Course Name Year Term Period Faculty / Graduate School All Instructors Credits
15811:IR18‐HJ301 Advanced Seminar (17) § 15812:IR-GR301 Advanced Seminar (17) 2023 Fall Mon5 College Of International Relations SUECHIKA KOTA 2

Campus

KIC

Class Venue

KOSHINKAN KS302

Language

Japanese

Course Outline and Method

(1)概要
本ゼミの目的は、中東を「地域研究する」ことです。「地域研究する」とは、単に特定の地域を研究することではなく、「地域研究」(エリア・スタディ)という方法論を用いてその実態を把握し理解することを意味します。従来の政治学、社会学、経済学といった学問では解き明かしきれなかった地域の実態を浮き彫りにしていきます。
 しかし同時に、中東を「地域研究する」ことは、中東だけを特別なものとして勉強していくことを意味するものでもありません。確かに、中東は政治的には混乱が続き、文化的にはイスラームが強い影響力を持ち、経済的には豊富な天然資源を持つ「特殊」な地域に見えるかもしれません。しかし、実際には、パレスチナ問題、「アラブの春」、そして「イスラーム国(IS)」の急速な拡大に象徴されるように、中東には他の地域以上に国際政治のダイナミズムが深く食い込んでおり、また、宗教・文明としてのイスラームは中東を越えてアメリカやヨーロッパまでグローバルな広がりを見せています。 そのため、ゼミ生の研究課題は中東に限定されず、中東地域・イスラーム世界に関係するさまざまな事象にまで広がっていきます。
 指導体制は、担当教員が実質的に2名、そして、リサーチアシスタントが加わることで、チームティーチングのかたちをとります。担当教員については、2023年度春セメスターを池端(末近が国外学外研究のため)、同年度秋セメスター以降を末近・池端が担当します。これに加えて、立命館大学RARA(Ritsumeikan Advanced Research Academy)のリサーチアシスタント(博士後期課程)が参加し、ゼミ生の「研究(勉強)」のサポートをします。さらに、立命館大学中東・イスラーム研究センター(CMEIS, Center for Middle Eastern and Islamic Studies)の各種研究会やワークショップなどとの連携を通して、ゼミ生の関心や問題意識の発展を後押しします。

(2)方法
本ゼミでは、中東・イスラームについて全力で「研究(勉強)」し、その専門知識と理解の枠組みを備えた人を鍛えます。したがって、将来この分野の専門家や研究者になりたい人や、そうでなければ、「研究(勉強)」を通して人としての成長を目指している人を想定しています。日本においてまだ十分に知られていない、そして、偏見や誤解に満ちた中東・イスラームを全力で「研究(勉強)」することで、他の誰も持っていない専門知識やものの見方、人としての個性や魅力を伸ばすことができることを約束します。大学院への進学希望者や、将来中東・イスラームに関わる仕事がしたい人を特に歓迎します。
一方、中東・イスラームにただ関心や興味を持っているだけの人には向いていません。「研究(勉強)」するということは、ただ関心や興味を持っていることとは異なり、「自分の意思で主体的に行う努力」のことを指します。「勉強(研究)をするべきなのか」「本当にしなくてはならないのか」といった疑問や迷いは存在しないものとして、ゼミは運営されていきます。勉強の意義に対する疑念を持ちながらウジウジし続ける人、やる気のない人、受け身の人は、時間と労力のムダとなるだけでなく、他のゼミ生の迷惑になりますので歓迎されていません。
もし、「勉強(研究)」に対する疑問や迷いがあるけれども、このゼミでそれを解消してみたい、と思った場合は、腹をくくってひたすら「研究(勉強)」してみましょう。考えるのではなく、行動する以外にそれを証明する方法はありません。そうすれば、「研究(勉強)」というものの意味や意義が理解できることでしょう。逆に言えば、「研究(勉強)」したことのある人だけが「研究(勉強)」の意味や意義を語れるということです(世の中には、大学時代に勉強しなかったことを自慢し、返す刀で、大学の勉強は役に立たなかったと言う年配者がいますが、勉強しなかった人間は勉強のことを語れないはずです。経験的に知らないのですから)。

Student Attainment Objectives

・現代の中東地域およびイスラーム世界に関する専門的な知識を身につける。
・「地域研究」の方法論を用いて、様々な学問分野の方法論が持つ有効性と限界性を学ぶ。
・上記2つ、すなわち中東・イスラーム世界を「地域研究する」ことで、ゼミ生が抱いてきた「常識」や「当たり前」を今一度問い直し、世界を構成する様々な物事を捉えるための新たな切り口や視点を獲得する。
・大学院進学希望者は、進学に必要な、また、将来の研究の基礎となる専門知識やアカデミックスキルを身につける。

Recommended Preparatory Course

中東研究A、中東研究B、地域研究論A、地域研究論B、国際政治学、アラビア語

Course Schedule

Lecture/Instructor(When there are multiple instructors) Theme
Keyword, References and Supplementary Information
1-15

ゼミの運営方法

ゼミは学生が受け身では成立しません。学生が主体となって積極的に運営していく必要があります。 ゼミ生としての責任を自覚し、高い気概を持ってゼミの活動に取り組むことを必須とします。

