授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
35710:文化人類学入門(G1) 2024 秋セメスター 水2 経済学部,理工学部,生命科学部,薬学部,スポーツ健康科学部 門馬 一平 2

キャンパス

BKC

授業施設

コラーニングⅠ 401号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

なぜお金に価値があるのか考えたことがあるだろうか。なぜ人にあったら挨拶をするのか考えたことがあるだろうか。私たちはただ生きているのではなく、たくさんの「決まりごと」や慣習の中で生きている。しかし、私たちはそのようなたくさんの「決まりごと」を普段は当たり前のようにやり過ごせてしまう。こうした当たり前の慣習も、時と場所が変われば全く違うやり方になる。そうした「違うやり方」に触れることで、私たち自身の「やり方」の特徴も見えてくるのではないだろうか。
本講義では、さまざまな文化からの具体的な報告を、映像やインターネットなどのメディアを活用しながら紹介する。また、今西錦司の自然学や、人類進化論にふれることで、「文化とは何か」について既成概念に縛られずに議論していきたいと考えている。さらに、文化人類学の基本姿勢である「フィールドワーク」の視座を身につけ、実践から他者を理解していくことの醍醐味に触れる。
講義をできるだけ双方向性のあるものにするため、常識にとらわれない積極的な発言やコメントを推奨する。「文化を大切に」といった既存の言葉に還元してしまわず、自分で考え、自分の言葉で語る癖をつけてほしい。
なお、授業は対面の講義形式を基本とする。

キーワード: 人類学、文化相対主義、自然学、人類進化、ドキュメンタリー、フィールドワーク、正統的周辺参加

受講生の到達目標

1) 文化人類学の基礎的な方法論や研究テーマを理解する。特に、人類学的なフィールドワークや参与観察の特徴を理解する。
2) 物事を見る際に多様な視点があることを意識し、自分にとっての当たり前が、他者にとっても当たり前とは限らないということを理解し、自文化を相対化できるようになる。
3) ヒトと自然との関係や相互作用に目を向け、その多様性を理解する。
4) 異文化や他者への洞察力・想像力を身につけるとともに、その共通点や人類に普遍的な特性について考える。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
第1回

ガイダンス 自己紹介

人類学のはじめ方、あるいは文化人類学の視点

第2回

文化人類学の方法

フィールドワーク 参与観察 正統的周辺参加 認知的徒弟制度 状況的学習

第3回

交換と互酬性

オセアニアと贈与交換論 レヴィ=ストロース 文化の体系と構造 リアリティとアクチュアリティ 

第4回

なぜひとは贈与と分配を行うのか〜バヌアツ共和国の共食文化 (ゲストスピーカー講義1)

資本主義による富の偏在は現代社会の喫緊の課題となりつつある。招聘講師がフィールドとしているバヌアツ共和国のフツナ島では、限られた資源の中で人々が食べ物を分かち合って共生してきた。現代社会を席巻する市場主義を相対化しつつ、人類にとってのオルタナティブな社会のあり方を文化人類学的に考察する。
ゲストスピーカーの講義順番は前後する可能性がある。

第5回

文化相対主義の視点

身の回りの異文化、日本のなかの異文化を知る 

第6回

生き物と文化1

残酷とはどのようなことか イオマンテ ドメスティケーション ニホンミツバチ 

第7回

生き物と文化2

食べることと生きること クジラと日本人 イルカとソロモン諸島

第8回

人類学と自然学

今西錦司の「自然学」 生態人類学の視点

第9回

進化と文化 

人類進化 人間性の起源

第10回

文化人類学と映像1

西太平洋の遠洋航海者 クラ交易 文化を録ること

第11回

文化人類学と映像2

ドキュメンタリー映画とフィールドワーク 撮られる者、撮る者、見る者

第12回

人類学を実践する

テクネーとエピステーメー 市場 農耕 狩猟採集

第13回

共在の論理〜近所付き合いの人類学 (ゲストスピーカー講義2)

モザンビーク島は、アジア・アフリカ・ヨーロッパそれぞ れの文化が混交しながら発展した場所である。多様な文化・人種・価値観が交わる現代社会において、いかに人と人は関係を接続/切断し、限られた地球環境の中で共在することができるのか。文化人類学の視点によって現代における共在の論理を導き出す。
ゲストスピーカーの講義順番は前後する可能性がある。

第14回

他者理解の可能性〜分かりあえなくても粘る(ゲストスピーカー講義3)

インドネシアの武術好きをフィールドワークする
国家やナショナリズムといったマクロな機構や概念が、いかにミクロな人々の文化・社会構造に影響を与えるのか。招聘講師は、インドネシアのジャワ島においてそうした影響を粘り強く調査してきた。同時代の別の地域におけるナショナリズムを分析することで、自文化を相対化し、文化人類学的フィールドワークの醍醐味を知る。
ゲストスピーカーの講義順番は前後する可能性がある。

第15回

これからの人類学

講義をまとめ、これからの人類学を語る

授業実施形態

基本的に第1回~15回全てを対面授業にて実施する。状況によってはシラバスの内容を変更し、メディア授業を実施する場合があるが、その際は学修支援システム(manaba+R)を利用して事前に告知する。

授業外学習の指示

1)毎回の講義でコメントペーパーを課すので、参考文献を利用し、復習をしておくこと。
2)講義中の議論の際に、発言を求めるので、新聞やニュースなど時事問題に触れておくこと。
3)講義中に適宜、文献、映画、博物館、各種イベントを紹介するので、予習復習レポート等に活用すること。
毎回の予習と復習に総計2時間を費やすことが望まれる。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

毎回の授業で、小コメントを課す。授業で学んだこと、考えたことを記述する必要がある。
また、受講生の到達目標に対応して授業の内容に関係する課題や、A4・1枚程度のレポートを複数回提示する。

成績評価方法(備考)

課題、レポートと毎回の講義の小コメントを総合的に判定し、採点する。また、受講態度の悪い学生は大幅に減点する。課題とレポートは複数提示するので、受講生はその中から選択して提出することができる。到達目標を達成するため、複数回の提出を求める。

受講および研究に関するアドバイス

とくに、ヒトと文化、生物、自然、海域アジア・オセアニアに関心があれば受講すると役に立つ講義となるであろう。
授業を受けた上で、まずは身の回りの自然や文化を知り、フィールドへ出かけてほしい。実際にフィールドの中に身を置いた上で、自らの生き方を変えるきっかけになればと願っている。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

使用しない。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
生態人類学を学ぶ人のために 秋道智彌 編・市川 光雄・大塚柳太郎編 世界思想社 9784790705611
愛と経済のロゴス 中沢新一 講談社 978-4062582605
日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか 内山節 講談社 978-4062879187
リアスの海辺から 畠山重篤 文藝春秋 978-4167656331
独立国家のつくりかた 坂口恭平 講談社 978-4062881555
なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか 想田和弘 講談社 978-4062881135
共感の時代へ フランス・ドゥ・ヴァール 紀伊國屋書店 978-4314010634
贈与論 マルセル・モース 岩波書店 978-4003422816

参考書(使用頻度、その他補足)

そのほか、講義中に適宜指示する。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

コミュニケーションペーパー,インタラクティブシート,manaba+R,学生との直接対話

備考

担当者の実務経験について、映像プロダクション勤務、博物館勤務が挙げられ、それらの視座からも授業を展開する。また、授業(3回分)にゲスト講師を招聘することを計画している。

なお、各回の講義内容と順番は、受講生の到達状況を鑑みて一部変更することがある。また、なるべく最新の研究状況を伝えるために、内容を追加する場合がある。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html