授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
15242:[2025 秋セメスター]専門特殊講義Ⅰ(SB) 2025 秋セメスター 水2 産業社会学部 孫 石熙、趙 相宇 2

キャンパス

衣笠

授業施設

以学館IG301号教室

授業で利用する言語

お概ね中級以上の英語能力が求められます。ただし、英語能力について不安に思う必要はありません。若干の英会話ができる程度でも授業で不利にはならないでしょう。講義は英語で進めますが、学生による発表や討議は状況に応じて英語・韓国語・日本語で進めていきます。

授業の概要と方法

【授業の概要】
  1. 基本的に本講義では、伝統的なメディア理論のなかでも代表的理論ともいえる「アジェンダ・セッティング(設定)理論」(Agenda Setting Theories)と「メディアの役割モデル理論」(Role of Media Theories)について、それらがメディアの現場でどのように拡張し、また実現可能なのかを学びます。代表的なものに、「アジェンダ・セッティング」から拡張した「アジェンダキーピング」(Agenda Keeping)が挙げられます。本講義の担当者が韓国言論界隈で主張したもので、その概念と実践事例を掘り下げてみます。また、メディアの役割がどのように変化・拡張されてきたのか、大衆文化を通じた伝統的ジャーナリズムの拡張についても学びます。 そして、上記のすべてを包括するために、ニュースのモデルがどのように変化すべきかについても提示します。すなわち、本授業では「拡張」を主題とし、担当教員が韓国の放送局の責任者であった時期に初めて導入して実際に適用したきた既存理論の拡張モデルを提示します。

  2. 本授業のもう一つの目的は、上記の方法論を通じて韓国と日本のメディアが社会的イシューを扱う上でどのように異なるかを比較することです。 担当教員は韓国のメディアを、受講生は日本のメディアについてお互いに情報を提供し比較してみる方法が授業の主な骨子となります。そのため、受講生は日本のメディアをより具体的に分析し発表に臨むことになります。

  3. 本授業で扱う主要イシューは、可能な限りそれらを韓国で直接取材した記者やコンテンツの制作者を招き、彼らの意見を聞いて討議する機会を持ちます。そうすることで、より多角的な意見に接することができるでしょう。

  4. 担当教員は、基本的な理論を講義した後、それぞれの理論に関する事例を提示します。大体講義6割、学生発表2割、討議2割で授業を構成します。

【授業の方法】
 本科目は大学設置基準ならびに立命館大学産業社会学部則、立命館大学大学院社会学研究科研究科則において、区分を面接授業とする。詳細な実施方法については、manaba+Rのコースニュース、「授業スケジュール」および「授業実施形態」欄を確認のこと。

受講生の到達目標

1.ジャーナリズムとメディア理論が不変ではなく、社会発展によって拡張され、変化する可能性があることを実際の適応事例を通して理解する。
2. 地政学的には同じ文化圏ですが、政治、社会、文化的に異なる韓日両国におけるメディアの役割(Role of Media)についても理解する。これにより、お互いの違いに対する理解を深めることができる。
3. 両国メディアの問題点について積極的に批評することで、メディアに対する正しい態度を涵養することができる。
4.授業を通じてより積極的なコミュニケーションが行えるようになる。基本的には英語を使用するが、それによるコミュニケーションが著しく取れない場合は、韓国語や日本語でも可。

事前に履修しておくことが望まれる科目

日本と韓国のメディア、社会問題に関心のある学生であれば、特に事前に履修しておくと良い科目はありません。あらかじめシラバスの内容をよく確認して履修登録して下さい。また、担当教員の授業は英語によって行われます。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1【対面授業】

授業概要の説明および紹介

ー授業内容、目的、方法などを説明

2【対面授業】

アジェンダ·セッティング理論と実際の事例

ーマスメディア効果理論(Media Effect Theories)の最も核心的な部分であるアジェンダセッティングに対する基本的な理解
ー学生発表の順序決定

3【対面授業】

アジェンダ·セッティングの拡張ーアジェンダ·キーピング(Agenda Keeping)

ー概念と実践とその限界
ー着眼(韓国のサムスングループの労働組合弾圧報道)
ー学生発表①:日本メディアのアジェンダセッティング事例及び結果

4【対面授業】

セウォル号惨事(沈没事件)報道 ❶

ー事実確認と推測報道の境界は?(アジェンダのファクト)
ー人間の顔をしたジャーナリズムとは何か?(アジェンダの感性)
ー 500回のアジェンダキーピング、限界は何か?
ー学生発表②:日本メディアのアジェンダセッティング事例及び結果

5【対面授業】

セウォル号惨事(沈没事件)報道 ❷

ードキュメンタリーによるアジェンダキーピング、
ーセウォル号惨事(沈没事件)のドキュメンタリー映画「Zero-Sum」を視聴し、ユン・ソルジ監督をZoomでつないで講義&質疑応答

6【対面授業】

朴槿恵韓国大統領 弾劾関連報道 ❶

ー勃発前夜
ータブレットPC発見と最初の報道
ーろうそくデモの触発(市民社会が率いたアジェンダ)
ー学生発表③:日本メディアとジャーナリストに対する日本大衆の認識

