授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
16027:IR18‐HJ301 専門演習(14) § 16028:IR-GR301 専門演習(14) 2022 春セメスター 木4 国際関係学部 西村 智朗 2

キャンパス

衣笠

授業施設

諒友館RY209号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

本演習では、国際社会がかかえる諸問題や制度上の課題について法的な観点から検証し、議論し、解決の可能性を見つける作業を通じて、国際法の基礎知識の確認、リーガル・マインドの修得、およびコミュニケーション能力の向上を目指す。
本演習で取り扱うテーマは、国際法の全ての分野である。すなわち“そこに国際法がある限り”あらゆる問題がゼミのテーマとなりうる。より具体的には、安全保障、環境保全、貿易・通商、人権保護といった諸問題を検討素材とし、主としてグループワークをおこないながら、3回生と4回生が共同で演習活動に携わる。
演習の進め方は、参加者全員の意見を出し合い、相談しながら進める。これまで取り扱ったゼミのテーマは以下の通りである(例示であり全てではない)。
・領土紛争 ・難民問題 ・核兵器使用の合法性 ・集団的自衛権 ・サイバーテロ ・宇宙活動 
・国家の分離独立(沖縄/クリミア) ・越境大気汚染問題 ・地球温暖化問題 ・漁業資源(鯨類を含む)問題  
卒業論文については、基本的にはそれぞれの問題関心に沿って研究テーマを決定し、約1年間の個別指導を通して、現状分析および論理構築において優れた論文の完成を目指す。完成後、4回生、3回生および次年度演習参加予定の2回生を交えて卒論発表会をおこない、卒業論文集を作成する。

受講生の到達目標

学生は、現代国際法の基本構造を正しく理解し、それを現在の様々な国際問題に正しく当てはめる力を養うことができるようになる。
併せて、単に国際社会の事件・事実の「単なる把握」にとどまることなく、「国際法」というツールを使って、論理的な思考力(リーガル・マインド=事実と根拠にもとづいて適切な結論を導く能力)と豊かな創造力(他者を思いやり、バランスの取れた解決策を提示する能力)を培うことができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

2回生時に国際法Ⅰおよび国際法Ⅱを履修済みであることが望ましい。前記講義を未履修の場合は、演習受講と同時に必ず履修すること。また演習受講と同時に国際法Ⅲおよび国際法Ⅳを履修すること。
その他に、法学、憲法、国際人権法、国際環境法、国際経済法などの法律学関連科目の履修を推奨する。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1~15

ゼミの運営方法

3・4回生のゼミは合同でおこなう。1年目(3回生)は、それぞれ関心のある国際法の基本的争点を参加者全員で検討する。2年目(4回生)は、1年後輩の3回生を指導しつつ、各自の卒論構想を3回生との合同ゼミで報告する。左記の報告とは別に随時個別に卒論指導をおこなう。最近は、法学部の国際法ゼミと合同で模擬裁判(国際司法裁判所を舞台とした仮想の事件を原告・被告・裁判所チームに分かれて議論する)などをおこなっている。
 教員として、専門の国際法の知識習得には責任を持つが、ゼミ自体は「教員と学生の知的共同作業」の場と位置づける。従って、ゼミの活動方針については「参加者の合意」の上決定する(国際法の基本原則「合意は当事者を拘束する(pacta sunt servanda)」に基づく)。また課外活動についても、学生がイニシアティブを発揮して積極的に行ってもらいたい。
これまで課外活動は以下の通り。
・ゼミ合宿(芦原温泉、南紀白浜、道後温泉、台湾など)
・ディベート大会(立命館大学、同志社大学、龍谷大、京都女子大、関西学院大学などが参加)
・オープン・ゼミナール
・ゼミ同窓会(隔年)

授業実施形態

BCPレベルに応じて教員から説明します

授業外学習の指示

報告者は、必ずレジュメを作成し、当日参加者に配付すること。
報告者以外の参加者は、1週間前に提示された報告者からの報告情報(テーマ、論点、参考文献など)について、事前に確認しておくこと。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
40

タームペーパー

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
60

出席(30%)、受講貢献(30%)

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

国際社会のルールの形成やその遵守について関心を持つ学生の参加を期待する。ただし、自分の関心だけでなく、他の参加者が設定した課題にも積極的に耳を傾けることができる知的好奇心の高い学生の参加を切望する。

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
条約集 国際法の授業で使用したもの

教科書(使用頻度、その他補足)

以下の条約集を推奨する。※国際法Ⅰ~Ⅳの授業で使用したものをそのまま利用するので新たに購入する必要はない。 『ベーシック条約集』(東信堂・毎年刊行)または 『国際条約集』(有斐閣・毎年刊行)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
①国際法(第4版) 浅田正彦編 東信堂 9784798915456 2019年
②国際法(第5版) 松井芳郎他 有斐閣 9784641159273 2017年
③判例国際法(第3版) 薬師寺・坂元他編 東信堂 9784798915586 2019年
④国際法判例百選(第3版) 森川幸一他編 有斐閣 9784641115552 2021年
⑤国際法基本判例50(第2版) 杉原高嶺・酒井啓亘編 三省堂 978-4385323268 2014年

参考書(使用頻度、その他補足)

テキスト(①②)からいずれか1冊、判例集(③④⑤)からいずれか1冊を用意することを推奨する。

参考になるwwwページ

国際連合HPの国際法のページ http://www.un.org/en/sections/what-we-do/uphold-international-law/
国際司法裁判所 http://www.icj-cij.org/
外務省 http://www.mofa.go.jp/mofaj/

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

過去の卒業研究(卒業論文)テーマ一例
「1999年NATO空爆における国際法上の正統性」「国際法的視点からの日本の死刑制度の評価-ゼーリング事件の判例から-」「国際社会における刑事裁判制度と『法の支配』~バシル大統領を裁くのは誰か?~」「『保護する責任』とその慣習国際法性に関する一考察~2005年世界サミット以降の動向を中心に~」「テロ行為に対する自衛権行使の合法性~自衛権に関する国際法の解釈変更の可能性についての検討~」「国際法における私人の救済制度と外交的保護の今後~投資紛争解決国際センター(ICSID)を中心に~」「地域的人権保障に基づく『宗教的権利』の原状と可能性」 
※いずれも父母教育後援会受賞論文
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html