授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
33818:量子力学2(T2) § 33819:量子力学Ⅱ (T1) 2024 春セメスター 金2 理工学部 藪 博之 2

キャンパス

BKC

授業施設

コラーニングⅠ 205号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

量子力学Iで述べた量子力学の応用について述べる。応用の対象として水素原子やアルカリ原子の構造やそのスペクトルをとりあげ、それを解く過程において直交曲線座標、調和多項式、角運動量と回転群、粒子のスピン、摂動法や変分法といった近似法について述べる。また、元素の周期律表など原子の重要な性質が量子力学で説明される(量子力学でなければ説明できない)ことについて述べる。

受講生の到達目標

量子力学のより進んだ計算ができるようになり、その物理的意味を理解できるようになること。原子・原子核・素粒子のミクロな物理現象において量子力学がいかに用いられるか理解すること。

事前に履修しておくことが望まれる科目

量子力学Iの単位を取得していること、あるいはそれに相当する量子力学の知識を有することが望まれる。(必然的に力学1-3, 電磁気学, 統計熱力学I, 物理数学I,IIの単位を取得している、あるいは相当の知識を有していることになる。量子力学IIのシラバス参照)物理数学III, 統計物理学IIの単位を取得していること、あるいはそれに相当する知識を有することが望まれる。また、具体的に手を動かして問題を解くことは大切なので、量子力学演習の履修を強くすすめます。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
第1章(1)

3次元極座標とSchr¥"odinger方程式

3次元極座標、軌道角運動量、中心力ポテンシャルのSchr¥"odinger方程式の極座標表示

第2章(2)

Laplace方程式と調和多項式

Laplace方程式、調和多項式

第3章(3-4)

中心力に対するSchr¥"odinger方程式の極座標による解

中心力に対するSchr¥"odinger方程式の極座標による解、球面調和関数の物理的意味

第4章(5)

極座標によるCoulombポテンシャル問題

水素原子のCoulombポテンシャル、スケール変数と無次元化、動径成分の方程式の漸近形と還元、Laguerreの微分方程式とLaguerre関数、束縛状態波動関数

第5章(6)

水素原子の量子力学的状態

水素原子の電子軌道、水素原子波動関数(s状態)、水素原子波動関数(p状態)、Y関数、水素原子の電子状態と電子雲、電子のスピン角運動量と全角運動量、水素原子における電子状態

第6章(7)

水素原子のスペクトル

太陽光線のFraunhofer線、水素原子のスペクトル

第7章(8)

量子力学による原子模型と周期律表

Bohr-Stoner-Pauliによる原子模型、電子殻と侵入軌道、原子と周期律表

第8章(9)

原子のスペクトル

一電子原子のスペクトル

第9章(10)

軌道角運動量

空間回転、波動関数と空間回転、軌道角運動量代数

第10章(11)

SU(2)-Lie代数と表現

SU(2)-Lie代数、SU(2)-Lie代数の表現

第11章(12)

$j=1/2$角運動量

$j=1/2$角運動量、Pauliによる2成分波動関数

第12章(13)

角運動量の合成

合成角運動量、個別角運動量状態、合成角運動量表現とClebsch-Gordan分解、スピン球面調和関数、水素原子の電子準位の微細構造

第13章(14)

電子のスピンと原子のスペクトル線の微細構造

原子のスペクトル線の微細構造、縮退をともなわない1次摂動近似、スピン・軌道相互作用

第14章(15)

Zeeman効果

一様磁場によるZeeman効果

付録1

直交曲線座標

直交曲線座標、直交曲線座標による微分演算、Laplace演算子

付録2

Legendre関数

Legendre関数、Legendre関数のRodrigues公式、球面調和関数、球面調和関数の直交性、球面調和関数の直交性

付録3

Laguerre多項式

Laguerre多項式、Laguerre多項式のCauchy積分表示と母関数、Laguerre多項式の規格直交関係、Laguerre多項式に関する積分の母関数、単純Laguerre多項式

