授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
15725:IR18‐ECJ205 国際交流論(R) § 15726:IR-ECR205 国際交流論(R) 2022 夏集中Ⅰ 国際関係学部 高鳥 まな 2

キャンパス

衣笠

授業施設

恒心館KS306号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

・本科目では、近現代の世界情勢の中で国際文化交流がいかにあってきたか、いかにあるべきかを探る。
・講義では、担当教員が日本の代表的な国際文化交流機関である国際交流基金での実務経験に基づき、国際文化交流に関わる各種概念、歴史的展開、ジャンルや担い手別の特徴などを紹介するとともに、具体的事例を取り上げつつ、国際文化交流の目的、政策や外交との関係、実施形態、評価などについて検証する。
・授業は、講義、学生による発表、グループ・ディスカッションを組み合わせて行う。
・各日の授業後にその日に得た知見や気づきのまとめ、および、全授業後に全授業を踏まえての期末レポートを課す。各日のまとめについては翌日の授業時に全体的なコメントを行う。期末レポートについてはmanaba+Rで個別にコメントを付す。また、あらかじめ各自に1項目を割り振り、その担当項目に関する発表を課す。(本シラバス「授業外学習の指示」、「成績評価方法」参照)

受講生の到達目標

・国際文化交流の特質に関する基礎的知識を獲得できる。
・国際文化交流の政策や事業についてその立案や実施上の要点を理解できる。
・国際文化交流の目的、評価に関する見識を養うことができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1-2

「文化」とは何か、「国際文化交流」とは何か

「文化」や「国際文化交流」に関わるさまざまな言説・用語を検証し、概念を整理する。

・国際文化交流、文化協力、文化支援、国際協力、文化外交、広報、宣伝、文化工作、プロパガンダ、異文化理解、多文化社会、多文化共生など

3

国際文化交流の意義と実践

国際文化交流の目的、主体、客体、手法等を検証する。

4

自然発生的な文化交流

おおよそ19世紀半ばまでの国内外における自然発生的な異文化接触、異文化体験、異文化受容の事例を検証する。

5−14

日本の国際文化交流のあゆみ (1)〜(10)

近現代の日本の各時代背景・社会状況の中で、文化や国際文化交流というものがどのように扱われ、どのような政策がとられ、どのような事業が行われたかを検証する。

5

日本の国際文化交流のあゆみ
(1) 対支文化事業

義和団事件(1900)、義和団事件賠償金(1901)、外務省「対支文化事務局」設置(1923)、「対支文化事業」開始(1923)

6

日本の国際文化交流のあゆみ
(2) 第一次世界大戦後の知的協力

国際連盟発足(1920)、「知的協力国際委員会」発足(1922)、「知的協力国内委員会」設置(1926)

7

日本の国際文化交流のあゆみ
(3) 日本の孤立化と国際文化交流

満州事変(1930)、国際連盟脱退(1931)、「国際文化振興会」設立(1934)、「国際学友会」設立(1935)

8

日本の国際文化交流のあゆみ
(4) 戦争と文化工作

外務省「文化事業部」廃止(1940)、太平洋戦争勃発(1941)

9

日本の国際文化交流のあゆみ
(5) 文化立国

国際文化振興会再開(1946)、「国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)」設立(1946)、「ガリオア・プログラム」開始(1949)、ユネスコ加盟(1951)、「日米フルブライト交流事業」開始(1952)、「日本ユネスコ国内委員会」設置(1952)、「国費外国人留学生制度」創設(1954)

10

日本の国際文化交流のあゆみ
(6) 高度経済成長と対日批判

経済白書『もはや戦後ではない』(1956)、外交青書『情報文化活動の大要』(1973)、ODA開始(1954)、GNP世界第2位(1969)、ニクソン・ショック(1971)、「国際交流基金」設立(1972)、ODA文化無償事業開始(1975)、福田ドクトリン(「東南アジア外交3原則」)『心と心の触れ合い』(1977)、「ASEAN文化基金」設立(1978)

