぜあるのか、何を意味しているのか。

9

裁判所論(1)

・ 司法とは何か。司法権とは何か。
・ 裁判官は「立法」(法原則の定立)をしていないか。

10

裁判所論(2)

・ 日本の裁判所の組織はどうなっているか。
・ 「法曹」(legal profession)とは何か。
・ 司法権の独立。裁判官の身分保障
・ 「司法官僚制」

11

裁判所論(3)

・ 司法とデモクラシー
   陪審制、裁判員制度、検察審査会
・ 違憲審査制。憲法の番人としての裁判所。
   違憲審査制の国際比較
・ 「選挙で選ばれていない裁判官は、民主的に成立した国会の法律を違憲無効と判断しうるのか」。立法府と司法府との関係。

12

地方自治(ローカル・ガバメント)

・ 主権国家の下のレベルのガバメント
・ 地方政府━国家政府━国際機構という三層構造のガバメント/ガバナンス

13

憲法の変動と保障(1)

・ 憲法を保障するとはどういうことか。
・ 憲法保障の諸形態。抵抗権、国家緊急権、違憲審査制。
・ 憲法改正の意義、手続、限界

14

憲法の変動と保障(2)

・ 日本国憲法制定以来、つねに存在していた憲法改正論
・ 憲法改正論の今後のゆくえ

授業実施形態

 授業は14回すべて教室における対面授業で行なう。対面授業のZoom配信および録画配信はしないので、必ず教室に来て授業を受けてほしい。この授業においては、教室におけるグループ・ディスカッション、教員との対話が重要な要素となっているので、教室に来るのは必須である。

授業外学習の指示

 指定した参考書、授業で配布する教材を事前に読んでくること。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

毎回の授業でグループ・ディスカッションを行う。出席とグループ・ディスカッションへの貢献度が40%、中間レポートが30%、期末レポートが30%の比率で評価する。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

教科書は特に指定しない。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
日本国憲法論 第2版 佐藤幸治 成文堂
比較憲法 第3版 辻村みよ子 岩波書店
憲法 第四版 樋口陽一 勁草書房
国会便覧 159版 シュハリ・イニシアティブ
「萬世一系」の研究(上・下) 奥平康弘 岩波現代文庫
昭和天皇の戦後日本 豊下楢彦 岩波書店
司法官僚 新藤宗幸 岩波新書
黒い巨塔 最高裁判所 瀬木比呂志 講談社文庫
甲山事件 えん罪のつくられ方 上野勝・山田悦子 現代人文社
記憶の闇━━甲山事件 松下竜一 河出書房新社
裁判官はなぜ誤るのか 秋山賢三 岩波新書
市民自治の憲法理論 松下圭一 岩波新書
政策型思考と政治 松下圭一 東京大学出版会
日本の地方政府 曽我謙悟 中公新書
憲法改正とは何だろうか 高見勝利 岩波新書
憲法改正国民投票 福井康佐 晃洋書房
現代日本人の法意識 瀬木比呂志 講談社現代新書
日本の国会 大山礼子 岩波新書
国会を考える 大石眞・大山礼子 三省堂

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

コミュニケーションペーパー,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/