授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
14643:東洋史学史(L) 2020 秋セメスター 木3 文学部 井上 泰也 2

キャンパス

衣笠

授業施設

諒友館RY202号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

〔中国史学思想史ー『史記』から『史通』まで〕
 本講義では、『史記』・『漢書』・『三国志』・『史通』等の史書を具体的に参照しつつ、漢から唐に至る中国史学の展開、あるいは歴史意識の変遷をたどる。
 先ず、司馬遷(前135?-前87?年)『史記』では、父談の遺志を継ぎ、学術の総決算・世界の哲学的体系化が、全体史・通史・同時代史の形を取りつつ創造された。
 同じく、父彪の遺志を受け継いだ、班固(32-92年)『漢書』は、いわば反歴史主義の立場から、漢の神聖視・絶対化を図り、「正史」断代紀伝体の形式を定着させた。
 陳寿(233-297年)『三国志』は、分裂時代を生きる歴史家の、複雑で微妙な立場を反映する。
 劉知幾(661-721年)『史通』は、魏晋南北朝史学の合理的結晶と目され、『史記』以来の伝統を踏まえつつ、中国史学に史学評論という新生面を拓いた。
 以上の講義を通じ、各史書の特徴、著者及び時代背景について逐一考察する。

受講生の到達目標

中国の史書に一定の知識を持ち、東アジア世界における歴史思想のありかたを具体的に考察することができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
第1~2回目

歴史意識

「史官」の特性

第3~7回目

司馬遷『史記』の世界

世界の体系化

第8~10回目

班固『漢書』の立場

王朝の絶対化

第11~12回目

陳寿『三国志』と正統論

西晋に仕えた蜀人

第13~15回目

劉知幾『史通』と歴史学原論

合理的「史料批判」

授業実施形態

授業外学習の指示

広く古今東西にわたり、歴史学に関する知見を深める。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
30

各史書への理解度と的確な歴史的位置付けを問う。

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
70

各回の課題に回答すること。
その中の重要な論点は、次回の授業に反映させる。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

なし(プリント配布)。

参考書

参考書(使用頻度、その他補足)

授業中に適宜紹介する。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html