Course Name Year Term Period Faculty / Graduate School All Instructors Credits
15101:IR18‐DJ104 Introduction to Peace Studies (R2) § 15102:IR-DR104 Introduction to Peace Studies (R2) 2023 Fall Fri3 College Of International Relations NAKANO KATSUHIKO 2

Campus

KIC

Class Venue

KEIGAKUKAN KG009

Language

Japanese

Course Outline and Method

【授業の概要】

■授業の目的

「平和」は、国際関係のあらゆる局面において最も重要なテーマであり、「平和」を考えることは世界と関わっていくために必要不可欠である。それゆえ平和学は、国際関係学で扱う各テーマの土台といってよく、すべての学問分野と関連している。

しかしながら、一般的に「平和」という概念は漠然としている。歴史を見れば、「平和」を大義名分に掲げて戦争が生じてきたことからも理解されるように、政治的に利用、悪用、誤用されやすい「危うい」概念でもある。

そこで本講義では、様々な視点から「平和」の概念を相対化し、平和学をもとにその意味を多角的に追及する。そして「平和」形成の条件について、現代国際社会の諸実例をもとに議論していく。また、「平和」をテーマに、世界の各地域や分野で活動するアクターの実践を紹介する。以上から、我々が直面する危機状況を乗り越える知見と未来的世界観を切り開くことを目指す。パワーポイントと映像・画像資料を駆使し、多面的な理解の促進につとめる。

■問題意識:「平和とは何か?暴力とは何か?」

議論の出発点となるのは、「平和とは何か?」である。

現在、私たちは新たな世界的危機に直面している。ウクライナ・ロシア戦争や核の脅威、人種差別、民族差別、ジェノサイド、環境破壊、地球温暖化、パンデミック、資源紛争、飢餓、格差、テロの激化、難民移民問題(2021年には強制移動者は1億人を超えた)などである。こうした危機の構図を解きほぐしながら、ガンジーやキング牧師が提唱した平和的な社会モデルへの道を根底から考え直そうとするのが、この講義の目的である。

そして、「平和」という概念そのものにも、深く切り込んでいく。一般的には「平和=戦争がないこと」と考えられがちである。もちろん戦争の不在は「平和」の絶対条件である。しかしたとえ戦争がないからといって、構造的な搾取や経済格差が拡大し、貧困で多くの人々が亡くなる状況があれば、「平和」といえるのか。また、人種差別、民族差別、ジェンダー差別が存在するとすれば、「平和」といえるのか。環境破壊、地球温暖化、パンデミック等によって飢餓・格差が深刻化し、食料争奪によって紛争やテロが激化し、社会的弱者が難民化したり、排除されるという「暴力」状況があれば、「平和」といえるのか。こうした「暴力」状況に対する不作為、放置、無関心が、社会分断をますます深刻化させ、やがて戦争などの大規模暴力に繋がっていくのではないだろうか。

上述の点を考えるために、「直接的暴力」「構造的暴力」「文化的暴力」という概念を導入し、「平和」と「暴力」の意味を拡大する。そして、様々なタイプの「暴力」が、「共生」をどう阻んでいるかを考える。「人間と環境の共生」「人間どうしの共生」という問題を設定し、下記の各テーマを考察していく。

■各テーマ(キーワードを「」で示す)

・第1に、「地球環境問題と平和の関係」について考える。SDGsを手掛かりに、環境破壊、持続可能な開発、食料安全保障、資源紛争の諸問題を論じる。温暖化や環境汚染によって飢餓が深刻化し、それが「食料戦争」を誘発するという議論を検討、WFP(2020年にノーベル平和賞)の報告から、環境問題と紛争発生のメカニズムを考える。「持続可能な環境なくして平和は成立しない」という前提について検討する。

