授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
15836:[2025 秋セメスター]景観デザイン論(S) 2025 秋セメスター 月2 産業社会学部 永橋 爲介 2

キャンパス

衣笠

授業施設

以学館IG401号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

【授業の概要】
  人文社系学部の専門科目として「景観デザイン論」を学ぶことにはどのような意味や意義があるのでしょうか?本講座では、「デザインとは何か?何をどうすることがデザインなのか?」、そして「景観とは何か?人は景観をどう捉え、扱ってきたのか?景観と風景は何がどう違うのか?」という疑問を解きほぐしながら、持続可能な環境や社会を形成する作法としての景観デザインの発想法と方法論を学びます。
 その際、工学的、技術的な観点だけでなく、社会的、経済的、生態学的、身体的、美学的そして政治的さらに心理学的な観点から景観デザインを把握し理解していくことが不可欠です。ここに「景観デザイン論」を人文社会学系専門科目として学ぶことの意味や意義があると思っています。
 なお授業スケジュールに示しているケーススタディ(具体事例)の内容や解説の進度、順番については、教員と受講者の双方向のやりとり、また受講者同士のやりとりを踏まえて変更されることがあります。

【授業の方法】
  本科目は大学設置基準ならびに立命館大学産業社会学部則、立命館大学大学院社会学研究科研究科則において、区分を面接授業とする。詳細な実施方法については、manaba+Rのコースニュース、「授業スケジュール」および「授業実施形態」欄を確認のこと。

受講生の到達目標

(1)景観デザインという行為が、様々な領域や人間の活動に関係していることを理解し、その具体的な様相について、授業で紹介する事例やそこでの知見を踏まえて具体的かつ論理的に説明することができる。
(2)持続可能な環境や社会の形成の観点から景観デザインの重要性や効用、そして課題について、授業で紹介する事例ややりとりやを踏まえて具体的かつ論理的に説明することができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

 永橋の担当専門科目である「環境形成論」、そしてリム先生の「都市論」を併せて受講すると「まちを見る力」「まちを理解する力」「まちに働きかける力」が向上するのではないでしょうか。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1<オンデマンド型授業>

オリエンテーション

講義の目的と進め方ならびに成績評価方法についての説明
景観デザインとは何か?そもそもデザインとは?「眺める力」とは?
景観デザイン論を学ぶ意義はどこにある?
景観と風景は同じ?違う?違うとしたら何がどう違う?

2<対面授業>

「眺める力」をアップする練習(入門編)1

中華人民共和国アモイ市コロンス島の秘密その1

3<対面授業>

「眺める力」をアップする練習(入門編)2

中華人民共和国アモイ市コロンス島の秘密その2

4<対面授業>

「眺める力」をアップする練習(入門編)3

中華人民共和国アモイ市コロンス島の秘密その3

5<対面授業>

「眺める力」をアップする練習(初級編)1

アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ市ハイドストリートの秘密その1

6<対面授業>

「眺める力」をアップする練習(初級編)2

アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ市ハイドストリートの秘密その2

7<対面授業>

「眺める力」をアップする練習(初級編)3

アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ市ハイドストリートの秘密その3

8<対面授業>

「眺める力」をアップする練習(中級編)1

兵庫県尼崎市森公園の秘密その1

9<対面授業>

「眺める力」をアップする練習(中級編)2

兵庫県尼崎市森公園の秘密その2

10<対面授業>

「眺める力」をアップする練習(中級編)3

兵庫県尼崎市森公園の秘密その3

11<対面授業>

景観デザインによるコミュニティの再生1

アメリカ合衆国ノースカロライナ州マンテオにおけるコミュニティ・デザインその1

12<対面授業>

景観デザインによるコミュニティの再生2

アメリカ合衆国ノースカロライナ州マンテオにおけるコミュニティ・デザインその2

13<対面授業>

景観デザインによるコミュニティの再生3

アメリカ合衆国ノースカロライナ州マンテオにおけるコミュニティ・デザインその3

14<オンデマンド型授業>

これまでの講義のふりかえりと検証テスト

持続可能な環境形成の作法としての「景観デザイン」の課題と展望

+R授業<オンデマンド授業>

そもそも「持続可能な社会」とは何か?