① 3・4回生合同で行います。
② 3回生前期セメスター: 中東地域・イスラーム世界を「地域研究する」ための基本文献の講読およびその批判的検討を行います。個人または2~3人のグループに分かれて、テキストを輪読し、論点について討議していきます。
③ 3回生後期セメスター: 個人または2〜3人のグループに分かれて、独自の研究報告を準備していきます。セメスターの最後に、他大学の中東・イスラーム関連のゼミとの合同ゼミを開催し、その研究報告を行います(ディスカッション)。
④ 4回生前期セメスター:テキスト報告への参加、卒論構想の報告・検討。
⑤ 4回生後期セメスター:卒業論文の執筆のための論文指導。卒業論文の完成。
⑥ 合宿を行います(要相談)。

なお、成果物の提出を怠った場合、ゼミへの出席が不良の場合、容赦なくF評価をつけていきます。

Class Format

BCP停止の場合は、BCPレベル0~2の記載どおりに授業が行われます。
During the suspension period of BCP, classes will be as described in BCP levels 0-2.

各回の授業実施形態については、本科目のmanaba+Rコースニュース等で案内します。また、第1回目の授業実施形態については、第1回目授業開始までに上記コースニュース等でお知らせします(※)。なお、授業配慮等の取り扱いについては、manaba+R「国際関係学部生のページ」および「学び支援サイト」で確認してください。
国際関係学部生のページ:https://ct.ritsumei.ac.jp/ct/course_1728150
学び⽀援サイト:https://www.ritsumei.ac.jp/pathways-future/
(※) 第1回目授業の授業実施形態を確認するためにはmanaba+Rの早期利用申請を行う必要があります。早期利用申請の詳細は、2023年度履修・登録の手引きを御確認ください。なおmanaba+Rで早期利用申請をおこなっても受講登録にはなりません。受講登録期間中に改めて登録を行う必要があります。

Recommendations for Private Study

中東情勢をフォローすると授業の理解やゼミでの議論が深まります。頑張って下さい。

Grade Evaluation Method

Kind Percentage Grading Criteria etc.
Final Examination (Written)

Report Examination
(A report to be submitted by the unified deadline)

Exams and/or Reports other than those stated above, and Continuous Assessment 
(Evaluation of Everyday Performance in Class)
100

タームペーパー 40%
学術的な作法にのっとり、意義ある内容が記されているか。

日常点評価 60%
ゼミでの「勉強(研究)」へ取り組む姿勢は適切および十分か。

Grade Evaluation Method (Note)

Advice to Students on Study and Research Methods

中東やイスラームを「勉強(研究)」していく上で、情熱(それが足りないと思う場合はやり遂げるための覚悟)を持ち続けなければなりません。なぜなら、「潰しがきかない」(=自分の関心やテーマを変更するための振れ幅が小さい)のが地域研究系のゼミの特徴だからです。あと、本をたくさん読みましょう。ネット情報だけではゼミの「勉強(研究)」には参加できません。できれば中東地域・イスラーム世界に足を運んでみましょう。頭を柔軟にしましょう。

Textbooks

Textbooks (Frequency of Use, Note)

Reference Books

Reference Books (Frequency of Use, Note)

Web Pages for Reference

・池端のウェブサイト(Research Map)(https://researchmap.jp/ikehata/
・末近のウェブサイトSUECHIKA’S OFFICE(ホームページ)(https://kota-sue.wixsite.com/mysite
・末近のTwitter(@suechikakota)
・立命館大学中東・イスラーム研究センター(https://www.cmeis-ritsumei.net

<インタビュー>
・「異なる何か/誰かに触れる:中東地域研究の魅力とは(高校生のための教養入門)」SYNODOS, 2014年6月30日(http://synodos.jp/intro/9565
・「末近浩太さん『イスラーム主義――もう一つの近代を構想する』B面の岩波新書,2018年1月19日https://www.iwanamishinsho80.com/contents/mo-jin-hao-tai-san-isuramuzhu-yi-mouyi-tunojin-dai-wogou-xiang-suru-1)
・「「もう一つの近代」という希望――長い帝国崩壊の過程のなかで:『イスラーム主義』著者、末近浩太氏インタビュー」SYNODOS, 2018年5月28日(https://synodos.jp/newbook/21512
・「中東の政治を「よりよく」理解するために」立命館大学研究活動報『Radiant』2018年8月(http://www.ritsumei.ac.jp/research/radiant/connect/story5.html/
・「平和のための研究」立命館大学Beyond Borders Episode 060(http://www.ritsumei.ac.jp/bb/episodes/no_060.html/
・「中東は難しいが理解できる(はず)――『中東政治入門』(ちくま新書)」SYNODOS, 2020年10月12日(https://synodos.jp/library/23843/
・「9・11から20年 「不信の世紀」超克へ 第三の道を 末近浩太・立命館大教授インタビュー」『読売クオータリー』2021年10月28日(https://www.yomiuri.co.jp/choken/quarterly/20211101-OYT8T50031/

<論考類>
シノドス:末近浩太 http://synodos.jp/authorcategory/suechikakouta
現代ビジネス:末近浩太 http://gendai.ismedia.jp/list/author/kotasuechika

How to Communicate with the Instructor In and Out of Class(Including Instructor Contact Information)

Talk with Students,Other (Separate instructions will be provided)

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URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/