授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
15852:[2025 秋セメスター]社会病理学(S) 2025 秋セメスター 金4 産業社会学部 崎山 治男 2

キャンパス

衣笠

授業施設

以学館IG403号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

【授業の概要】
  この講義では、学説史的な展開を踏まえつつ、受講生にとってできるだけ身近なテーマを取り上げる中で、「社会」病理学の基本的な視点を得ることを目指します。
   パート1では、なぜ・どのように近代・現代社会に特有の社会病理が登場してきたのかを、社会構造の変化という観点から捉えます。特に「自由」、「平等」、「博愛」といった近代社会で「正しい」とされる考え方が、逆に社会病理を生み出すといったカラクリを示します。その中で、現代社会ではだれでも孤独、焦り、分断などの生きがたさを感じるカラクリがあることを学びます。またそれらが、教育→就職→労働という皆さんにとってのライフコースの課題ともなりうること、それを克服するヒントを考えます。
 パート2では、青少年の意識といった側面を社会病理学の視点から掘り下げます。特に、若者の非行、逸脱現象を取り上げながら、なぜ・どのように非行に走るのか(走らないのか)、薬物や関係の依存症に陥ってしまうのか(いかないのか)、いじめを黙認してしまうのか、等をトピックとして取り上げます。それらを通して、社会病理学の論理を学びつつ、私たちの身の回りの関係にある「生きがたさ」を回避する方法を重点的に考えます。
 パート3では、近年登場してきた「新しい」社会病理(とされる)現象への見方を、家族臨床・同性愛・精神障害などの事例を通して考えます。これらから、私たちの社会がどのような事柄を社会「病理」と見なすようになってきたのか、その変化を含めて現在の前後10年間ぐらいを見通します。
 これらを通して、「心」を病理とする見方の進展が進んでいる現状に対して、「社会」病理学の視点からそれを懐疑的に見ていく重要性を示します。

【授業の方法】
本科目は大学設置基準および立命館大学産業社会学部則において、区分を面接授業とする。詳細な実施方法については、manaba+Rのコースニュース、「授業スケジュール」および「授業実施形態」欄を確認のこと。

受講生の到達目標

・「社会病理」とされる事柄について、社会学的な見方を身につける。
・近代の「善」なる理念が、病理現象を産み出すパラドックスを理解する。
・とりわけ青少年の病理行動の背景を理解する。
・「新しい」病理現象とされる事柄への知識を深める。

事前に履修しておくことが望まれる科目

 「社会学史」、「入門社会学」等の基礎的な知識を習得していることが望ましいですが、必須ではありません。ひろく社会問題とされる事象への関心を持っていれば大丈夫ですよ。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

Part1:「社会」病理学とは何か:社会構造と社会病理・「自由」であることは良いことなのか?:アノミーという社会心理

アノミー、自由。並びに+R授業でこの科目の概要や狙いを説明します。

2

「博愛」をどの範囲まで持てるのか?:都市化と社会的連帯の崩壊

アーバニズム、インナーシティ

3

  「平等」であることはどこまで正しいのか?:「成功神話」の落とし穴

  教育、階層

4

「勤勉」であるだけで良いのだろうか?:下位文化の光と影

文化的再生産

5

Part2:現代の青年意識を「社会」病理学してみる・なぜ「気の合う仲間」が出来るのか?文化的学習理論による「仲間」作り

学習理論

6

最近の少年は「キレやすい」のか?:少年犯罪を巡る統計とレイベリング論

統計の陥穽

7

児童虐待は「愛情の不足」のせいか?:社会問題の構成主義

社会問題の構成主義

8

地域や家族による支援はどこまで有効なのか:他者との繋がりと紐帯理論

NPO、地域、割れ窓理論

9

目立つことと目立たぬこと:劇場型犯罪と社会

劇場型犯罪、三層構造論

10

Part3:現代社会の病理の諸相:社会病理の現在・「引きこもり」はなぜ起きるのか?私事化する社会での青年意識

コミュニケーション能力のインフレ化

11

なぜ「家族」に問題を求めるのか?:共依存とアディクション

アダルト・チルドレン

12

「語ること」でラクになる?:ナラティブ・アプローチという相互行為

「自己責任」論とセルフヘルプ・グループ

13

「結婚は異性と」が当たり前なのか?:性的マイノリティへのまなざし

LGBT、同性婚

14

まとめ:「心」の病理と「社会」の病理

「心」の危機は本当か?

授業実施形態

第1回~14回を対面で実施します。【+R授業】は初回講義前に視聴してください。その詳細はmanaba+Rのコースニュースで配信します。

授業外学習の指示

特にありませんが、様々な媒体で取り上げられる現代の社会問題や、自分自身のそれとは異なる社会(背景)のありように敏感であってください。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

期末レポート試験(評価は授業内容を踏まえ、自らの視点で社会病理を分析出来ているかで判断します。)

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

・社会病理は、社会が何を問題として注目しているのか?でもあります。ですので、社会そのものを映し出す鏡です。日頃から新聞やニュース等(媒体を問わず)に注目してみるといいでしょう。
  それと、身の回りの事柄や人間関係などでも、ご自身や周囲の方が「生きがたさ」を感じていることに関わってもいます。ですので、「自分のこと」と考えられる切り口はきっとあると思います。(講義の回のいくつかが、それに重なっていることを担当者としては願っています。)
 

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

特に指定しません。レジュメ、資料等を必要に応じて配布し、参考文献を紹介します。

参考書

参考書(使用頻度、その他補足)

必要に応じて紹介しますが、社会病理学の学説史を押さえたものとして宝月誠『逸脱とコントロールの社会学』有斐閣、佐々木嬉代三『社会病理学と社会的現実』学文社を挙げておきます。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,その他(教員より別途指示)

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/