「持続可能な社会」の国際的な定義を考える
(第7回以降のどこかで実施。詳細についてはmanaba+Rで周知します)

授業実施形態

第1回と第14回(最終回)をオンデマンド授業で実施します(接続URLについてはmanaba+Rで周知します)。
第 2 回~13回は対面授業にて実施。
【+R授業】(オンデマンド授業)は第7回授業以降に実施予定です。接続URLはじめ詳細についてはmanaba+Rにて周知します。

授業外学習の指示

授業外学習のポイントとして以下3点を紹介しておきます。

1点目
 授業外学習では、例えばネット検索でその事例の現在の状況を情報収集したり、その事例に似たような状況や実践例が他にもないかどうかを把握しておくと、内容の理解が深まります。
(必要時間目安:30分)

2点目
 授業で獲得する「眺める力」を使って、自分が慣れ親しんでいる風景や景観に目を向け、「こんな発見があった」「こんな疑問が生じた」ということをメモをしておいて、次の授業の回答レポートに書き込んでもらうと、教員からいろいろな情報や知見を引き出すことができ「景観デザイン」に関する知識や発想がさらにゆたかになり、かつ新たな視点も得られるようになります。
(必要時間目安:30分)

3点目
 参考書としてシラバスに示した文献やそれ以外の景観デザイン論、まちづくりに関する文献や論文、記事を読み「こんな発見があった」「こんな疑問が生じた」ということをメモをしておいて、次の授業の回答レポートに書き出してもらうと、教員からいろいろな情報や知見を引き出すことができ「景観デザイン」に関する知識や発想がさらにゆたかになり、かつ新たな視点も得られるようになります。
(必要時間目安:30分)

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

 毎回、授業内で投げかける「お題」への回答をコミュニケーションペーパーに記載して提出してもらいます。
 提出してもらった回答レポートを講師が毎回2段階「可・不可」で評価し、各回の参加度、習熟度を測ります。欠席や未提出の場合は「不可」とカウントされるのはもちろん、提出しても内容部十分の場合は「不可」になります。「不可」が連続3回続いた場合、もしくは初回と最終回を除く12回分のうち「不可」が合計6回以上ついた場合には最終成績評価対象外(すなわちF)となり、最終回の「検証テスト(特別なお題)」への回答資格も失います。
 逆に12回分全て「不可」以外の評価でも、最終回の「特別なお題」への回答に対して「不可」が付いた場合、最終成績評価はFとなります。最終回の「特別なお題」は、各回の「お題」に回答するだけでなく、講座全体を貫くテーマや事例に関しての具体的理解が問われることになります。授業への参加を通して思考力、発想力、考察力、分析力、表現力をどれだけ向上させられたかが試されます。

成績評価方法(備考)

 2019年度までは対面授業でしたが、新型コロナ禍の2020年度、2021年度、2022年度は全回オンデマンド動画配信授業でした。2019年度までの合格率は6割強でしたが、2020年度から2022年度までは3割に減りました。

 2023年度から対面授業に戻し(第1回と第15回はオンデマンド配信授業)、扱うケーススタディを減らして受講生との双方向のやりとりや受講生同士のやりとりを増やしました。内容を深く理解してもらうことで合格率が6割に戻ることを期待していましたが、残念ながら合格率は3割を切りました。

 しかし2024年度は紹介する事例の数をさらに減らし、1つ1つの事例をじっくりと考えてもらう時間を十分に設けた結果、合格率は6割に戻りました。2025年度も2024年度と同じく、事例1つ1つについてじっくり考える時間を十分に設ける予定です。

 この授業、「考えること表現するということはどういうことなのか?」、「自分は何が分かっていて、何を分かっていないのか?」等、自分のこれまでの発想や考え方、理解の程度、表現方法を振り返り吟味するとが求められます。

 F評価となった受講生からの「自分なりに頑張ったのになぜ不合格なのですか?」という問い合わせに対しては、「その『自分なり』がどれだけのものなのか?そのことの吟味と自問自答が必要なのでは?他の受講生の発想力、思考力、表現力から学び(反面教師的な学びも含め)、どれだけ『自分』を豊かに拡張させることができたか、そのことの検証が必要ではないでしょうか?」とお応えしています。

 なお厳しい合格率に関わらずB評価の人はもちろん、A評価の人も少なくありません(2024年度はA+評価の人もいました)。何が合否を分けるのでしょうか?大きな要因として2つあると思います。

 1つ目は、各回のお題に回答したあと、それで満足するのではなく、他者の回答や教員からの解説を踏まえて「自分の回答はこれで良かったのだろうか?どこが不十分だったのか?」という「振り返り」をきちんと言語化しているかどうかにあるかと思います。この日々の修練によって内容の理解度や思考力、発想力、表現力の付き具合が変わってきます。「振り返り」をおざなりにしている人、それを言語化できていない人は不合格になる率が高いと思われます。

