授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
13885:日本法史(JA) 2022 秋セメスター 火1,木3 法学部 河野 恵一 4

キャンパス

衣笠/衣笠

授業施設

存心館ZS207号教室/存心館ZS207号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

※日本法史(JB)とは同一科目であるため、クラス間で内容に差はありません。

ものごとをより深く理解するために、その歴史を知ることは非常に有効な方法です。法についてもそれは例外ではありません。この授業では、古代から近代はじめまでの日本の法と裁判の歴史を検討し、それぞれの時代に存在した法制度についての理解を深めることを目的とします。
ご存知の通り、日本の法は明治時代に大きな転換を経験しています。それまでの日本の法と全くと言っていいほど性格の異なる西洋法体系を、この時期に全面的に取り入れたのです。第一に、現代の法に繋がるこの法史上の転換とその結果としての近代法について学びます。第二に、現代の法とはさまざまな面で大きく異なる前近代の法について学びます。これらを踏まえて現代の法について改めて考えてみることで、いろいろと新しい発見があればと思います。

下記授業スケジュールに示すようなテーマを設定し、担当教員からの講義を中心とした授業を行います。授業内容に関する質問やコメントは基本的にmanaba+Rを通じて、また口頭やメールにて受け付け、必要に応じ個別に回答します(任意)。重要な質問・コメントに対する回答や補足説明は、全員に対してmanaba+Rにて行います。

この授業の成績評価は平常点のみで行います。内訳は授業内課題、授業への質問・コメント等です。フィードバックは全体講評を基本とし、必要に応じて個別にコメントします。いずれもmanaba+Rを通じて行う予定です。

受講生の到達目標

・本講義で扱う、わが国の法や裁判の歴史にかかわる諸テーマについて、それらの基本的知識を得る。
・上記基本的知識について、それらを学んでいない人に対して、概要を説明できる。
・法や裁判の歴史を知り、考えることを通じて、現代のそれらの制度を相対化する視点を得る。

事前に履修しておくことが望まれる科目

特にありませんが、分野を限らずできるだけ多くの科目を受講しておくと、授業に対するいろいろな見方が養われ、有益だと思います。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

日本法史を学ぶ意義について

前近代法、近代法、西洋法継受、歴史的視点、相対化

2

日本法史という学問について

法学、歴史学、比較法史、国制史、法文化史

3

さまざまな地域の法と現代日本法とのかかわり

ローマ法、大陸法、英米法、中国法、イスラーム法

4

西洋近代法とその継受

西洋近代法、日本的法観念、明治期法典編纂、お雇い外国人、法典論争

5~8

明治期の法典編纂と司法制度の整備

大日本帝国憲法、民法典、刑法典、法典論争、司法制度、法曹養成
※日本法史上、最も重要な転機である明治期の法制度、裁判制度の整備について解説する。この時期に編纂された主要法典の概要、特色、編纂過程に関すること、また裁判制度やそれを支える法曹の養成に関することを主に扱う。

9~10

前近代日本の法と裁判・概説

律令法、武家法、慣習法、法圏分立、自力救済、和解
※前近代日本の法や裁判について、その全体像や特色を概説する。前回までで扱った、西洋近代法制度とは相当に異なる法や裁判のありかた、またそれらの背景にある国家や社会のしくみ、人々の意識等を主に扱う。

11~16

近世日本の法と裁判

幕府法、藩法、刑事法、民事法、訴訟制度、和解
※近世(江戸時代)の法や裁判について解説する。江戸幕府や諸藩の統治のしくみ、刑事法、民事法等の内容と特色、紛争解決における訴訟や和解の役割等を主に扱う。

17~18

戦国・織豊期の法と裁判

分国法、在地法、自力救済、喧嘩両成敗、惣無事令
※中世から近世への移行期の法や裁判について解説する。幕府や朝廷の衰退に伴い社会秩序が流動化した社会で、戦国大名等のさまざまな地域権力の法や裁判、紛争解決のありかた、それらの統合を試みた織豊政権の動向を主に扱う。