・第2に「差別・排除の論理と戦争」。20世紀の二度の世界大戦、ジェノサイド等をもとに、人種差別・民族差別と戦争の関係について考えていく。「差別・排除は(…)それ自体が構造的暴力であるとともに、戦争という究極の直接的暴力を扇動」してきた(阿部浩巳)。それゆえ大戦後の国際社会は国連を中心に、戦争やジェノサイドを予防するため「差別・排除の克服」に向けた様々な取り組みをおこなってきた。関連する国際機関の憲章、宣言、人種差別撤廃条約等の背景を学ぶ(「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」ユネスコ憲章)。

・第3に、「平和と多文化主義」。文化と平和/暴力の関係について考える。文化は、平和的に用いられることもあれば、暴力(差別)を正当化するものにもなりうる。暴力を正当化する文化のありようは、「文化的暴力」と呼ばれる。文化的暴力と差別の歴史を振り返り、それを批判し乗り越えようとする反差別運動の諸事例を取り上げる。黒人奴隷貿易を正当化した人種概念の文化的暴力性。キング牧師達の公民権運動から、現在のBlack Lives Matter(BLM)運動に至る歴史。欧州、アメリカ、オーストラリアの多文化主義の理念を学ぶ。

・第4に、「危機に直面する多文化主義:テロリズムの背景と格差構造」。2001年「9.11同時多発テロ事件」(アメリカ)、2005年「パリ郊外暴動事件」、2015年「シャルリ・エブド事件」(フランス)、欧州へのシリア難民の大量移住とその受け入れをめぐる混乱を取り上げる。国連報告書から、移民難民をめぐる「格差問題」「文化的孤立」とテロの関係性について考える。格差や文化的孤立を乗り越える官民の取り組みや学校現場での挑戦に注目する。オランダの多文化教育の例など。

・第5に、「平和と経済」。冷戦終結以降、新自由主義とその思想が急速にグローバル化した。しかしそれによって、資本主義に内在する矛盾も世界的に拡大し、南北関係においても、また先進国内においても、「貧富の格差」は極端な形で進行したといわれる。こうした状況が、社会の分断及び構造的暴力とどのような関係にあるのかを考える。宇沢弘文の「社会的共通資本」、経済学者ジャック・アタリの「命の経済」の議論を参考に議論を進める。人々の生活基盤たる共有財を保障する思想、人々の尊厳や人権を保障するという思想が、「新興感染症パンデミック」の時代において「人々の命を守る経済」にどうつながるのかを考えていく。

・第6に、「パンデミックと新たな世界秩序」。現在、COVID-19など新興感染症が、人間の文明のありかたを根本的に変化させている。これは「人間と自然の関係」「経済格差と社会福祉の脆弱性」というテーマともかかわっている。貧富の格差(構造的暴力)と感染症拡大の関係性。平和学の視点から、パンデミック以降の世界における経済と社会のあり方を考える。新興感染症防止に向けた今後の国際協力とは。Black Lives Matterのオーパル・トメティの議論、アタリ「命の経済」論をもとに読み解く。

・第7に、「軍産複合体に象徴される軍事予算の肥大化(軍需産業の発展)と戦争の関係性」。兵器産業の発展と構造的暴力の関係性。軍事予算の肥大化と軍拡競争が、社会福祉や教育といった社会の共通基盤の脆弱化にどう繋がってきたかを、数々のデータをもとに読み解く。2022年2月に勃発したウクライナ・ロシア戦争の背景にあるエネルギー問題、軍需産業の問題について考察する。

・第8に、「核問題・軍縮とこれからの世界秩序」。核開発を進めた「マンハッタン計画」について。第二次世界大戦後の核開発競争と「恐怖の均衡」の歴史。世界における最新兵器開発状況を分析し、軍縮に向けた新たな道筋を考える。核戦争抑止のための共通認識とは何かを考える。核兵器禁止条約のインパクトと「新たな国際規範」づくりの意義を考察する。

・第9に、「中東情勢と人間の安全保障」。9.11NY同時多発テロ(2001年)以降のアフガニスタン戦争、イラク戦争以降の米・中東関係の経緯と現状。2021年の米軍のアフガン撤退の背景。20年間の米軍による関与は何をもたらしたか。中東難民の今後。イスラエルとパレスチナの軍事衝突。