11

日本の国際文化交流のあゆみ
(7) 国際貢献、国際協力

大平総理所信表明演説『文化の時代、国際化の時代』(1979)、『地球の歩き方』創刊(1979)、大平内閣「環太平洋連帯構想」(1982)、プラザ合意(1985)、バブル経済(1986-1991)、竹下総理ロンドンスピーチ『世界に貢献する日本』(1988)、竹下内閣「国際文化交流に関する懇談会」設置(1988)、外交青書「国際協力構想」(1988)、内閣官房「文化交流推進会議」設置(1989)、国際交流基金「文化協力プログラム」開始(1989)、国際交流基金「日本語国際センター」設置(1989)、国際交流基金「アセアン文化センター」設置(1990)、「ユネスコ文化遺産保存日本信託基金」設置(1990)

12

日本の国際文化交流のあゆみ
(8) ソフト・パワーとパブリック・ディプロマシー

ジョゼフ・ナイ「ソフト・パワー」(1990)、湾岸戦争勃発(1990)、国際交流基金「日米センター」発足(1991)、「国連平和維持活動」参加開始(1992)、国連開発計画『人間の安全保障』(1994)、細川内閣「国際文化交流に関する懇談会」設置(1994)、国際交流基金「アジアセンター」設置(1995)、橋本ドクトリン『多角的な文化協力』(1997)、ODA最高額(約1兆4千億円)(1998)、小渕内閣「21世紀の日本構想懇談会」設置(1999)、国際交流基金独法化(2002)、外務省「広報文化交流部」設置(2004)、国際交流基金「日中交流センター」設置(2006)、国際交流基金「さくらネットワーク」設置(2007)、「日本語教育スタンダード2010」策定(2010)

13

日本の国際文化交流のあゆみ
(9) 戦略的対外発信

・K-POP流行、孔子学院(中国)・世宗学堂(韓国)の展開
・日本の『正しい姿』、『多様な魅力』、『オール・ジャパン』での発信、ポップ・カルチャー、日本ファン、クール・ジャパン、日本ブランド、新日派・知日派育成、地球規模課題、普遍的価値の共有、訪日観光促進
・文化庁「文化発信戦略に関する懇談会」設置(2007)、国際交流基金「アジアセンター(第2次)」設置(2014)、外務省「戦略的対外発信室」設置(2015)、「ジャパン・ハウス」構想(2015)、「ジャポニスム2018」(2018)、「響きあうアジア2019」(2019)、「JAPAN2019」(2019)

14

日本の国際文化交流のあゆみ
(10) コロナ禍の中での国際文化交流

コロナ禍で様々な社会活動が制約を受ける中、国際文化交流事業がいかに行われているかを検証する。

15

国際文化交流の評価と展望

国際文化交流に関する政策・事業を評価するための課題や評価手法等について考察すると共に、今後の国際文化交流のあり方を考える。

授業実施形態

【BCPレベルが1もしくは2の場合】
・原則として全授業回を対面形式で行います。
・担当教員の連絡先は初回授業までにmanaba+Rコース内に記載します。
・学期の途中にBCPレベルが3以上に変更になった場合は、原則Web 授業を行います(対面授業は実施しません)。
・下記の条件に該当し、対面授業に参加できない学生がいた場合は、授業のライブ配信によるWebフォローを実施します。該当する学生は、初回授業までを目途に担当教員に申し出てください。

[Webフォロー対象となる条件]
①基礎疾患や持病がある等、感染した場合に重症化するリスク(※)の高い学生
②基礎疾患や持病がある等、感染した場合に重症化するリスク(※)の高い同居家族がいる学生
③海外との往来制限により、学生本人が渡日・入国できない場合
(※) 呼吸器疾患、糖尿病、心不全等の国が定める基礎疾患を有する場合

【BCPレベルが3もしくは4の場合の場合】
・原則として、ライブ配信のWeb授業を行います。Web授業の形態についてはmanaba+Rのコース内でも案内します。
・学期の途中にBCPレベルが2以下に変更になった際は、対面授業を再開する場合があります。

※立命館大学のBCPレベルについては以下URL先の1. 立命館大学における新型コロナウイルス感染症に関する対策を参照。
http://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=1679

