Course Name Year Term Period Faculty / Graduate School All Instructors Credits
50432:[2025 Fall]Methods of Field Studies (PC) 2025 Fall Thu2 College Of Policy Science TACHIBANA KENICHI 2

Campus

OIC

Class Venue

B374

Language

Japanese

Course Outline and Method

 政策科学の学びには、多様な領域に渡る学際性という特徴がある。だが、何のために様々な分野について学ぶのかという「学びの柱」を見失うと、その学びは多分野の「聞きかじり」に終わってしまうことになりかねない。
 政策科学の大きな柱のひとつが現場である。問題を抱える現場であり、現場で暮らす人々でもある。現場の状況、人々の顔、声、それが「学びの柱」になる。その現場について調べ、理解に努め、現場から学ぶのが「フィールドワーク(フィールド調査)」である。
 フィールドワークは、今日、教育福祉・医療・地域開発の現場などで実施され、小学校でも行われるようになるなど、その重要性は広く知られるようになった。だが、フィールドワークが一般化するなかで、単に「現場に出掛けて写真を撮り感想を書き、フィールドワークは完了」とするような人たちも出てきてしまっている。フィールドワークは、そのような単純なものではない。
 フィールドワークには、大航海時代の「探検と冒険」以降、博物学、分類学、生物学、地理学、民俗学、文化人類学、社会学等の学問を成立、発展させてきた「知の方法論」とでもいえる側面がある。フィールドワークについて学ぶ際には、そうした領域に関わる多様な方法論、それらを支える科学的認識と倫理観、そしてその歴史的展開への理解が求められるのである。
 本授業では、そうしたフィールドワークの歴史と代表的な調査手法の数々を具体例をあげつつ解説し、参加者には、それらの手法を用いて「自己を見つめ直すフィールドワーク」(主に教室内で自分や周囲の人たちの考えや身の回りの調査)を実施し、課題を作成してもらうことになる。授業で学友と積極的に意見交換しつつ知の方法論を磨き、学びの柱を再認識する機会としてもらいたい。

Student Attainment Objectives

フィールド調査と社会のあり方との関わりについて理解を深める。
フィールド調査の歴史性についての理解を深める。
フィールド調査の代表的な方法を習得し、それにそって観察、記述、分析ができる。
それらの方法のの利点や弱点を把握する。
フィールド調査で求められる調査倫理を理解する。
フィールド調査を企画・実施する能力を身につける。

Recommended Preparatory Course

特になし。

Course Schedule

Lecture/Instructor(When there are multiple instructors) Theme
Keyword, References and Supplementary Information

【+R 授業】詳細は manaba+R を参照

オンデマンド

1

「フィールド調査」と「他者との接触」の方法

「自己紹介」から考える

2

フィールドの「想像」と「現実」から学ぶ方法

「身体表現論」と「異人論」から考える

3

「観察」と「情報蒐集」の方法

「探検と冒険」「考現学」から考える

4

「一覧表」の作成と「発想」の方法

「博物学」「KJ法」から考える

5

厳密な「分類」と「記述」の方法

「生物分類学」「エピソード記述」から考える

6

「景観」観察の方法

「地理学」「中心と周辺論」から考える

7

口頭伝承「聞き書き」の方法

「民俗学」から考える

8

「民族誌」作成の方法

「機能主義と構造機能主義的人類学」から考える

9

「ライフヒストリー」作成の方法

「通過儀礼論」「エスノメソドロジー」から考える

10

「贈答関係」の調査法

「贈与論」と「構造人類学」から考える

11

「交換と貨幣」の調査法

「経済人類学」「貨幣論」から考える

12

「民族と国民」意識の調査法

「民族論」「国民国家論」から考える

13

「消費とファッション」志向の調査法

「産業論」「ハビトゥス論」から考える

14

「世界の再編成」を探る方法

「当事者研究」「存在論的人類学」から考える

Class Format

第1回から第14回:対面授業

Recommendations for Private Study

 毎回の授業時間中に教材と課題を掲示し、「授業課題」の作成を求める。さらに授業後に、教材を復習予習しながら取り組む「授業レポート」の提出を求める。詳細は、+R授業と初回の対面授業で説明するので注意すること。 

