授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
15867:[2025 秋セメスター]パブリックアクセス論(S) 2025 秋セメスター 水1 産業社会学部 住田 翔子 2

キャンパス

衣笠

授業施設

以学館IG401号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

【授業の概要】
 従来メディア研究の分野では、公共財である放送電波を用いて一般の人々が自己表現し制作・発表する市民放送が「パブリックアクセス 」であると理解されてきました。しかし字義的にみれば、「パブリックアクセス public access」は、「一般の人々 (public) が公共の (public) 資源や財を利用する権利・自由 (access)」 を示しています。今日の社会環境においては、放送にかぎらずさまざまなメディアを用いて表現する人々の姿を目にすることができます。以上から本講義では、従来よりも広い意味でパブリックアクセスを捉えます。また、メディアとみなす領域も広げます。よって、特に都市空間や技術といったメディアを/で表現する人々の活動に焦点を当てながら、理論や思想、そして具体的な事例をもとにパブリックアクセスの今日的な意義を考えます。

【授業の方法】
本科目は大学設置基準ならびに立命館大学産業社会学部則、立命館大学大学院社会学研究科研究科則において、区分を面接授業とする。詳細な実施方法については、manaba+Rのコースニュース、「授業スケジュール」および「授業実施形態」欄を確認のこと。

受講生の到達目標

(1)パブリックアクセスの意味・機能を理論や思想をもとに理解することができる
(2)今日におけるパブリックアクセスの意義について自身の意見を説得的に述べることができる

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1 

イントロダクション

 授業の目的、授業のスケジュール、成績評価方法を確認したうえで、パブリックアクセスという考え方の背景や歴史について、紹介します。
 

2 

メディアとしての空間・技術とパブリックアクセス①

 パブリックアクセスという権利や自由が、いかに空間の見方、使い方とかかわるのかを、ベンヤミンやシチュアシオニストらの思想から考えます。
 

3 

メディアとしての空間・技術とパブリックアクセス②

 空間、特に都市のなかの空間が、歴史的にいかに使われ誰を排除してきたのかを、広場という概念や思想、ストリートの文化から考えます。

4 

メディアとしての空間・技術とパブリックアクセス③

 メディア技術の誕生・発達の過程と表現することとのかかわりを、写真/映画、ビデオカメラ、コンピュータなどを取り上げながら検討します。

5 

表現活動とパブリックアクセス①

 表現することが単なる自己の発露ではなく、公共の社会をデザインする活動でもあることを、近代デザインの父と称されるウィリアム・モリスと彼が先導したアーツ・アンド・クラフツ運動、および日本における柳宗悦による民藝運動から読み解きます。

6 

表現活動とパブリックアクセス②

 私たちがなにかを表現するうえで必要となるのが公共の財であり資源です。ここでは特に、美術館や博物館、また図書館などにおけるモノを収集し保存し記録するアーカイヴの思想と歴史をたどります。

7 

表現活動とパブリックアクセス③

 今日、公共の財、資源であっても、固定的なモノではなく流動的な情報も存在します。表現活動においていかにそれらを用いることを可能にするかを、クリエイティブコモンズや著作権とのかかわりから言及します。

8 

実践例 廃墟空間をめぐる①

 パブリックアクセスを実践するひとつの例として、日本における廃墟に対する関心の現れとその背景である都市や環境に対する認識の変化を挙げます。

9 

実践例 廃墟空間をめぐる②

 日本における廃墟に対する関心が、写真というメディアを媒介に広がっていったことを、具体的な廃墟写真集をいくつか取り上げながら追究します。

10 

実践例 廃墟空間をめぐる③

 日本における廃墟に対する関心が、一方で美的な関心から、他方で歴史的・社会的な関心から高まり、そのために廃墟の意味づけが異なっていくことを、具体事例を挙げながらたどります。

11 

実践例 まちにコミットする①

 今日、廃墟や廃校が公的な空間を新たに意味づけかつ活性化させる役割を担わされていることについて、ドイツや日本の例を挙げながら、その是非を問います。

12 

実践例 まちにコミットする②

 市民参加による公的な空間の新たな意味づけ、活性化がいかに可能であるかを、理論や実践を取り上げながら検討します。

13 

実践例 まちにコミットする③

 市民参加による公的な空間の新たな意味づけ、活性化がいかに可能であるかを、理論や実践を取り上げながら検討します。
 なお場合によっては、ゲストスピーカーによる講義または関連する映像視聴に変更することもあります。

14 

パブリックアクセスの現在

 これまでの講義を振り返りつつ、公が創る社会から共に創る社会への転換を迫られる今日の状況について考えます。

 

授業実施形態

第1~14回対面で実施する。
【+R授業】は第14回授業で実施します。詳細については、manaba+Rにて周知します。

授業外学習の指示

第一に、毎回の授業で配布する資料を読み込んでください。そのうえで、パブリックアクセスの活動は私たちのごく身近な環境で生じています。そこで第二に、普段何気なく利用したり通ったりしている電車・バス内や道路、公園や広場、あるいはインターネット上のヴァーチャルな空間などに目を凝らしましょう。そしてさまざまな表現活動の存在に気づき、そのことと授業での学びがいかに関わるのかを考えてみましょう。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

①ミニレポート 40%
 授業内で課題を提示。なお出席点ではありません。

②期末レポート 60%
 分量は5000字程度。講義内容から発展させたユニークな問いが設定できているか、かつ論理的で説得力ある議論展開ができているかを特に評価します。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

毎回の配布資料をもとに復習をしましょう。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

教科書は用いません。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
空間とメディア 遠藤英樹・松本健太郎編著 ナカニシヤ出版 9784779509070
記録と記憶のメディア論 谷島貫太・松本健太郎編 ナカニシヤ出版 9784779511790

参考書(使用頻度、その他補足)

参考書を講義内で直接参照することはありませんが、本講義の内容を補完する、あるいは深める内容として紹介しています。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

コミュニケーションペーパー,manaba+R,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/