授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
33829:相対性理論(T2) § 33830:相対性理論 (T1) 2024 春セメスター 金4 理工学部 菅原 祐二 2

キャンパス

BKC

授業施設

コラーニングⅡ 606号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

相対性理論は、ニュートン的な絶対時間、絶対空間、万有引力の遠隔作用といった古い概念を一新し、量子論と並んで現代物理学の礎となっている。特に、一般相対性理論は美しい理論体系を有し、宇宙物理学の基礎理論であるのは言うまでもないが、「基本相互作用の幾何学的理解」に道を開いたことによって現代の素粒子物理学の発展にも大きな影響を与えている。

本講義は特殊相対論の復習から始めるが、そのメインテーマは一般相対論の基礎的な解説を行うことである。少なくとも、アインシュタイン方程式のシュワルツシルト解(ブラック・ホール)とその物理的性質や、宇宙論への応用に到達することを目標とする。もし十分な時間があれば、近年直接観測に成功し脚光を浴びている重力波についても基礎的な解説をしたい。更に時間が余れば、一般相対論(古典重力理論)の限界と量子重力理論についての「おはなし」をする予定。

4回生開講科目なので、主に理論志向の学生向けに相応のレベルの授業をします。レポートのみで成績評価をしますが、楽をして単位が取れる科目にするつもりはありません。

授業スケジュールは進み具合を見て変更することがあります。


受講生の到達目標

1.一般相対論の基礎的な考え方を理解する。
2.シュワルツシルト解(ブラック・ホール)とその基本的な性質について理解する。
3.一般相対論の宇宙論への応用の基礎について理解する。

事前に履修しておくことが望まれる科目

「相対論と量子論の世界」、「解析力学」、「電磁気学3」、「物理数学1,2」は必ず履修すること.※「物理数学3」、「天体物理学」は本講義を理解するために必須ではないが、履修していると有用。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

1. イントロダクション:相対性理論とは?

特殊&一般相対性原理(一般共変性原理),光速度不変の原理,等価原理

2-3

2. 特殊相対論の復習

ローレンツ変換,ミンコフスキー時空,光円錐,相対論的な力学

4

3. 4次元共変形式

4元ベクトル,テンソル(場),電磁場の共変形式

5-6

4. 曲がった時空と重力場

等価原理と局所慣性系,重力による時間の遅れ(重力赤方偏移),計量テンソル,リーマン接続(レビチビタ接続),測地線方程式

7-8

5. 重力場の方程式

曲率テンソル,エネルギー・運動量テンソル,アインシュタイン・ヒルベルト作用,アインシュタイン方程式

9-10

6. シュワルツシルト時空とブラックホール

シュワルツシルト解,ブラックホール,事象の地平線

11-12

7. 宇宙論への応用

フリードマン・ルメートル・ロバートソン・ウォーカー計量,フリードマン方程式,加速度方程式,宇宙定数と暗黒エネルギー

13-14

8. 重力波

重力波の方程式(線形近似),重力波の特徴など

15

9. エピローグ:古典重力理論から量子重力理論へ(仮)

授業実施形態

第1回~15回を対面授業にて実施。ただし,必要に応じて2,3回分を受講生に事前に周知の上on demandの授業に切り替える可能性があります。

授業外学習の指示

一般相対論は複雑な数式の変形なども登場しますが、自分の手を動かして計算しない限り身につきません。予習は特に必要ありませんが、授業後、板書やレジュメの式変形などの「行間」を自分でうめる努力をして下さい。わからないことは何でも積極的に質問しましょう。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

数回レポートを課し、それによって成績評価を行う.

成績評価方法(備考)

レポート問題のレベルは相応のものだと覚悟して下さい。「楽をして単位が取れる」科目にするつもりはありません。

受講および研究に関するアドバイス

疑問点は積極的に質問して下さい。相対性理論については昔から有名な教科書が数多く知られていますが、シラバスの参考書などを参考にし、自分に合った教科書を見つけて下さい。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

特定の教科書は指定しない。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
シュッツ 相対論入門 Bernard Schutz (著), 江里口 良治, 二間瀬 敏史 (訳) 丸善 978-4621083093 入門書であるが,数学に関する記述が現代的なスタイルであり,すっきりと書かれている.初学者にお勧め.
重力(上, 下) アインシュタインの一般相対性理論入門 ジェームズ・ハートル(著),牧野伸義(訳) 日本評論社 978-4535787797, 978-4535787803 「物理を第一に数学は後回し」というポリシーで書かれた教科書.入門書であるが,後半はかなり新しいトピックを含む「ためになる」テキストである.初学者にお勧め.
場の古典論 (ランダウ=リフシッツ理論物理学教程) エリ・ランダウ (著), イェ・エム・リフシッツ (著), 恒藤 敏彦 (訳) 東京都書 978-4489011610 「バコテン」の愛称で知られる有名な教科書.前半はadvancedな電磁気学の教科書としても有用である.初学者向けとは言えないが間違いなく名著.
一般相対性理論 (物理学選書 15) 内山 龍雄 裳華房 978-4785323158 相対論の大家である著者が書いた有名な教科書.
Gravitation and Cosmology Steven Weinberg Wiley 978-0471925675 著名な著者による有名な教科書.
General Relativity Robert Wald University of Chicago Press 978-0226870335 advanced courseの教科書であり,名著の評判が高い.ただし記号が独特なので他の教科書と比較するときに注意.
重力理論 Gravitation J. A. Wheeler (著), C. W. Misner (著), K. S. Thorne (著), 若野 省己 (訳) 丸善 978-4621083277 おそらくは現存するテキストの中で最も詳細な教科書.約1300ページ.通称「電話帳」
空間・時間・物質 (上,下) ヘルマン ワイル (著),‎ ‎ 内山 龍雄 (訳) 筑摩書房 978-4480090614, 978-4480090621 著名な数学者が書いた古典的教科書の文庫化.時間に余裕があり,深く思索にふけりたい人にお勧め.
一般相対性理論 P.A.M. ディラック (著),江沢洋(訳) 筑摩書房 978-4480089502 著名な著者による古典的な入門書.極力枝葉をそぎ落としたスタイル.分量が少ないため好みが分かれるか?訳者の江沢先生による「ディラック括弧」やディラックによる重力場の量子化の試みについての解説が付録にある点も興味深い.

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考


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