7【対面授業】

朴槿恵韓国大統領 弾劾関連報道 ❷

ー政界の動きと市民社会の対応(アジェンダの展開と深化)
ー逆作用の深化と社会分裂(アジェンダキーピングの葛藤局面)
ー法的結末と大統領選挙(アジェンダキーピングと社会変化)
ー当時を取材した記者をZoomでつないで討議
ー学生発表④:日本メディアの政治イシュー報道と市民社会の反応

8【対面授業】

尹錫悦の戒厳と弾劾、そしてメディア報道(デジタルメディアの機能)

ー民主主義と言論
ー韓国におけるYouTubeメディアの運営者シン・ヘリ記者をZoomでつないで講義及び質疑応答
ー学生発表⑤:日本メディアの韓国での戒厳および弾劾関連の報道と市民の反応

9【対面授業】

MeToo運動の報道 ❶

ー運動力量の蓄積と触発
ーMeTooが持つ爆発性(ジェンダー分裂を引き起こしたアジェンダキーピング)
ー学生発表⑥:日本メディアのジェンダー(MeTooを含む)イシュー報道と影響

10【対面授業】

MeToo運動の報道 ❷

ー告白が真実かどうかの判断(アジェンダの任意的基準の問題)
ージェンダーと政治の結合(アジェンダキーピングの当為性)
ーMeToo運動を報道したJTBCキム・ジア記者をZoomでつないで講義及び質疑応答
ー学生発表⑦:日本メディアにおけるジェンダー問題批判(報道、ドラマ、広告など)

11【対面授業】

韓日関係関連アジェンダとその持続性❶

ー「慰安婦」問題、強制徴用工関連の報道(No Japan運動の経過)
ー独島(竹島)イシューの持続性
ー学生発表⑧:日本メディアの韓日関係報道傾向と批評

12【対面授業】

メディアロールモデルの理論と拡張 ❶

ー伝統的メディアロールモデルーWatch dog, Lapdog 等の淵源とvariations
ーMarxism、Neo Marxism、政治経済学(Political Economy)とメディア
ーGuard dog, Sleeping dogの問題
ー学生発表⑨:日本メディアの産業構造

13【対面授業】

メディアロールモデルの理論と拡張 ❷

ーPost Modernism vs Post Truth
ー既存のジャーナリズムのスタンダードの破壊、何を守るべきか?
ーデジタル以降のAIの登場とフェイクニュースの氾濫(ドキュメンタリー「Deep Criminal」)
ー学生発表⑩:日本のデジタルメディアの現在地(Youtubeなどの一人メディアの発展とそれが世論に及ぼす影響など)

14【対面授業】

大衆文化とジャーナリズム

ー大衆文化が表現する時代相とジャーナリズム
ーK-popキム・イナ作詞家をZooomでつないで講義

授業実施形態

基本的に講義室にて対面で実施します。授業の性質上、映像資料を補助資料として用います。必要なら、韓国メディアや大衆文化関連の人物をZoomでつないで討議を行います。

また、受講者は、グループまたは個別に該当回の主題について日本メディアにおける事例を取り上げて発表してもらいます。発表は、学期中に各受講者に1回ずつしか求めませんので、それほど大きな負担にはならないでしょう。

【+R授業】は第5回授業で実施します。詳細については、manaba+Rにて周知します。
第5回はゲスト講師を招いての講義なので、通常の講義より20分長くなる予定です。

授業外学習の指示

日本のメディアをより総合的・批判的・分析的に把握する訓練をしてほしいです。 ニュースの編集と記事内容と構成、全体的なバランスを見ることが重要です。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

1.発表30%
2.出席および授業への積極性(授業内容に対する質問と議論参加、意見発表等) 30%
3.期末レポート(英語) 40%
4.出席が基本的に3分の2以上(11回以上)なければ、成績評価対象としない。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

授業言語は英語が基本なので、不本意ながら萎縮するかもしれませんが、それを克服しなければなりません。そのためには、少し語法が間違っていても積極的な参加が役に立つでしょう。討論する時に必要であれば、韓国語や日本語も使えるので大きな問題はありません。
また、学生の発表はあくまでも客観的な資料が必要となります。情報の量が重要なのではなく、情報の正確性が重要です。これはジャーナリズムの基本でもあります。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

扱う範囲が広いため、教科書は指定しません。授業に必要な資料はその都度配布します(本の一部、記事、論文等)。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
ジャーナリズムの現場から 大鹿 靖明 講談社 4062882760
SNS時代のジャーナリズムを考える 瀬川 至朗編 早稲田大学出版部 4657220152
ジャーナリズムなき国の、ジャーナリズム論 大石 泰彦 編 彩流社 4779126258
ジャーナリズムの可能性 原 寿雄 岩波書店 4004311705

参考書(使用頻度、その他補足)

その他、参考文献は毎回の講義時に紹介する。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考

1. 議論に積極的に参加して下さい。そのために、分からないことはどんなことでも恥ずかしがらずにどんどん質問して下さい。内容的には、鵜飲みせずに疑ってみるとともに授業内容や発表にあえて異議を唱えて議論を闘わせてみることも大事です。
2. ゲストスピーカーによる講義がありうる。
3. 講義の理解度を高めるため、講義に関連するニュース映像鑑賞がある。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/