授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
14649:東洋史特殊講義(LA) 2020 春セメスター 水1 文学部 井上 充幸 2

キャンパス

衣笠

授業施設

清心館SE005号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

《明末清初期における文人の日常生活と書画骨董趣味》
一六世紀後半から一七世紀後半にかけての「明末清初期」と呼ばれる時代は、近世中国史上における一大転換期であり、この時代に形成された数々の文化的所産から、政治・社会・経済の仕組み、さらには人々の行動や思考のパターンに至るまで、その多くが現在にまで引き継がれている。この授業では、書画骨董という「モノ」を媒介として、当時を生きた人々の日常的な感覚・価値観、さらには社会意識に迫ることを通じ、明末清初期という時代の特質について、社会的・文化的側面からその一端を明らかにすることを目指す。授業は毎回配付するレジュメに基づき講義形式にて実施し、3回の小レポート提出を課す。

受講生の到達目標

(1)中国史上における「近世」、ならびに明末清初期という時代の特質について理解を深める。
(2)明末清初期における文化の様相と、その社会的・経済的背景についての知識を深める。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

中国史上における「近世」(1)

授業の目的と進め方、成績評価について、政治、民族、南北問題

2

江南の文化的優位性確立に至る過程(宋~元)

欧陽脩、趙明誠、蘭亭帖、書画録、趙孟頫、元末四大家

3

中国史上における「近世」(2)

経済、銀、北虜南倭

4

明代文化の背景

士大夫、文人、正統と異端、「癖」と「疵」、「雅」と「俗」

5

文化都市蘇州の繁栄(明代中期)

呉中四才、芸術市場、《自叙帖》、嚴嵩、王世貞

6

李日華の趣味生活(1)

嘉興、望族、文房清玩趣味、《尚友図》

7

李日華の趣味生活(2)

董其昌、陳継儒、項元汴、科挙、山人

8

李日華の趣味生活(3)

近世の喫茶文化、ブランド茶、銘水へのこだわり、指南書の登場、茶葉の流通

9

汪砢玉の生涯(1)

汪砢玉、汪継美、『珊瑚網』、黄山の獄

10

汪砢玉の生涯(2)

郁逢慶、項徳新、『郁氏書画題跋記』、鴛鴦詩社、書画舫

11

呉其貞と『書画記』(1)

徽州商人、宗族、『書画記』

12

呉其貞と『書画記』(2)

明清交代、書画の流通、仲介業者

13

姜紹書と王越石(1)

姜紹書、『韻石斎筆談』、定窯鼎

14

姜紹書と王越石(2)

王越石、黄正賓、南明政権

15

書画骨董ブームの終息(清初期~中期)

王鐸、卞永誉、乾隆帝、『石渠宝笈』、全体のまとめと展望

授業実施形態

授業外学習の指示

・毎回の授業で参考文献を示す。本授業を理解し、到達目標を達成するためには、参考文献に目を通して積極的な授業外の学習を進め、予習・復習する姿勢が望まれる。
・また、京阪神間の美術館・博物館には、中国の書画や青銅器・陶磁器などの工芸品などが多数所蔵されているので、キャンパスメンバーズなどの優待制度を利用して、それらの収蔵品の実物をじっくりと鑑賞してほしい。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
70

受講生の到達目標(1)(2)に対応して、授業で扱ったいくつかのテーマから受講者の関心に基づいてひとつのテーマを選び、それについての考えを問うもの。授業内容や参考文献の記述をふまえつつ、論理的説得力をもって記述されているかを評価する。

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
30

受講生の到達目標(1)(2)に対応して、授業内容に対する受講生の理解や考え方を評価するために、単元ごとに3回の小レポート提出を課す。

成績評価方法(備考)

授業への出席は、単位取得のための最低限の条件であるため、特に理由なく5回以上欠席した場合には単位を与えない。やむなく欠席する場合には、授業担当者にその事情を申し出ること。

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
中華文人の生活 荒井健(編) 平凡社 4-582-48206-6
中国の美術 古田真一ほか(編) 昭和堂 4-8122-0123-3
中国書画探訪 曽布川寛(監修) 二玄社 978-4-544-01081-7
中国絵画入門 宇佐美文理 岩波新書 978-4-00-431490-5

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

コミュニケーションペーパー,manaba+R,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html