 2つ目は、「教員の解説をしっかり理解できているか?」、「お題で何が問われているかしっかりと理解できているか?」、また「授業中に示されるパワーポイントのスライドをしっかり読んで理解できているか?」によって合否が左右されるているように思います。教員からの解説も授業中のスライドも、難しい言葉は使っていません。しかし、なんとなく分かったつもりでいたり、目を通したつもりでいたりすると、とんだしっぺ返しを受けることになります。

 自分が本当に授業の内容を理解できているか?示された資料をなんとなく見るだけでなく、しっかりとその本質をつかんでいるか?そうした姿勢や態度が問われています。こうした姿勢は一朝一夕に身につくものではありません。この授業だけでなく、他の授業でもこの姿勢や態度を身につけるよう自覚することが大切なように思われます。

 最後にもう1点、このシラバス、たくさんのことが書かれていますが、これを授業期間中も何回か読み直し、内容をしっかり理解することも合格への最低必要条件になると思います。

受講および研究に関するアドバイス

<この授業を履修中に教育実習や介護実習がある学生さんへの連絡>
 この授業を履修中に教育実習や介護実習がある学生さんにとって、この授業は極めてハードルが高いです。自分が実習とこの授業とを両立できるかどうか、シラバスをよく読みじっくり吟味検討してください。履修登録する前に相談メールを送ってもらった方が良いかと思います。

<1つでも単位を落とすと年度内に卒業できなくなる4回生以上と卒業見込みが出なくなる3回生への連絡>
 この授業、かなりハードルが高いので「1つでも単位を落とすと卒業できなくなる」という4回生以上、また「1つでも単位を落とすと卒業見込みが出なくなる」という3回生は、この授業が自分に合うかどうか、どうしても受講したいかどうか、シラバスをよく読みじっくり吟味検討してください。いかなる事情があってもこのシラバスで記した以外の成績評価に関する対応は行いません。

<以下、この授業を履修するすべての学生さんへの連絡>
 いま世の中に存在するデザイン手法や景観の形成や管理が、持続可能な環境や社会を形成することに寄与しているかどうかを、批判的に検証する視点を大事にしたいと思います。そのためには自分が日常目にする景観や風景(景観という言葉と風景という言葉の概念については講義の中で触れます)、そして出来事の観察、吟味が欠かせません。

 自分が当たり前と思っていること(認識、景観、風景)は、実は当たり前ではないのだ、という視点が大事になります。好奇心と「疑問に思う力」がその助けになります。この講義に参加する作法としても、好奇心と「疑問に思う力」をフルに働かせて下さい。

 「持続可能な環境形成の作法」としての「きく」「眺める」「表現する」ことの大切さや有効性を毎回の授業の中で体感してもらいます。「きく」「眺める」「表現する」ことを大切にし、講師からだけでなく受講者同士互いに学び合う姿勢を大事にしたいと思います。
 
 「表現する」とは、コミュニケーションの基本であり、議論や合意形成をしていくプロセスを「見えるようにする」技法、そして「思いをカタチにする」技法です。

 毎回提出してもらう回答レポートには、文字による記述に加え、絵や図を描いてもらうことを歓迎します。みなさんの回答や回答の際に描き込んでもらった絵や図も、授業内で皆さんに紹介していきますので、「きく」「眺める」「表現する」練習の機会として利用して下さい。フィジカル・ディスタンスに留意しながら他の受講生の回答レポートにも目を通してもらいます。

 授業全体を通して、授業の中で紹介されたケーススタディが、この授業が示すテーマや命題とどのように関連しているのかを有機的に理解しておくことが必要です。そのためにも授業内容をノートにメモし、内容を後で振り返ることができるようにしてください。また自身の回答レポートについても提出する前にスマホで写真を撮っておかれると良いと思います。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

 教科書は使用しません。毎回テーマ毎に参考書を紹介したり、必要な場合には、適宜、レジュメを配布したりします。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
環境と都市のデザイン 斉藤潮・土肥真人・永橋爲介他 学芸出版社 ISBN4-7615-2346-8 景観工学者とコミュニティ・デザイナーの激突から生まれた本。永橋は第5章「市民とデザイナー 共同の可能性」を担当。景観や環境、デザインを扱うことの課題と可能性を理解するための本。
「景観」を再考する 松原隆一郎他 青弓社 ISBN-13: 978-4787232335 「景観」と「風景」の捉え方の違いについては歴史社会学の立場からの佐藤健二氏の批判的論考が秀逸。
風景学入門 中村良夫 中公新書 ISBN-13: 978-4121006509 土木学者として景観工学、景観デザイン学の第1人者である中村先生がなぜ「景観」や「デザイン」という語句を用いずに「風景」や「風景学」という語句を使われるのか?そこから逆に景観デザインの在りようを考察できるスリリングな本。

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,その他(教員より別途指示)

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/