 また、平常点評価の枠組みで、「最終レポート」も課すことになるので、そちらもしっかり取り組み、内容を充実させてほしい。

Grade Evaluation Method

Kind Percentage Grading Criteria etc.
Final Examination (Written)

Report Examination
(A report to be submitted by the unified deadline)

Exams and/or Reports other than those stated above, and Continuous Assessment 
(Evaluation of Everyday Performance in Class)
100

 提出された全14回の授業課題の充実度(質と量)を確認し、採点する。授業時間枠内の「最終レポート」も同様に採点し、課題、レポートの得点、授業への参加度を合算して、評価をおこなう。

Grade Evaluation Method (Note)

Advice to Students on Study and Research Methods

 受講に必要な知識、スキルは一切ありません。この授業では、自分の知識の穴を探す方法、観察力、記述力、発想力、思考力を鍛える方法を示します。そして、それらの方法を使って、学友たちと意見交換しながら課題を作成し、スキルを磨いてもらいます。教室内での積極的なコミュニケーションを期待しています。

Textbooks

Textbooks (Frequency of Use, Note)

特に定めない。

Reference Books

Title Author Publisher ISBN Code Comment
福祉の経済学 A. セン 岩波書店 潜在能力アプローチ
非抑圧者の教育学 P. フレイレ 亜紀書房 問題提起教育
異人論序説 異人論序説 ちくま学芸文庫
路上観察学入門 赤瀬川原平 ちくま文庫
考現学入門 今和次郎 ちくま文庫
エピソード記述入門 鯨岡峻 東京大学出版会
発想法 川喜田二郎 中公新書
フィールドワーク入門 市川健夫 古今書院 地理学
新民俗調査ハンドブック 上野和男、高桑守史、福田アジオ、 宮田登 吉川弘文館 民俗学
忘れられた日本人 宮本常一 岩波文庫 民俗学
西太平洋の遠洋航海者 B. マリノフスキ 講談社学術文庫 機能主義
日本の村ー須恵村 J.エンブリー 日本経済評論社 構造機能主義
通過儀礼 ファン・ヘネップ 岩波文庫
エスノメソドロジーー社会学的思考の解体 H.ガーフィンケル せりか書房
サンチェスの子供たち オスカー・ルイス みすず書房 ライフヒストリー
精神の生態史へ(1)(2)(3) G. ベイトソン ちくま文庫 関係論
はじめての構造主義 橋爪大三郎 講談社現代新書
贈与論 M. モース 勁草書房
社会学と人類学1 M. モース 弘文堂 ゼロの象徴価値
経済の文明史 K. ポランニー 日本経済新聞社 経済人類学
交換・貨幣および市場の出現 K. ポランニー 岩波現代選書 経済人類学
脱国家通貨の時代 西部忠 秀和システム 経済学
同時代世界の人類学 マルク・オジェ 藤原書店 個の過剰
定本想像の共同体 ベネディクト・アンダーソン 書籍工房早山 国民国家論
ネイションとエスニシティ アントニー・スミス 名古屋大学出版会 国民国家論
民族とナショナリズム アーネスト・ゲルナー 岩波書店 国民国家論
ディスタンクシオンー社会学的判断力批判1.2 P.ブルデュー 藤原書店 ハビトゥス論
べてるの家の「当事者研究」 浦河べてるの家 医学書院
虚構の「近代」 ブルーノ・ラトゥール 新評論 アクターネットワークセオリー

Reference Books (Frequency of Use, Note)

上記以外にも、教材内で紹介するので、目を通してほしい。

Web Pages for Reference

How to Communicate with the Instructor In and Out of Class(Including Instructor Contact Information)

Communication Paper,Learning Management System (manaba+R),Talk with Students,Other (Separate instructions will be provided)

Other Comments

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/