授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
15854:[2025 秋セメスター]現代メディア史(S) 2025 秋セメスター 月4 産業社会学部 小川 実紗 2

キャンパス

衣笠

授業施設

以学館IG403号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 現代は、情報化社会やデジタルメディア社会といわれる。インターネットやSNSなどは、すでに使い慣れたツールだと感じるかもしれないが、それらはいまだニューメディアや「新しい」メディアとも呼ばれる。その理由は、まだそれらを読み解くための文法が確立していないためである。「新しい」メディアを読み解く文法を構想するためには、過去のメディア編成の文法を参照することが有効である。そのため、メディア論はメディア史と不可分だといえる。
 この授業では、メディア史を読み解くための視点を学び(1~6回)、それを念頭に、戦後日本におけるメディアの機能や、ナショナルな世論やアイデンティティの変容プロセスを具体的に検証する(7~14回)。特に、メディアの発達や利用と歴史的に関係の深い、戦争(プロパガンダや世論の形成など)というキーワードに着目し、メディアと歴史の相互関係を読み解いていく。
 なお、本講義は史的事実の「暗記」を目的とするものではない。「歴史(メディア史・近現代史)」を通して、「現代」をいかに批判的に読み解くのか―それを考えることに本講義の目的がある。そもそも、現代の状況は、「現在」だけでなく、「歴史」をふまえなければ、十分に見渡すことはできない。こうした観点に立ちながら、本講義は、「メディア史」そのものというよりは、それを「利用」すること、すなわち「<メディア史>する」ことを実践し、解説する。

受講生の到達目標

(1)メディア史の視点から戦後社会を考えることができる。
(2)メディアの変化と社会のかかわりを説明することができる。
(3)具体的な事例をもってメディアと社会について批判的に分析することができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

ガイダンス、メディア史としてのコミュニケーション

20 分の「+R 授業」があります。詳細は manaba+R を参照。
シラバスの確認、授業の到達目標、進め方、成績評価
メディアとは何か、「情報」「メディア」「マスコミ」、ジャーナリズム論とメディア論

2

メディア史を読み解く視角(1):メディア都市

メディアイベント、メディアとしての博覧会、パノラマ的視覚、博覧会が創り出した空間、「伝統」の創造

3

メディア史を読み解く視角(2):大衆新聞の成立とジャーナリズム

新聞とは何か、ジャーナリズム、コーヒーハウス、大衆民主主義、プロパガンダ

4

メディア史を読み解く視角(3):「世論」の形成とメディア

世論と輿論、リップマン、ステレオタイプ、疑似環境、ジャーナリスト

5

メディア史を読み解く視角(4):映画の「発明」と大衆の国民化

複製技術時代、アウラ、ニュース映画、大衆文化、「絵になる報道」と「イメージの政治」

6

第1回から5回までの復習

論点のおさらい、質問への回答 、受講生の意見の紹介

7

ナショナルな記憶とメディア(1):「反戦」のメディア史

戦争を語るということ、比較メディア論の視点、「前線」と「銃後」、「学徒出陣」の語りと戦争体験、『きけわだつみのこえ』

8

ナショナルな記憶とメディア(2):「被ばく」の語りと国民のアイデンティティ

原爆ドーム、原爆資料館、広島と長崎、修学旅行、『はだしのゲン』

9

ナショナルな記憶とメディア(3):映像作品のなかの「戦争」

占領、ナショナリズム、『男たちの大和』『日本のいちばん長い日』、「戦争」の表現、映画のリアリティ

10

第7回から9回までの復習

論点のおさらい、質問への回答 、受講生の意見の紹介

11

「ローカル」から「ナショナル」を捉え返す(1):戦後沖縄と「終戦の記憶」の変容

記念日のメディアイベント論、『ひめゆりの塔』、「被害」と「加害」のはざま

12

「ローカル」から「ナショナル」を捉え返す(2):観光というメディアと開発

戦跡観光、沖縄イメージの誕生、観光開発、観光政策、リゾート化、南国イメージ、戦後観光、パンフレット

13

これからのメディア史:基軸メディアの変容とコミュニケーション

オーウェル『一九八四年』、テレビからネットへ、フィルターバブル、エコーチェンバー、メディア・コミュニケーション

14

第11回から13回までの復習、および全体総括

論点のおさらい、質問への回答 、受講生の意見の紹介

授業実施形態

第1~14回対面で実施する。
【+R授業】は第1回授業で実施します。詳細については、manaba+Rにて周知します。

授業外学習の指示

毎回の授業の前に、各回のテーマ・キーワードをシラバスで確認し、それと関連する内容を教科書や参考文献等で読み、授業の予習をしておく。また授業後には、教科書や授業中に紹介された参考文献等を読んで復習し、講義内容を整理する。さらに、授業で扱う内容に関連する新聞記事や文献などを検索し、様々な資料に触れること(2時間)。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

・期末レポート 70%
受講生の到達目標(1)(2)(3)に対応して、授業で扱ったテーマからいくつか論点を選び、それについての考えを問う。授業内容の理解度と独自の視点について総合的に評価する。また各回の授業内容に関して、質問や意見を述べるなどといった「講義に対する積極的な態度」も評価の対象とする。

・平常点評価 30%
毎回、授業の内容に関して、ミニレポートを授業の終わりに作成する。ミニレポートの内容によって評価する。

・自学自習レポート(任意)
受講生の積極的な自学自習を推奨する。授業内容に関する本や論文、新聞記事などを読み、内容について論じる自由形式のレポートを提出した場合、平常点に加味する。ただし、提出は任意である。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

必要に応じ、授業内で指示する。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
現代メディア史 佐藤卓己 岩波書店 9784000289207
戦後日本、記憶の力学:「継承という断絶」と無難さの政治学 福間良明 作品社 9784861828140
観光と「性」:迎合と抵抗の沖縄戦後史 小川実紗 創元社 9784422202990

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考

講義内では、映像を資料として積極的に活用する予定である。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/