・第10に、「文化的平和の運動」。構造的暴力・文化的暴力克服のために「グローカルに」活動する世界各地の運動実践例を紹介、その意義を議論する。

【授業の方法】

■講義形式。なお感染拡大状況によっては形式を変更する可能性があるので、常にコースニュースをチェックすること。

■manaba+Rの利用方法

・manaba+Rの「コースニュース」と「コンテンツ」
コースニュースには、講義運営の重要通知、質疑応答等を逐次掲載。コンテンツには資料等を格納。

・manaba+Rの「掲示板」
掲示板には、講義内容に関連する時事報道を掲載していく。

■質疑応答、フィードバック方法

・各回ごとに出席カードを提出すること。出席カードの自由記述欄には感想等を書くことができる。

・講師は講義実施後に、出席カードに記載された受講生の感想や質問をチェックする。その内容によって、受講生の理解度を確認し、次回講義の内容に反映させる。そのために若干予定内容の変更もありうる。質問については、内容を集約したうえでmanaba+Rで回答する。

・講師のメールアドレスをmanaba+Rで公開する。

・小レポートについては、manaba+Rに講評を掲載する。優れたレポート(もしくは模範解答)を匿名の上公開することもある。


・期末レポートについても、manaba+Rで講評を発表する。出題意図の説明と模範解答を示し、どの点が評価できるかを具体的に解説する。なお理解不足の点や今後のレポート執筆に向けた改善点も解説する。

Student Attainment Objectives

・平和学の考え方を理解し、「平和」と「暴力」をより広い観点から捉えることができる。
・「直接的暴力」「構造的暴力」「文化的暴力」など平和学の概念を様々な実例をもとに理解できる。
・「平和」を戦争との関連に加え、環境問題、食料問題、貧富の格差、搾取、民族差別など、世界が直面する諸問題と関連付けて理解し、論じることができる。
・兵器産業および核開発の歴史が、どのような政治・経済体制で展開したかを理解できる。また、現下の兵器開発競争が拡大していけば、人類がどのような危機に直面するかを理解できる。

Recommended Preparatory Course

並行して国際関係学にかかわる講義を幅広く受講することが望ましい。

Course Schedule

Lecture/Instructor(When there are multiple instructors) Theme
Keyword, References and Supplementary Information
1

「平和学の基礎概念」
【WEB授業:ZOOMライブ授業】

■初回授業の受け方
・初回授業については、ZOOMでライブ授業を行う。
・事前に初回授業用のZOOMリンクをmanaba+Rのコースニュースで周知。
・当日の授業開始時にそのリンクをクリックして初回授業に参加する。

■初回授業の内容
・概要とスケジュール。成績評価についての説明。
・平和学の基本概念:ガルトゥング平和学の諸概念。「直接的暴力」「構造的暴力」「文化的暴力」「消極的平和」「積極的平和」。
・平和学の問題意識:「戦争がないからと言って平和と言えるのか?」

2

地球環境問題と平和の関係

・環境問題、食料問題、平和:WFPのノーベル平和賞受賞の意味(2020年)。
・地球温暖化と資源紛争の関係。
・SDGsの思想と「平和」への新たな視点
・アジア太平洋資料センター『コロナ危機と未来の選択:パンデミック・格差・気候危機への市民社会の提言』(コモンズ)。
・井出留美『食料危機: パンデミック、バッタ、食品ロス 』(PHP研究所)。

3

差別・排除の論理と戦争

・奴隷制度の歴史と米国近代産業の関係。
・人種差別と公民権運動の歴史。キング牧師の非暴力主義、マルコムXの思想と運動。
・公民権運動は米国社会をどのように変化させたか。
・ポリティカル・コレクトネスとアファーマティブ・アクション。
・多文化主義の歴史と歴史的意義。
・Black Lives Matter運動をどう捉えるか。
・BLMで問題となった米国の警察機構と構造的人種差別。
・アメリカの「分断」:多文化主義とそれに反発する白人保守中間層。
・「バックラッシュ」の過激化の行方(多文化主義への反発)。

