授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
15866:[2025 春セメスター]ジャーナリズム論(S) 2025 春セメスター 金3 産業社会学部 趙 相宇 2

キャンパス

衣笠

授業施設

以学館IG403号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

【授業の概要】
 ジャーナリズムとは何か。この問いに対して、日本に住む私たちは誰か個人を思い浮かべるよりは、「○○新聞」「××放送」といったようにマス・メディア企業を思い起こし、彼らが組織的に行う取材・報道などの活動のことを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。しかし、単純に何かを取材し、報道するだけでジャーナリズムに立脚していると言えるだろうか。また、マス・メディア企業が本当にジャーナリズムを代表し得るのだろうか。
 本講義では、ジャーナリズムと公共圏の問題を中心に、ジャーナリズムの歴史や、関連の制度と倫理、議論を概観しながら、ジャーナリズムとは何かについて考えていく。ジャーナリズムについて考えることは、何も将来的にマス・メディア企業に就職したいと考える学生のみに関わる問題ではない。私たちは、誰もがSNSを通じて何らかの情報を不特定多数に発信する時代を生きている。何かを取材し、報道することは、マス・メディア企業だけが担うものではなくなっている。だからこそ、私たちは、一人一人がどうジャーナリズムに向き合っていくのかを考えなければならない時代を生きている。デマに惑わされないという意味での消極的なメディア・リテラシーを越えて、私たちが生産する情報の意味や、その行為自体の倫理について考える必要性が出てきているのである。
 そのような時代において、ジャーナリズムは、もはや、報道を生業とするプロフェショナルな人々に限定される倫理ではない。私たちの日常生活の倫理としても重要な意味を持っているのであり、その点についても本講義を通して皆さんと考えていきたい。

【授業の方法】
 本科目は大学設置基準および立命館大学産業社会学部則において、区分を面接授業とする。詳細な実施方法については、manaba+Rのコースニュース、「授業スケジュール」および「授業実施形態」欄を確認のこと。

受講生の到達目標

①ジャーナリズムに関する基礎的な理論を理解できる。
②ジャーナリズムに関する近現代の大まかな歴史や課題を理解できる。
③ジャーナリズムの議論を通して自らの情報発信が持つ意味や課題について理解できる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

オリエンテーション―ジャーナリズム論とは?

「マスコミ」、権力、監視社会、公共圏、民主主義

2

市民社会の誕生とジャーナリズム

宗教革命、出版資本主義、コーヒーハウス、市民的公共圏、第4権力

3

大衆社会の誕生とイエロー・ジャーナリズム

鉄道、光、夕刊紙、広告、ファシスト的公共圏、疑似環境

4

日本的ジャーナリズムの受容

大正デモクラシー、白虹事件、不偏不党、戦時ジャーナリズム、輿論と世論

5

日本におけるジャーナリズムの法と倫理

戦後民主主義、表現の自由、編集権、国家機密法、放送法

6

取材の自由と記者クラブ問題

日本新聞協会、発表ジャーナリズム、広報、優しい監視

7

放送に対する規制の問題

電波監理委員会、放送法4条、BPO、デービット・ケイ、フェイクニュース

8

メディア報道の問題―流言

関東大震災、新型コロナウィルス、インフォデミック、真正性、非実在型炎上

9

メディア報道の問題―フレーミング

議題設定、沈黙の螺旋、培養効果、世論調査、偏向報道、犯罪報道

10

メディア報道の問題―ニュースバリュー

特ダネ、ニュース感覚、編集、正義感、利潤、情動

11

今後のジャーナリズムの可能性―探査ジャーナリズム

専門性、現場性、客観性、組織ジャーナリズム、非営利団体

12

今後のジャーナリズムの可能性―ファクトチェック

フェイクニュース・パイプライン、公共性、FIJ、IFCN、バックファイヤー効果

13

今後のジャーナリズムの可能性―SNSと個人の自律性

フリージャーナリスト、ジャーナリズム教育、アラブの春、蝋燭デモ、#Me Too

14

まとめにかえて-「ポスト真実」の時代の私たちの社会との向き合い方

マーシャル・マクルーハン、ネグリ&ハート、マルチチュード、声なき声

授業実施形態

第1~14回対面で実施する。
【+R授業】は第1回授業で実施します。詳細については、manaba+Rにて周知します。

授業外学習の指示

本講義では、社会学の基礎的な用語や、近現代史の基礎的な用語が多く使われます。また、韓国や中国、台湾などの関連の事例も多く紹介する予定です。日本以外の国についての説明は、いきなり理解することが難しいかもしれませんので、授業終わりにそれらの用語や地域についての基礎情報をしっかり復習することを勧めます。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

期末レポート(60%)および平常点(40%)により総合評価する。期末レポートの締切については、教員からレポートのテーマとともに学期の後半で公表する。その際に示す注意事項に留意し、テーマに沿ってレポートを作成してもらいたい。出欠は毎回の講義の開始後にQRコードで取る。毎回のコメントペーパー(最低300字程度)の提出と合わせてこれを平常点とする。

成績評価方法(備考)

もし就職活動の面接など、やむを得ない事情がある場合は、担当教員にマナバの個別指導コレクションにて相談すること。教員が欠席の理由が妥当と判断すれば、成績評価の際になるべく不利に働かないように配慮する。

受講および研究に関するアドバイス

授業の内容と完全に一致するわけではないが、本講義を企画する上で主に参考にした図書を適宜紹介するので、予習や復習に用いると良い。今後の卒業論文執筆などに向けても重要なので、図書館はなるべく活用すること。その際、この授業で取り上げる参考書のみを手に取るのではなく、その参考書が収まっている本棚を全体的に眺めてみること。関連の面白い本が見つかったりするので、見聞を広める上でも図書館の利用は強く勧める。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
『〈声なき声〉のジャーナリズム:マイノリティの意見をいかに掬い上げるか』 田中瑛著 慶應義塾大学出版会 476642963X
『はじめてのニュース・リテラシー』 白戸圭一著 ちくまプリマ―新書 ‎4480683984
『フェイクニュースの生態系』 藤代裕之編著 青弓社 4787234978
『ジャーナリズムなき国のジャーナリズム論』 大石泰彦編著 彩流社 4779126258
『現代ジャーナリズムを学ぶ人のために〔第2版〕』 大井眞二、田村紀雄、鈴木雄雅編 世界思想社 4790717151
『ファシスト的公共性:総力戦体制のメディア学』 佐藤卓己著 岩波書店 4000612603
『輿論と世論:日本的民意の系譜学』 佐藤卓己著 新潮選書 4106036177
『国際紛争のメディア学』 橋本晃著 青弓社 4787232576
『メディア社会の歩き方:その歴史と仕組み』 伊藤武夫 ほか9名編著 世界思想社 4790710572

参考書(使用頻度、その他補足)

その他、適宜授業中に提示する

参考になるwwwページ

適宜授業中に指示する。いくつかジャーナリズムに関する映画は授業で取り上げる予定なので、興味があれば、自分で図書館などを利用して視聴すること。

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/