授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
33495:物質科学(GA) 2024 春セメスター 月2 理工学部 難波 秀利 2

キャンパス

BKC

授業施設

フォレストハウス306号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 本講義では物質を原子スケールとマクロのスケールの観点から眺める。
 Part Ⅰでは、原子の特性を描き出す量子の世界に入門する。 物質の性質は原子内の電子の振る舞いにより多くが決められている。 量子論に基づいて原子の電子状態を明らかにし、元素の周期律表に示されている元素の特徴がどのように発現しているかについて基本的な要因を理解する。 原子は相互作用し化学結合を形成するが、化学結合の特性を明らかにし、それに依存して結晶構造が定まっていることを学ぶ。 結晶は電気伝導性から金属・半導体・絶縁体に分類されている。 それらの特性が発現するメカニズムについても考える。 量子論の世界は日常とはまったく異なっているため戸惑いもするが、興味あふれるおもしろい世界であるだけでなく、理工系の学生には必須の分野でもある。 
 Part II 原子・分子の運動の特性を理解し、それに基づいて気体・液体・固体という物質の3態の特性を明らかにする。 原子間相互作用によりそれらの状態変化が起きることを理解する。 熱力学の諸法則を理解し、エンタルピー、エントロピー、自由エネルギーについて学ぶ。 そして自由エネルギーにより結晶の外形が決まり、結晶の成長プロセスが理解できることを学ぶ。 
 
 

受講生の到達目標

 各論的な物質個々の性質は専門科目に任せて、本講義では物性の基本的な眺め方を学習していく。 個別的な問題のHow to的な解き方を学ぶのではなく、現象の奥に潜む物理的なメカニズムを解き明かしていくことに努める。
 講義でわからないことに出くわした時は即座に質問して解決していくという姿勢も身につけてほしい。

事前に履修しておくことが望まれる科目

各学科での物理系の基幹科目である「物理科学Ⅰ~Ⅲ」。 物質、固体が関連する諸科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1回目

量子の世界

電子と光が現す粒子性と波動性の実験事実をもとに、不確定性原理により2重性が理解できることを学ぶ。

2,3回目

量子力学入門

シュレディンガー方程式を導出し、その解である量子化された原子のエネルギー準位と原子軌道を理解する。

4,5回目

元素の性質と周期律

元素の個性ともいえる基本的な性質がどのように現れているかを量子力学に基づいて原子の電子状態を解析することによって理解する。 そして、元素の周期律が発現するメカニズムを理解する。

6~8回目

化学結合

量子論による化学結合の生成を理解し、イオン結晶、共有結晶の性質と、その構造を理解する。 混成軌道が形成され、それによりシリコン、炭化水素分子の形と性質を考える。

9,10回目

結晶の電子状態と電気伝導特性

自由電子バンドの特徴。
周期ポテンシャルが摂動として作用することにより、金属、半導体、絶縁体が形成されることを学ぶ。

11回目

原子・分子の運動と物質の三態

分子運動。
気体、液体、固体の特徴と、ファンデルワールス相互作用による状態変化

12,13回目

熱力学の法則

エンタルピー、エントロピー、自由エネルギー、熱力学の法則を概説する。

14回目

結晶の形と自由エネルギー

ウルフの定理

15回目

結晶の成長と自由エネルギー

臨界核の形成、 コッセルモデルによる結晶成長

授業実施形態

対面講義を基本とする。

授業外学習の指示

物理や物質関連の「ニュートン」などの科学雑誌、ブルーバックスなどの啓蒙書を読んでみよう。 何よりも自分から興味を持つことが大切だ。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

中間レポートと期末レポートを課す。
本講義はきわめて多様な物質の各論的な性質を紹介するのではなく、量子力学をベースとした原子スケールで物質を眺める、熱力学をベースとしたマクロスケールで眺めることを目的としている。 レポートではそれらの眺め方を理解しているか否かが問われる。

成績評価方法(備考)

 レポートでは与えられた課題について自分で調べ、試行錯誤的に考えながら自分なりのゴールに到達することが重要。 その到達点が読み取れないレポートとか、ネット記事のコピーなどでは意味がない。 本講義では個々の物質の性質を知る、あるいは、暗記することではなく、物質の重要で面白い性質がどのような物理的要因により発現しているかというメカニズムを理解すること。 講義に参加し、わからないことはその場で質問し、それなりに納得することが重要であり、講義に参加しないで、レポートを参考書などからの知識のみでその場しのぎ的なレポートは評価されない。  

受講および研究に関するアドバイス

 物質を支配している法則、概念の理解に挑戦してほしい。

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
物理化学要論 アトキンス 東京化学同人 9784807909773

教科書(使用頻度、その他補足)

必須ではないが、講義内容を理解するのに役に立つ。 準教科書的な位置づけである。 講義で使う図、データ等はマナバで配信する。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
結晶は生きている 黒田登志雄 サイエンス社 4-7819-0351-7 内容がしっかりしていて読みやすい
一般化学Ⅰー物質の構造と性質 ブラウンら 丸善 978-4-621-30010-7 内容は平易すぎるが、物質の写真、図・表データが豊富
固体物理学入門 フック,ホール 丸善 4-621-04963-1
結晶成長 大川章哉 裳華房 4-7853-2502-X
物質の性質Ⅰ、Ⅱ Flowers&Mendoza 共立 978-4-621-30010-7 内容は適切であるが、入手困難. 原著は入手可能

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

特になし。

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

コミュニケーションペーパー,学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

ウェストウィング1階に「物理駆け込み寺」といって、先輩たちによる物理系科目の学習支援が行われている。 そこでは家庭教師的な雰囲気や、グループ討論など皆さんに合ったやり方で皆さんの疑問を解決していくことができるので、ぜひ活用してほしい。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/