■参考映像
・映画『グリーンブック』
https://www.youtube.com/watch?v=awUd_khNEcc
・映画:スパイク・リー監督『マルコムX』
https://www.youtube.com/watch?v=sx4sEvhYeVE
・非暴力主義とは:番組「知ってるつもり:ガンジーとキング牧師」https://www.youtube.com/watch?v=Hs86OFXkqx4

■参考文献
・阿部浩己「差別・排除の克服は平和の礎となるか」『平和をめぐる14の論点』論点4

4

平和と多文化主義

・「文化的暴力」の概念をより深く理解する。
・多文化主義とは何か。米国、カナダ、オーストラリアの多文化主義。
・カナダにおける先住民迫害の歴史と真相究明運動。歴史的事実の究明を通じた「真実と和解」アプローチについて。

5

危機に直面する多文化主義:テロリズムの背景と格差構造

・2001年「9.11同時多発テロ事件」(アメリカ)の背景。
・2005年「パリ郊外暴動事件」の背景。
・2015年「シャルリ・エブド事件」(フランス)の背景。
・欧州へのシリア難民の大量移住と難民受け入れへの反発(ドイツ)。
・多文化教育の実践(オランダ)。平和学の視点からみた異文化理解、異文化コミュニケーション。
・パリ同時多発テロ事件以降、移民難民をめぐる格差構造の克服に向けた実践例(ベルギー)。

6

平和と経済:構造的暴力の克服に向けた国際協力のあり方とは?

・新自由主義に代表される経済思想、経済体制の歴史とその影響。
・各種国際機関のレポートをもとに、世界的に拡大する貧富の差を理解する。
・現代の経済体制と環境破壊の関係性について。
・新自由主義がもたらした影響。
・宇沢弘文の「社会的共通資本」、経済学者ジャック・アタリの「命の経済」について議論。

■参考文献
・ジャック・アタリ『命の経済:パンデミック後、新しい世界が始まる』(プレジデント社)。
・宇沢弘文『社会的共通資本』(岩波新書)。
・ジョセフ・スティグリッツ「さらばGDP:新たな社会幸福度指標の提案」(『日経サイエンス』2021年4月号)。
・ハラリ『緊急提言:パンデミック』(河出書房新社)。
・藤岡惇「現下の世界恐慌をどうとらえるか:いったん起こると「底が抜ける」理由と克服策を探る」(『立命館経済学』第59巻第5号)。
・土佐弘之「新自由主義的グローバル化は暴力をもたらしているか」『平和をめぐる14の論点』論点3

7

構造的暴力とパンデミック:経済格差と健康格差

・貧富の格差(構造的暴力)と感染症の歴史。
・自然破壊、経済格差、新興感染症(人獣感染症)パンデミックの関連性。
・パンデミック防止に向けた今後の国際協力を論じた、ハラリ『緊急提言 パンデミック』。
・新興感染症拡大の要因として「格差」「貧困」に注目した、M.マッケンナ「感染症との終わりなき戦い:コレラから新型コロナまで」。
・国際政治と「健康格差」の問題について論じた、詫摩佳代『人類と病:国際政治から見る感染症と健康格差』。
・人間と自然の関係、人間と動物の関係を問い直すジェーン・グドール氏の警告と提言について考える。
・人間と自然の共生を通じて感染症を捉えなおす「ワンヘルス」の思想。

■参考文献
・ジョーゼフ・マコーミック『レベル4/致死性ウイルス』(早川文庫)。
・『感染症 ウイルス・細菌との闘い (別冊日経サイエンス238)』(2020年4月)
・WWF「「ワンヘルス(One Health)」~次のパンデミックを防ぐカギ」
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/4546.html

