授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
13752:会社法Ⅰα(JB) 2022 秋セメスター 水2 法学部 品谷 篤哉 2

キャンパス

衣笠

授業施設

存心館ZS310号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 企業に関する法的ルールは取引法と組織法に大別されます。法学部の専門科目のうち、商取引法や有価証券法は前者に該当します。これに対し会社法は後者です。企業組織法として、組織の仕組みに規律を加え、構成員の利害を調整する数多くのルールを定めています。
 こうした内容を備える会社法のうち、この授業では会社法の総論とガバナンスを扱います。条文では会社法1条~5条(会社法総則・通則)、295条~430条(機関)およびこれらに関連する訴訟(828条~878条)が授業の対象です。条文を確認しながら、組織の仕組みに規律を加え、構成員の利害を調整する諸制度について解説します。解説の際には、近時の主要な判例や実務における対処についても言及するつもりです。
 なお企業組織法の科目としては、他に会社法Ⅰβ及び会社法Ⅱも設けられています。会社法Ⅰαの授業内容を理解するために必要な限りで、会社法Ⅰβや会社法Ⅱで詳しく取り上げる内容についても言及することがあります。授業の運営として了解をお願いします。
 授業の方法は通常の講義形式であり、対面授業です。

受講生の到達目標

(1)会社法の基本概念を理解することができる。
(2)株式会社の各機関や機関設計を理解することができる。
(3)習得した基礎的理解を踏まえて主要論点を巡る判例・学説の議論にアプローチすることで、応用的能力の涵養を図ることができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

 この科目は組織法を扱い、組織の内部的な手続について勉強します。ただし組織が事業を経営していくには対外的な取引活動が欠かせません。商取引法、有価証券法および民法(財産法)等の科目について、同時または事前事後の履修が望まれます。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

会社の法的意義、会社の種類

営利性、社団性、法人性、株式会社、持分会社

2

会社法制の変遷、会社法の定義

現行会社法の成り立ち、特例有限会社、電磁的記録、親会社・子会社、公開会社

3

会社法の定義、株式会社の概念

大会社、機関設計ごとの会社の定義、株主有限責任、資本制度、最低資本金制度の廃止

4

機関(総論)

機関の概念、有機体説、機関の分化、並立機関説と派生機関説、機関設計

5

株主総会(1)

総会の権限、最高機関性と万能機関性、招集権限、招集事項、株主提案権

6

株主総会(2)

説明義務、議長権限、一株一議決権原則、定款による代理人資格制限、決議の種類

7

株主総会(3)

買取請求権、買取価格、決議の取消、決議の無効・不存在、形成訴訟と確認訴訟

8

取締役・取締役会(1)

取締役・取締役会の位置づけ、員数、資格、選任・終任、解任

9

取締役・取締役会(2)

取締役会の権限、業務執行権限、監督権限、内部統制システム、取締役会の運営

10

代表取締役

代表権の意義、業務執行権限との関係、代表権の制限、代表権の濫用、取締役会決議を欠く代表取締役の行為の効力

11

監査役・監査役会等

監査役・監査役会、会計参与、会計監査人、監査等委員会、指名委員会等設置会社

12

取締役と会社との関係

善管注意義務と忠実義務、経営判断原則、報酬規制、競業規制、利益相反取引規制

13

役員等の対会社責任

要件・効果、任務懈怠、推定規定、無過失責任、責任の軽減・免除

14

代表訴訟

対象となる訴え、提訴請求、訴訟参加、和解、訴訟追行

15

役員等の対第三者責任

法的性質、直接損害・間接損害、第三者の範囲、名目的取締役、退任登記未了の取締役

授業実施形態

【BCPレベル1・2の場合】
 原則として対面授業を実施します。ただし大学の定める配慮事由に該当するとして対面受講への配慮を申し出た受講生に対しては、ライブ配信を提供します。さらにやむを得ない理由によりライブ配信を受講できなかった受講生に対し、録画データ等の授業資料をオンラインで提供します。
【BCPレベル3・4の場合】
 本授業が予定されている曜日・時限にオンラインのライブ配信形式で実施します。

授業外学習の指示

 他の科目と同様に、この科目でも予習および復習は欠かせません。その他、受講生の多くは会社法の初学者と思われるので、会社法に興味・関心を持ってもらうべく、まずはメディアの経済面に目を向けて下さい。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 45

 定期試験が実施できない場合は、定期試験に代えて定期試験期間にオンラインで試験を実施します。

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
55

 提出課題を1回実施します。評価割合は45%です。他に、対面授業における発言及びそれに相当するオンラインでの連絡の内容(掲示板への書き込み、メール等による教員への質問等)の評価が10%です。

成績評価方法(備考)

 定期試験及び提出課題に記すべき内容は、授業で扱った内容であり、授業で扱った内容とは教科書、PPTスライド、板書及び口頭解説を含みます。先に記した「受講生の到達目標」に対応して、基本概念や語句の理解を確かめるとともに、適切な理解を前提とした洞察力を試す問題を出題します。答案の構成や論理性も評価対象です。

受講および研究に関するアドバイス

 各回の授業は、分量的にはそれほど多くありません。けれども各回の内容を適切に消化・吸収しようとすれば、相応の勉強量が要求されます。苦手意識を作らないためにも、予習および復習を怠らないように注意して下さい。

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
コア・テキスト 会社法 川村正幸他 新世社

教科書(使用頻度、その他補足)

 令和元年改正に対応したテキストです。予習・復習も含めると、毎回利用となります。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
会社法[第24版] 神田秀樹 弘文堂
株式会社法[第8版] 江頭憲治郎 有斐閣
会社法判例百選[第4版] 神作裕之他編 有斐閣

参考書(使用頻度、その他補足)

いずれも改訂の可能性があります。改訂された最新版を参考にして下さい。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

その他(教員より別途指示)

備考

 本授業では出席確認を実施します。確認した出席情報は、成績評価との相関関係を分析する際に利用します。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html