授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
50515:[2025 春セメスター]ヴィジョン特殊講義(地政学)(P) § 50516:VB特殊講義(地政学)(P) 2025 春セメスター 金4 政策科学部 玉井 良尚 2

キャンパス

OIC

授業施設

C274講義室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

地政学(geo-politics)は、各国の外交政策や安全保障政策を評価し、国際社会や地域、そして自国への影響を推しはかる際の強力な分析ツールである。さらに現代の地政学は、外交・安全保障だけでなく経済市場や情報通信、エネルギー資源問題、民族・宗教問題等、様々な問題領域の分析に際しても利用されるようになっている。同時に、国際経済学と密接にリンクする概念として地経学(geo-economics)が急速に発展し、地政学はこれと結び付けられる形で用いられることも多い。本講義では、国家が追求する国家戦略の地理学的要素を地戦略(geo-strategy)と呼び、地戦略=地政学+地経学という公式に立脚しながらその意味・内容について詳細な検討を行っていく。
キーワード:地政学、地経学、軍事・経済安全保障、シーパワー、ランドパワー、勢力圏

受講生の到達目標

本講義を通じて
1)地政学が前提とする地理的知識と歴史的属性について理解が深まる。
2)地政学がもつ戦略性を理解し、空間と政治・軍事・経済との関係について思考する方法を獲得する。
3) 諸外国の地政学に基づく外交・安全保障戦略を理解し、それに対峙する日本の外交・安全保障政策への政策評価能力を獲得する。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

地政学とは~地政学と戦争~

地政学を理解する目的で、現代国際社会で発生している地政学上の諸問題を写真、図を通して解説するとともに、戦争と地政学の関係(戦前のドイツ地政学と日本の大東亜共栄圏思想の問題 )について考える。
【+R授業】詳細はmanaba+Rを参照

2-4

古典的地政学概念

19世紀から第二次大戦までの国際政治史に基づきながら、地政学の古典理論として、マッキンダー地政学(ハートランド論) 、スパイクマン地政学(リムランド論)、そしてマハンの海洋地政学について紹介する。

5-7

冷戦と地政学

冷戦と地政学の関係性(米国の対ソ封じ込め政策、ドミノ理論、そして朝鮮戦争・ベトナム戦争)を紹介する。

8-9

地経学

「地経学」について、第二次世界大戦後の米国の経済覇権としてのブレトンウッズ体制、ニクソン・ショック以降の国際協調体制、オイルダラー、そして現在の情報技術の覇権競争などに関する事例に基づき説明する。

10-11

中国の台頭・ロシアの復権と「接続性の地政学」

接続性(connectivity)をキーワードとして、中国やグローバル・サウスの台頭によるグローバル・サプライチェーンの展開、そして資源大国ロシアをハブとしたユーラシアにおける天然ガス・パイプライン網の構築・拡大など、近年のエネルギー資源や物流をめぐる大国の地政学・地経学戦略について紹介する。

12-13

技術・情報と地政学

技術革新・技術移転、そして情報通信のトランスナショナルな展開が地政学に及ぼす影響ついて紹介する。

14

まとめ~地政学の逆襲~

移民・難民の流入によって生じたEU内の混乱とBrexit、米国の世界秩序に挑戦する中国の外交・軍事戦略、そしてロシアによるウクライナ侵攻など、「冷戦回帰」ともいえる今日の国際状況を地政学的観点からあらためて捉え、今後の展望について考える。

授業実施形態

当該授業形態は基本的に対面とする。ただし、一部の回でメディア授業を実施する可能性があり、実施の際には事前に連絡を行う。
初回講義を+R授業とし、20分のVOD(ガイダンス)を事前に視聴した上で、95分の初回講義(対面)を受講してもらう。

授業外学習の指示

参考文献を読み、毎回の予習・復習といった授業外学習を十分に行うこと。
テキスト及び参考文献の予習・復習範囲に関しては、適宜授業内で指示する。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

課題小レポート、小テスト、出席等をふまえて総合的に評価する。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

地政学の学習では、世界地図が極めて重要となります。授業では、紙媒体でもデジタル媒体でもかまわないので、地図をすぐに参照できるよう準備しておくと良いでしょう。

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
ウクライナ侵攻はなぜ起きたのか:国際政治学の視点から 宮𦚰昇 編著 早稲田大学出版部
資源地政学 稲垣文昭・玉井良尚・宮脇昇 編著 法律文化社

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
マッキンダーの地政学 H.J.マッキンダー 原書房
スパイクマン地政学 : 『世界政治と米国の戦略』 ニコラス・スパイクマン 芙蓉書房出版
マハン海上権力史論 アルフレッド・T・マハン 原書房
地政学の逆襲 ロバート・D・カプラン 朝日新聞出版
帝国日本と地政学 : アジア・太平洋戦争期における地理学者の思想と実践 柴田陽一 清文堂出版
現代日本の地政学 : 13のリスクと地経学の時代 日本再建イニシアティブ 中公新書
旧ソ連地域と紛争 : 石油・民族・テロをめぐる地政学 廣瀬陽子 慶應義塾大学出版会
中国はなぜ「海洋大国」を目指すのか : "新常態"時代の海洋戦略 胡波 富士山出版社
「接続性」の地政学 上・下 パラグ・カンナ 原書房
海の地政学 : 海軍提督が語る歴史と戦略 ジェイムズ・スタヴリディス 早川書房
制水権 : 軍による水の資源化 玉井良尚 国際書院

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/