8

ウクライナ・ロシア戦争と軍産複合体:兵器産業の発展と戦争

・軍産複合体とは何か。軍産複合体と戦争の歴史。
・軍事予算の増大とアメリカ社会の変化。
・ウクライナ・ロシア戦争の背景にあるエネルギー問題と軍需産業の構造。

■参考文献
遠藤誠治「平和を求めるなら戦争の準備をすべきか」『平和をめぐる14の論点』論点1。
・オーナ・ハサウェイ他『逆転の大戦争史』(文芸春秋社)。

9

核問題:「安全保障」を平和学の視点から捉えなおす

・「マンハッタン計画」から戦後の核開発競争へ。
・核抑止論。
・キューバ危機、デタント、軍縮の歴史とその背景。
・核兵器禁止条約のインパクト。
・新たな核開発、兵器開発競争と危機状況。
・現下の兵器開発競争が拡大していけば、今後人類がどのような危機に直面するか?

■参考文献
・中村桂子『核のある世界とこれからを考えるガイドブック』(法律文化社)。
・川崎哲『核兵器はなくせる』(岩波書店)。
・豊下楢彦『集団的自衛権とは何か』(岩波新書)。
・藤岡惇「原爆投下と敗戦の真実:米国の「アメとムチ」作戦の全貌」(『立命館経済学』第65巻14)。
・藤岡惇「極超音速ミサイルの衝撃:宇宙核戦争に勝者はいるか」(『世界』2022年1月号)
・「極超音速ミサイル 無益な開発競争」(『日経サイエンス』2022年3月号)

■参考映像
・スタンリー・キューブリック監督映画『博士の異常な愛情、または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』

10

イスラエル/パレスチナの軍事衝突の背景:構造的暴力、文化的暴力の視点から読み解く

・なぜイスラエルとガザ地区の軍事衝突が繰り返されるのか。
・「民族、宗教対立」の背景にある植民地主義、帝国主義の歴史。
・中東紛争とアメリカとの関係。
・兵器産業と中東紛争の関係。
・ガザ地区でコミュニティ再生運動に取り組む現地事業家の実践。

■参考書
・池上彰『中東:混迷の本当の理由』(小学館)。

■参考映像
・映画『ガザの美容室』(パレスチナ映画)https://www.uplink.co.jp/gaza/
・映画『歌声にのった少年』(パレスチナ映画)https://www.youtube.com/watch?v=TkLwz2FnOJA&feature=emb_logo
・ドキュメンタリー「天井のない監獄に“灯り”を:パレスチナ暫定自治区ガザ 2019」(JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス)
https://www.youtube.com/watch?v=a0zxOwY7OsY

11

中東情勢と人間の安全保障

・9.11NY同時多発テロ以降のアフガニスタン戦争、イラク戦争。
・2021年、米軍のアフガニスタン撤退と難民化。
・アフガニスタンにおける中村哲医師の活動と思想。
・「人間の安全保障」。
・ベーシックニーズ及び社会基盤「共有財」保障による平和構築の可能性。
・中東における紛争抑止のための国際協力。

■参考文献
中村哲『医者、用水路を拓く:アフガンの大地から世界の虚構に挑む』(石風社)。

12

文化的平和の運動(構造的暴力・文化的暴力を乗り越えるために)1:ブラジル

・新自由主義と自然破壊。アマゾンの「違法開発」と先住民の現状。
・アマゾン先住民運動から始まった国際的な先住民運動ネットワーク。
・平和学的視点から捉える持続可能な開発、コミュニティ再生、環境保護。

13

文化的平和の運動(構造的暴力・文化的暴力を乗り越えるために)2:中南米

・中米からアメリカへの「移民キャラバン」発生の原因。難民発生の構造的要因。植民地主義経済、自然破壊、気候変動、貧富の格差、新自由主義、ギャング文化、社会的暴力の蔓延、難民化。
・南米における構造的暴力を変革しようとする社会運動の現状。
・ブラジルのファベーラ・アート運動。芸術を通じたコミュニティ再生運動の意義。
・ベネズエラの音楽教育プログラム「エル・システマ」の社会的意義。