付録4

合流型超幾何関数とWhittaker関数

合流型超幾何関数、Whittaker関数

付録5

散乱状態波動関数

平面波の部分波展開、散乱状態波動関数の漸近形、ポテンシャル散乱と散乱断面積、Coulombポテンシャルによる散乱状態波動関数、Rutherford散乱振幅

付録6

回転放物体座標によるCoulombポテンシャル問題

回転放物体座標によるCoulombポテンシャル問題、$f$・$g$成分の解、束縛状態、散乱状態

付録7

変分法とHeの基底状態

変分法の基礎、ヘリウム原子の基底状態、He原子の基底状態の変分法による計算

付録8

Clebsche-Gordan係数

Clebsche-Gordan係数、Clebsch-Gordan係数の漸化式、Clebsch-Gordan係数の実数性とユニタリ性、

付録9

Clebsche-Gordan係数の対称性

漸化式によるClebsch-Gordan係数の特徴付け、$j_1$-$j_2$ 交換公式、$j_{1,2}$-$j_3$ 交換公式、$m$-反転公式

付録10

簡単な場合のClebsch-Gordan係数

$j=0$を含むClebsch-Gordan係数、$j=1/2$を含むClebsch-Gordan係数

付録11

Clebsche-Gordan係数の一般公式

2項係数の積公式、Clebsche-Gordan係数の一般公式、Clebsch-Gordan係数の1項公式

付録12

摂動展開理論(縮退をともなわない場合)

非摂動系・摂動系、非縮退エネルギー状態、摂動状態の規格化

付録13

$g$-展開摂動理論(縮退のある場合)

固有エネルギーの縮退、非摂動系、摂動系、行列方程式と永年方程式、$E^{(1)}_0$非縮退エネルギー状態

()内は講義回数。講義回数は進行状況により変化することがあります。(付録は部分的にとりあげることがあります。)

授業実施形態

原則的に対面で授業を行います。対面で行った授業の補助としてオンデマンドの動画を用いることがあります。

授業外学習の指示

授業にはもともと皆さんが教室外で勉強する時間も入っています。プリントはmanaba-R(manaba+Rじゃないかって、ハイフンは-に決まっているでしょう)での配布になります。これは私が話すことを想定して設計してあるものですが、2020年度により詳しい解説を付け加え、改良を続けて2023年度以降はそれを取り入れて改良を行い、2024年度はそれを再改良したものになる予定です。もうお前の顔なんか見なくてもこれでわかる?そうなってほしいと思います。わかるのであればそれでかまわないのです。授業で配布されるプリントには計算の詳細や関連した問題が載せてあります。これを見れば授業内容に関係する細かい部分までわかるはずなのでご研究下さい。<-2021年2月24日修正<-2022年2月11日修正<-2023年1月20日修正<-2024年2月20日修正

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

定期試験はありません(皆様に過度の負担をかけることなく定期試験を行う有効な方法を見出しえないため)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

レポート試験は行いません。レポート試験とレポートを混同しないようご注意願います。

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

上記の到達目標が達成されているかどうかについて、達成度を評価する。

成績評価方法(備考)

2023年度は、徒然に行う小テストとレポート等で成績評価を行う予定です。manaba-R等の情報をご注意ください。

受講および研究に関するアドバイス

何かを学ぶということの基本は自学自習にあります。講義というものそして教師というものも結局は自分が勉強するための手段でしかありません。量子力学を勉強するするのは受講する皆さんで、わかりたいのも皆さんです。そのために講義を大いに活用してください。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

教科書は特に指定しません。プリントを配布して、それに従って講義を行ないます。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
量子力学選書:多粒子系の量子論 藪 博之 裳華房 9784785325145 本文の一部、角運動量に関する付録
量子力学I,II ランダウ, リフシッツ 東京図書 4489000588, 4489000596 量子力学の応用が豊富

参考書(使用頻度、その他補足)

上に上げた参考書は私が量子力学を学ぶうえで大きな影響を受けた本です。したがって、それは私の講義に必然的に影響をおよぼしています。そういう意味で参考書にあげておきました。読まなければいけないという意味ではありません。その他の本は講義で紹介します。また、量子力学Iのシラバスにあげた参考書を参照。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,その他(教員より別途指示)

備考

量子力学Iの内容は前提とします。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/