授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
16029:IR18‐HJ301 専門演習(15) § 16030:IR-GR301 専門演習(15) 2022 春セメスター 木4 国際関係学部 君島 東彦 2

キャンパス

衣笠

授業施設

諒友館RY306号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

この演習は、地球社会を平和学する。平和学とは戦争の原因と平和の条件を探究する学問であり、法学、政治学、社会学、歴史学、考古学、文化人類学、心理学、ジェンダー研究などさまざまな学問の方法を貪欲に用いて、戦争/武力紛争の原因と平和の条件を探究する努力をしている。平和学は医学に近いかもしれない。医学は病気の原因を究明し、それを克服する方法を考える。平和学は戦争などの暴力の原因を明らかにして、それを克服する方法、政策を考えるのである。地球社会全体でさまざまな危機──破綻国家、核拡散、環境破壊、テロリズム、排外主義等々──が深まり、制御不能の感覚が広まっているいま、人類の生き残りのための学問、未来をつくる学問が平和学なのである。ゼミ生各自の研究テーマの報告/ゼミ生全員によるディスカッションという方法で、地球社会を平和学したい。
 この演習はまた、正規の授業時間外にゼミ生が自発的にプロジェクトに取り組むのを伝統、特徴としている。近年は、中国・上海の復旦大学、韓国のキョンヒ大学の国際関係学部の学生たちと、英語で学生平和対話(China-Japan-Korea Student Peace Dialogue)をすることが重要なプロジェクトになっている。新型コロナウイルス感染症の状況次第でまだ流動的であるが、8月の最後の週に、韓国のキョンヒ大学を訪れて、復旦大学、キョンヒ大学の学生たちと、平和対話を行いたいと考えている。中国、韓国、日本の大学生がface-to-faceで率直な議論をすることは東アジアの平和をつくるためにもっとも必要なことの1つである。これら、中国の復旦大学、韓国のキョンヒ大学の学生たちとの英語による平和対話は、国際関係学部の学びの集大成といえる。
 2020年度から、日本国内の他大学の国際系学部のゼミとの交流を行っている。2020年度は同志社大学グローバル地域文化学部の浅羽ゼミと、2021年度は同志社の浅羽ゼミに加えて、上智大学総合グローバル学部の中内ゼミと交流した。日本の他大学の国際系学部のゼミとの交流も有意義である。

受講生の到達目標

1 ゼミ生自身の研究課題に適切な学問的方法でアプローチし、最終的に卒業論文に結実させる。
2 ゼミ生自身が自己の「平和責任」を自覚して、平和をつくる主体となる。それは学部卒業後、さまざまなかたちで──企業で、公務員として、ジャーナリストとして、あるいは大学院で──なされるだろう。
 ゼミの卒業生は、ジャーナリズム(NHK、TBS、よみうりテレビ、テレビ東京、読売新聞、毎日新聞等)、官庁(厚生労働省、防衛省、東京都庁、京都市役所等)、企業(双日、ソニー、パナソニック、滋賀銀行、野村證券、大和証券、JR東海、野村総研、みずほ総研、アクセンチュア、JTB、ベネッセ、ユニクロ、ソフトバンク等)、教員(兵庫の県立高校、大阪府の小学校、東京の私立中学高校)、大学院(東京大学、一橋大学、慶応大学、東京芸術大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、アメリカン大学、SOAS、コヴェントリー大学、高麗大学等)等の進路に進んでいる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

「平和学入門」等を受講していると役に立つと思う。が、これらの科目の履修をゼミの条件とはしない。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1~15

ゼミの運営方法

ゼミ生による主体的なゼミ運営を期待している。ゼミ長を中心に、各ゼミ生がゼミの仕事を自発的、積極的に分担してほしい。正規の授業はもちろん、各プロジェクトについてもゼミ生のコミットメントを求める。
 毎週のゼミは、3回生・4回生合同で行なう。各ゼミ生の研究テーマ・卒論テーマの報告とそれにもとづくディスカッションである。専門演習は90分であるが、それではとうてい内容を終えることができないので、専門演習に続く90分も時間をあけておいてほしい。
 夏休みおよび春休みに合宿を実施することがある。これまでに行なった合宿は、沖縄(2006 年9 月)、広島(2007 年3 月)、鹿児島(2007 年8 月)、広島(2008年9 月)、東京(2009 年3 月)、沖縄(2009 年9 月)、長崎(2010 年3月)、ソウル(2010年8月)、高知(2011年3月)、横浜/東京(2011年8月)、上海(2011年11月)、舞鶴/京都(2012年3月)、広島(2012年8月)、東京/横浜(2013年3月)、東京(2015年3月)、沖縄(2017年2月)等である。合宿では毎回、その地元の大学の平和学のゼミと交流している。これまでに交流したのは、沖縄国際大学石原ゼミ、広島女学院大学篠原ゼミ、鹿児島大学木村ゼミ、明治学院大学高原ゼミ、沖縄の学生平和ガイド(琉球大学が中心)、長崎大学舟越ゼミ、韓国の高校生・大学生選抜チーム、高知大学岩佐ゼミ、フェリス女学院大学横山ゼミ、復旦大学選抜チーム、同志社大学和田ゼミ、広島で開催された東北アジア平和構築インスティテュートの参加者(東アジア各地の出身)、明治学院大学学生サークルPeace☆Ring、沖縄国際大学前泊ゼミである。また毎回、その地域の「平和博物館」を見学している。沖縄県平和祈念資料館、広島平和記念資料館、大和ミュージアム、知覧特攻平和会館、靖国神社・遊就館、第五福竜丸展示館、原爆の図・丸木美術館、長崎原爆資料館、岡まさはる記念長崎平和資料館、ソウル西大門刑務所、韓国独立記念館などを見学した。

授業実施形態

BCPレベルに応じて教員から説明します

授業外学習の指示

毎週のゼミでは、ゼミ生による卒論テーマ・研究テーマに関する報告とそれにもとづく全員でのディスカッションを行い、それに加えて、プロジェクトの準備を行う。1週間前に翌週のテーマを予告するので、それに関する準備をしてきてほしい。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
40

タームペーパー

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
60

毎週の授業への出席と議論への貢献度

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

過去の卒業研究(卒業論文)テーマ一例
「平和学の視座から見るオリンピックの機能━平和的機能促進と暴力的機能縮減のために」「米軍女性兵士の経験と軍隊の変革━ミリタリズム、リベラリズム、フェミニズム」「世代を超えた戦後和解は可能か━二方向の『植民地支配』と集団的トラウマの克服を通して」「在特会の平和学的考察━誰もが排除されることのない社会を目指して」「安全保障の沖縄的視点」「軍楽隊の社会的機能」「民主化後のスペインにおける2例のETA対策から立てられた仮設の検証と考察」「日韓の歴史認識をめぐる問題から見えてきたもの━東アジアの平和に向けて日本の果たす役割」「尊厳死・安楽死に対する自己決定権の在り方━人間の幸福な生のために」「学校教育が大学生の平和意識の形成に与える影響とその課題━立命館大学学生への意識調査の結果に基づく一考察」
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html