■参考文献
・工藤律子『マラス:暴力に支配される少年たち』(集英社)。
・村山祐介『エクソダス:アメリカ国境の狂気と祈り』(新潮社)。

■参考映像
・ブラジル:映画『ストリート・オーケストラ』https://www.youtube.com/watch?v=XJWFJ7lkz5Q
・ブラジル:ファベーラ・アート運動(TED映像)
https://www.ted.com/talks/haas_hahn_how_painting_can_transform_communities/transcript?language=ja
・パラグアイ:「リサイクル・オーケストラ」
https://www.youtube.com/watch?v=yYbORpgSmjg

14

文化的平和の運動(構造的暴力・文化的暴力を乗り越えるために)3:アメリカ、欧州

・修正資本主義の時代における社会保障政策。公民権運動と米国「ヘッドスタート計画」の歴史的意義。
・ポストコロナの新たな社会モデルと都市コミュニティ再生運動。ジェイコブズ『アメリカ大都市の死と生』(鹿島出版会)。
・教育、食糧安全保障、自然保護、格差縮小、治安回復の運動(ロサンゼルス、グラスゴーなどの例)。
・「ギャングスタ園芸家」ロン・フィンリーの都市農園運動と思想。

■参考文献
・「さらばグローバル経済:持続可能な地球を実現する方法」(『日経サイエンス』2021年11月号)
・「暴力を「病」と捉える警察のアプローチ:スコットランド 犯罪減少を導く「希望と機会」」(『ビッグ・イシュー』2021年2月号)
・「ギャングスタ園芸家」ロン・フィンリーについての記事
https://courrier.jp/news/archives/208263/

■参考映像
・ロン・フィンリー講演映像(TED)
https://www.ted.com/talks/ron_finley_a_guerrilla_gardener_in_south_central_la

15

日本の将来と平和への展望

・構造的暴力から構造的平和へ。
・文化的暴力から文化的平和へ。
・授業を纏めたうえで、最初の問い「戦争がないからと言って平和と言えるのか?」に立ち返り、改めて平和的価値について根本から問い直し、これからの学びへとつなげる。

Class Format

BCP停止の場合は、BCPレベル0~2の記載どおりに授業が行われます。
During the suspension period of BCP, classes will be as described in BCP levels 0-2.

各回の授業実施形態については、本科目のmanaba+Rコースニュース等で案内します。また、第1回目の授業実施形態については、第1回目授業開始までに上記コースニュース等でお知らせします(※)。なお、授業配慮等の取り扱いについては、manaba+R「国際関係学部生のページ」および「学び支援サイト」で確認してください。
国際関係学部生のページ:https://ct.ritsumei.ac.jp/ct/course_1728150
学び⽀援サイト:https://www.ritsumei.ac.jp/pathways-future/
(※) 第1回目授業の授業実施形態を確認するためにはmanaba+Rの早期利用申請を行う必要があります。早期利用申請の詳細は、2023年度履修・登録の手引きを御確認ください。なおmanaba+Rで早期利用申請をおこなっても受講登録にはなりません。受講登録期間中に改めて登録を行う必要があります。

Recommendations for Private Study

■授業外学習の方法

・平和学関連の最新情勢の分析
授業では世界の多岐にわたる問題群を取り上げるが、授業回数は15回のみであり、どうしても取り上げる内容に時間的制約が生じる。ここで重要なのは、ただ単に授業を受けるだけではなく、授業で得た知識と理解をもとに、さらに自分なりに調査と研究を進めていく積極的取り組みである。
講師はそのために、授業内容を補足する最新情勢をmanaba+Rで随時配信する(報道機関については、ロイター、AP、AFPなど主要通信社、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストをはじめ、国内外の主要メディア)。それらの情報をフォローすることで、平和に関連する世界の最新動向を把握する。

・毎回復習用の資料の読み込み、映像資料等のチェック
毎回の授業で、復習用の資料を指定する。それに目を通し、理解を深めるようにする。重要な点を自分なりにノートに纏めておく。授業内容のさらなる理解のために参考となる映像資料については、manaba+R上で紹介するのでチェックしておくこと。

Grade Evaluation Method

Kind Percentage Grading Criteria etc.
Final Examination (Written) 0

Report Examination
(A report to be submitted by the unified deadline)