授業外学習の指示

本授業を理解し、到達目標を達成するためには、参考文献・資料等にあたり、積極的に授業外の学習を進め、予習・復習する姿勢が望まれる。「成績評価方法」に記載したとおり、各自にあらかじめ割り振られる項目に関する発表(下記1(4))、各日の授業内容に関するまとめの提出(下記2)、授業全般及び各自の授業外学習を踏まえて作成する期末レポートの提出を課す。

1. 予習として、
(1)世界史および日本史(特に19世期半ば以降現代まで)を概観し、異文化接触・異文化交流という観点に立って、主な出来事とその時代背景・社会状況を押さえておく。
(2)現在の世界情勢、日本の社会情勢を押さえておく。
(3)本シラバス「参考書」および「参考になるwebページ」記載の資料を参考にする。
(4)各学生にあらかじめ発表項目を割り振って後日の授業中での発表を課すので、担当項目を調べ、パワポやワード等の発表資料をまとめておく。

2. 復習として、
・各日の授業(本科目は集中講義であり1日3コマの全5日)ごとにそこで得た知見や気づきをまとめる(本シラバス「成績評価方法」参照)。

3. 授業中に随時追加で参考文献や資料、ウェブサイト等を紹介予定であり、それらを通して各自の理解と知識の拡大に努める。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

・40% :期末レポート
授業で扱った論点や項目等を踏まえ各受講生が各自の関心に基づいて選んだテーマについて、その知識と考えを問う。「受講生の到達目標」全てに対応する。(下記「備考1」参照)

・20%:発表
あらかじめ割り振られる項目に関する発表内容を問う。対応する「受講生の到達目標」は各項目による。(下記「備考2」参照)

・40% 平常点
各日ごとにその日の授業で得た知見、気付き等を問う。対応する「受講生の到達目標」は各日の講義内容による。(下記「備考3」参照)

成績評価方法(備考)

備考1
・全講義を通じて得た知見を踏まえ、自由にテーマを設定してレポートを作成。 (40%)

備考2
・担当する項目に関し、授業中に発表。 (20%)

備考3
・各日ごとに、その日の授業(本科目は集中講義であり1日3コマ)で得た知見や気づきなどを150-600字程度にまとめ、manaba+Rを通じて翌日までに提出。本提出をもって出席とみなす。(40%)

備考4
【BCPレベル3~4に変更となった場合】
・BCPレベルが3~4に変更となった場合においても、成績評価方法は変更しない。

受講および研究に関するアドバイス

・国際文化交流を考察するには広範で偏りのない歴史の知識が必要である。今までに得てきた世界史と日本史の知識を再確認し、異文化接触・異文化交流という観点に立ちながら、歴史の流れと主な出来事、その時々の政治や社会状況を押さえておく。

・日常的に、現在の世界情勢や各国の立ち位置、日本の社会状況に関心を持ち、その中での文化や文化交流、異文化理解、多文化共生等の意味や役割、位置づけなどを考えるようにする。


教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
国際文化交流を実践する 国際交流基金編 白水社 9784560097977
外交vol.51 特集:パブリック・ディプロマシーの最前線 「外交」編集委員会 外務省 4901783688
<文化>を捉え直す カルチュラル・セキュリティの発想 渡辺靖 岩波書店 4004315735
ソフト・パワー 21世紀国際政治を制する見えざる力 ジョゼフ・S・ナイ 日本経済新聞出版 4532164753

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

・国際交流基金ウェブサイト www.jpf.go.jp

・政府の国際文化交流関連の施策、言説等については、関連省庁(外務省mofa.go.jp、文科省mext.go.jp、文化庁bunka.go.jp、スポーツ庁mext.go.jp>sportsなど)のウェブサイトで検索できる。

・地方自治体・NPO・学術文化機関・交流団体・企業などの国際文化交流活動についても、それぞれのウェブサイトが参考になる。

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

本科目担当教員は、独立行政法人国際交流基金において、日本語事業運営部長・海外事業戦略部長・日本語試験センター事務局長・ロンドン日本文化センター所長・欧州総局長等としての実務経験、3度の海外駐在経験(パリ、ロンドン(2度))を有している。本科目では、そこから得た知見を授業内容に反映させている。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html