19-22

中世日本の法と裁判

法圏分立、武家法、民事法、刑事法、訴訟制度、自力救済、和解
※中世(平安時代末から室町時代まで)の法や裁判について解説する。朝廷を大枠としつつ、公家や寺社、そして新興勢力である武家がそれぞれ独自に運用していた法や裁判、紛争解決のありかたを主に扱う。

23~26

古代日本の法と裁判

律令法継受、民事法、刑事法、訴訟制度、本所法
※古代(平安時代以前)の法や裁判について解説する。奈良時代に全面継受された律令法の内容や特色、運用実態と、平安時代にかけてのそれらのありかたの変質を主に扱う。

27

中・近世日本における紛争解決:自力救済とその制御

紛争解決、実力行使、敵討、和解、私刑と公刑

28

日本における「法の担い手」

法曹、法実務家、司法の独立、法学研究・教育、実務家養成

29

「日本法史」学史とその課題

法(制)史学、法学的手法と歴史学的手法、通史的叙述、時代区分、現代法制度とのかかわり

30

⽇本法史を学ぶことはどのように役⽴つのか

前近代法、近代法、⻄洋法継受、法意識

授業実施形態

【BCPレベル1~2の場合】
原則として対面授業を実施します。ただし、大学の定める配慮事由に該当するとして対面受講への配慮を申し出た方に対しては、ライブ配信を提供します(さらにやむを得ない理由によりライブ配信を受講できなかった方に対し、録画データ等の授業資料をオンラインで提供します)。
原則として、すべての授業回でこの形態で実施しますが、担当教員の判断によりライブ配信またはオンデマンド配信を併用する場合があります。オンラインでの授業資料の提供方法はmanaba+Rおよび、OneDrive共有により行います。

【BCPレベル3~4の場合】
この授業が予定されている曜日時限にオンラインでライブ配信形式で実施します。

授業外学習の指示

毎回、可能な限り復習を行うよう心がけてください。最低限、理解が不十分だった語句や概念については、辞書・事典類、参考文献等で調べるようにしてください。
また日本史に関する知識は、必要に応じて各自で補足するようにしてください。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

以下の課題への取組状況や出来に基づき、授業の理解度や関心を測り、評価を行います。
・授業内課題(計4回):80%
・各回の授業に関する質問・コメント等(任意):20%

なお、BCPレベルが3~4に変更となった場合においても、成績評価方法は変更しません。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

授業で使用する資料はmanaba+Rおよび、OneDrive共有にて提供します。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

教科書は指定しませんが、下記参考⽂献の浅古他『⽇本法制史』(⻘林書院)の内容を中心に講義を進める予定です。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
日本法制史 浅古弘・伊藤孝夫・植田信廣・神保文夫編 青林書院 978-4-417-01517-8
新版 史料で読む日本法史 村上一博・西村安博編 法律文化社 978-4-589-03771-8
新・日本近代法論 山中永之佑編 法律⽂化社 978-458-902585-2
日本法史から何がみえるか 高谷知佳・小石川裕介編 有斐閣 978-4-641-12597-1
概説 日本法制史 出口雄一・神野潔・十川陽一・山本英貴編 弘文堂 978-4-335-35727-5

参考書(使用頻度、その他補足)

有益な文献は随時紹介します。

参考になるwwwページ

法制史学会ホームページ(https://www.jalha.org/
・法史学関連の情報多数。特に「法制史文献目録」は全文検索もでき有益です。

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

開講期間内外を問わず、質問等あれば随時受け付けます。
開講期間外はメール(keiichi@fc.ritsumei.ac.jp)にて連絡してください。開講後はmanaba+Rでのやりとりを基本としますが、授業前後に口頭で伝達、あるいはメールでご連絡いただいてもかまいません。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html