Exams and/or Reports other than those stated above, and Continuous Assessment 
(Evaluation of Everyday Performance in Class)
100

・期末レポート
現代世界が抱える諸問題と今後の平和秩序のあり方について、平和学の視点から考察、分析した期末レポートを執筆する。字数は2000字以上。manaba+Rを通じて期日までに提出すること。

・講義期間中の「小レポート」
(上記「期末レポート」とは別に)講義期間内に、小レポートの提出を求める。小レポートの必要字数、期日については講義で発表する。manaba+R上で直接入力形式により提出すること。

・出席点・平常点
毎回講義終了後に、出席カードの提出を求める。その提出をもって出席点とする。出席カードには、講義に対する感想やコメントを書くことができる。その内容によって平常点を追加する。

Grade Evaluation Method (Note)

成績は、授業への参加の様子、レポート提出をもって、総合的に判断する。

Advice to Students on Study and Research Methods

この講義では、manaba+Rのコースニュースで、授業の補足と重要な通知を行いますので、
出来る限り、コースニュースのリマインダー受信設定を、◯にして下さい。

Textbooks

Textbooks (Frequency of Use, Note)

Reference Books

Title Author Publisher ISBN Code Comment
平和学を学ぶ人のために 君島東彦編 世界思想社 978-4790714200
ガルトゥング平和学の基礎 ヨハン・ガルトゥング 法律文化社 978-4589040275
ガルトゥングの平和理論──グローバル化と平和創造 ヨハン・ガルトゥング 法律文化社 978-4589029577
入門 人間の安全保障 増補版-恐怖と欠乏からの自由を求めて 長 有紀枝 中公新書 978-4121921956
ジーン・シャープ『独裁体制から民主主義へ』 2023年1月 (NHKテキスト) 中見真理 NHK出版 978-4142231478
コロナ危機と未来の選択:パンデミック・格差・気候危機への市民社会の提言 アジア太平洋資料センター コモンズ 4861871697
命の経済:パンデミック後、新しい世界が始まる ジャック・アタリ プレジデント社 4833423871
逆転の大戦争史 オーナ・ハサウェイ スコット・シャピーロ 文藝春秋 978-4-16-390912-7
非核兵器地帯:核なき世界への道筋 梅林宏道 岩波書店 978-4000245111
黒人差別とアメリカ公民権運動 ―名もなき人々の戦いの記録 ジェームス・M・バーダマン 集英社 978-4087203929
中東:混迷の本当の理由 池上彰 小学館
核のある世界とこれからを考えるガイドブック 中村桂子 法律文化社 458904076X
壊れゆく世界の標 ノーム・チョムスキー NHK出版 978-4140886878
医者、用水路を拓く:アフガンの大地から世界の虚構に挑む 中村哲 石風社 4883441555
平和をめぐる14の論点:平和研究が問い続けること 日本平和学会(編) 法律文化社 978-4-589-03954-5C3031

Reference Books (Frequency of Use, Note)

講義で必要な部分を講師がコピーして提示する。

Web Pages for Reference

<講義予習用リンク>

・「核兵器のない世界に向けて」(外部リンク):核兵器を巡る世界の現状
https://hiroshimaforpeace.com/wp-content/uploads/2021/12/HRBooklet2021.pdf

・「核軍縮等に関する「ひろしまレポート2021年版」」
https://hiroshimaforpeace.com/wp-content/uploads/2021/04/HR2021-ES-J.pdf


How to Communicate with the Instructor In and Out of Class(Including Instructor Contact Information)

Communication Paper,Learning Management System (manaba+R),Other (Separate instructions will be provided)

Other Comments

この授業では常に、最新のニュースを授業内容に反映させます。常に変化する国際社会を扱い、「生きた学問」として平和学に取り組むためです。そのため情勢によっては、シラバスで提示したスケジュールを若干変更する可能性もあります。その場合は授業で変更の趣旨を説明します。なお、「受講生の到達目標」「成績評価方法」は変更しません。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/