授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
16660:刑法Ⅱ(各論)(JA) 2019 秋セメスター 金3-4 法学部 豊田 兼彦 4

キャンパス

衣笠/衣笠

授業施設

明学館MG202号教室/明学館MG202号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 この授業では、刑法各論を学びます。刑法各論は、殺人罪や窃盗罪などの個別の犯罪を扱う分野であり、主要には、「刑法」という名の法律の第二編「罪」に規定された各種の犯罪を対象に、その成立要件を検討することを課題とします。
 ただし、一般の例にならい、この授業では、「刑法」上のすべての犯罪を扱うことはしません。扱うのは、理論上あるいは実務上重要と思われる犯罪のみです。
 とはいえ、それだけでもかなりの分量です。ですので、平板にならないよう、できるだけメリハリをつけ、具体例を挙げながらわかりやすく説明して、「面白い!」「楽しい!」「もっと勉強したい!」と感じられる授業を目指します。例えば、授業の進め方としては、基本から応用へと段階的に学べるように、まずは典型事例を用いながら基本事項をひととおり押さえ、その後、主要な論点について、判例で問題となった限界事例などを用いながら検討する、という方法をとります。
 授業は、講義形式で行います。レジュメを配布する予定です。

受講生の到達目標

①刑法各論の基本事項を典型事例に基づいて説明することができる。
②刑法各論の主要な論点を具体的事例に基づいて検討することができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

刑法Ⅰ(総論)

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等

ガイダンス、刑法各論の意義と体系、個人的法益に対する罪総説、生命・身体に対する罪(1)

殺人の罪(1)

生命・身体に対する罪(2)

殺人の罪(2)、傷害の罪(1)

生命・身体に対する罪(3)

傷害の罪(2)、過失傷害の罪、堕胎の罪、遺棄の罪

自由に対する罪(1)

脅迫の罪、逮捕・監禁の罪、略取・誘拐の罪

自由に対する罪(2)

性的自由に対する罪

自由に対する罪(3)

住居侵入罪

秘密に対する罪、名誉に対する罪

信用・業務に対する罪

財産に対する罪(1)

財産に対する罪総説、窃盗罪(1)

10

財産に対する罪(2)

窃盗罪(2)

11

財産に対する罪(3)

強盗罪(1)

12

財産に対する罪(4)

強盗罪(2)

13

財産に対する罪(5)

強盗罪(3)、詐欺罪(1)

14

財産に対する罪(6)

詐欺罪(2)

15

財産に対する罪(7)

詐欺罪(3)、恐喝罪

16

財産に対する罪(8)

横領罪(1)

17

財産に対する罪(9)

横領罪(2)

18

財産に対する罪(10)

背任罪(1)

19

財産に対する罪(11)

背任罪(2)、盗品等に関する罪、毀棄・隠匿の罪

20

社会的法益に対する罪総説、放火・失火の罪(1)

21

放火・失火の罪(2)

22

文書偽造の罪(1)

23

文書偽造の罪(2)

24

その他の社会的法益に対する罪

25

国家的法益に対する罪総説、賄賂罪(1)

26

賄賂罪(2)、公務の執行を妨害する罪

27

犯人蔵匿・証拠隠滅の罪

28

その他の国家的法益に対する罪

29

最終確認(1)

個人的法益に対する罪のまとめ

30

最終確認(2)

社会的法益に対する罪・国家的法益に対する罪のまとめ

授業実施形態

授業外学習の指示

教科書を事前に読み、理解できるところとできないところを明らかにしておくなど、十分に予習し、授業は、復習のつもりで受けるのが理想的です。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 100

前記「受講生の到達目標」の到達度に応じて評価します。

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

基本が大切です。

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
基本刑法Ⅱ各論(第2版) 大塚裕史=十河太朗=塩谷毅=豊田兼彦 日本評論社 978-4-535-52240-4 授業中に使用します。予習、復習にも活用してください。

教科書(使用頻度、その他補足)

 指定した教科書は、司法試験の定番書の1つとなっています。では難しいかというと、そんなことはなく、専門の教科書としては平易に書かれていますので、その意味では、初学者でも安心して使えます。ただし、学問的には控えめです。刑法各論を学問的に深く学びたい人、指定した教科書を学問的な視点から批判的に読んでみたい人は、ぜひ、松宮孝明『刑法各論講義(第5版)』(成文堂、2018年)を併読してください。視野が広がり、思考も深まります。授業でも、時間の許す限り、同書の内容に言及する予定です。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
刑法判例百選Ⅱ各論(第7版) 山口厚=佐伯仁志(編) 有斐閣 978-4-641-11521-7 主に予習、復習用ですが、授業中に参照することもありえます。
刑法各論判例50! 十河太朗=豊田兼彦=松尾誠紀=森永真綱 有斐閣 978-4-641-13926-8 初学者向けの判例解説書で、随所に工夫がみられます。
刑法各論講義(第5版) 松宮孝明 成文堂 978-4-7923-5252-3 授業中に直接参照することは予定していませんが、授業の内容に生かされる予定です。予習、復習の際に参照すると、より深く勉強することができます。

参考書(使用頻度、その他補足)

 「百選」は、判例教材の定番です。法科大学院、予備試験の受験を考えている人や、刑法各論をしっかり勉強したい人は、持っておくと便利です。「百選」が難しすぎると感じる人は、「50!」から入るといいでしょう。「刑法各論講義」は、上の「教科書(備考)」欄に書いたように、より深く勉強したい人におすすめです。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

学生との直接対話

備考

担当教員のプロフィールや研究業績などについては、ホームページ https://st-toyota.jimdofree.com/ をご覧ください。