授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
30752:[2025 秋セメスター]現代の世界経済(G2) 2025 秋セメスター 木1 理工学部,薬学部,スポーツ健康科学部 大橋 陽 2

キャンパス

BKC

授業施設

コラーニングⅠ 301号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 アダム・スミスに始まる経済学は、デイビッド・リカードの展開した比較生産費説にしたがって国際分業が各国に貿易利益をもたらすと説き、国際化、グローバリゼーションの知的根拠となってきた。第二次世界大戦後のIMF・GATT体制も、両大戦間期のブロック経済化による経済摩擦が大戦につながったという反省から生み出されたものである。戦後の自由、無差別、多角的貿易体制は、アメリカが各国の輸出を寛大に受け入れ、ドルを世界に散布することで経済繁栄を牽引してきた。しかし限界に至り、1971年のニクソン・ショックで固定相場制が相場制が放棄されてから、財だけでなく、サービス、投資、金融、人の国境を越えた取引や移動が加速化している。
 こうしたグローバリゼーションは、リカードの理論が約束した貿易利益をもたらしただけでなく、負の側面ももたらした。それゆえ「現代の世界経済」は、多くの問題と矛盾を抱えていると言われている。2008年金融危機以降続く金融不安定性、所得・資産格差、長期停滞、財政赤字、少子高齢化、雇用不安といった先進国の問題に始まり、覇権国なき世界経済の不安、後発開発途上国の貧困、資源争奪戦、地球温暖化などまさにグローバルな問題に至る。
 経済学は、こうした問題の現状分析にも有用な学問であるが、この授業では「現代の世界経済」をより根源的に理解するために、理論、歴史、現状分析の三本柱で授業を展開する。
 授業はパワーポイントを使って進めるが、スライド資料を配付するとただ聞き流してしまう恐れがある。そのため、項目などを記したノートテイク用のレジュメを配付するので、パワーポイントや板書、説明を参考に、自分の手で書き込みをしながら受講してほしい。
 また、第1回〜第5回の授業では、毎回数点の参考文献を紹介するので、その中から少なくとも1冊は受講中に読んでほしい。その読書は課題として成績評価にも組み込まれている。

受講生の到達目標

1. 「現代の世界経済」を支える基本的な「国際経済学」の理論を理解し、それが成立するに至る歴史と諸制度について理解できる。
2.  IMF-GATT体制崩壊後の為替レート並びに国際収支不均衡の原因、帰結、国内的及び国際的な対応について理解できる。
3. 2008年金融危機、所得・資産格差問題、「機械(AIと自動化)との競争」、移民問題、排外主義など、近年の世界経済のトピックに関して自らの意見を根拠に基づいて展開できる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
第1回

「現代の世界経済」を学ぶために

1. 「現代」とは何か、「経済」とはなにか
2. 市場経済、資本主義(資本制)経済
3. 市場経済、資本主義(資本制)経済以外の経済

第2回

経済発展の諸要因:自然環境、精神、制度

1. 人間と自然とのかかわりはどのようなものか?
2. どのような自然環境が経済発展を促したののか?
3. どのような精神、制度が資本主義を誕生させたのか?

第3回

経済発展の諸段階

1. 発展段階論とは何か?
2. マルクスの発展段階論はどのようなものか?
3. 発展段階論にはどのようなものがあるのか?

第4回

産業革命:近代資本主義の成立

1. なぜ近代資本主義はイギリスから始まったのか?
2. 「産業革命」?
3. 産業革命は何を変えたのか?

第5回

国際分業と資本主義世界の形成

1. なぜ貿易をするのか?
2. 比較生産費説とは何か?
3. 資本主義世界はいかに形成されたのか?

第6回

大恐慌とニューディール:自由放任主義の帰結と終焉

1. 自由放任主義が行き着く先はどこなのか?
2. 大恐慌はいかなるものであったのか?
3. ニューディール政策は政治経済をどのように変えたのか?

第7回

IMF・GATT体制の成立と戦後経済繁栄:パックス・アメリカーナ

1. ブレトンウッズ協定:国際通貨基金(IMF)と固定相場制
2. GATT体制:自由、無差別、多角的な貿易体制
3. 1946年雇用法とケインズ主義の確立

第8回

1970年代のスタグフレーションと新自由主義時代の幕開け

メディア授業
1. ケネディ=ジョンソン民主党政権と「貧困の再発見」
2. 2つの戦争:「貧困との戦い」とベトナム戦争
3 スタグフレーションとケインズ主義の「終焉」
4. レーガノミクスと新自由主義の幕開け:マネタリズムとSSE(供給重視の経済学)
【+R授業】詳細はmanaba+Rを参照

第9回

アジアの経済発展と日本

ゲストスピーカー:足立文彦先生(金城学院大学名誉教授)

第10回

2008年世界金融危機

1. 多国籍企業と多国籍銀行:ユーロ・カレンシー市場の形成
2. ニクソン・ショックと変動相場制への移行
3. オイル・マネーとラテンアメリカの累積債務問題
4. 「東アジアの奇跡」からアジア通貨危機
5. ドル高政策とグローバル貯蓄過剰
6. 救済(bailout)と金融権力

第11回

所得・資産格差問題

1. 長期停滞論
2. 所得・資産格差
3. ウォール・ストリートの経済権力と政治権力

第12回

雇用、労働市場の変容と労働組合の衰退

1. 二重労働市場論:内部労働市場と外部労働市場
2. 産業立地と構成の変化
3. 労働組合の衰退
4. ウォルマート問題と「機械との競争」
5. ベーシックインカム論

第13回

国境を越える人と移民問題

メディア授業
1. アグリビジネスと穀物メジャー
2. バナナ帝国
3. ドナルド・トランプによる国境の壁建設問題と移民キャラバン

第14回

60分間の確認テスト+35分の講義(事後説明・解説)

対面授業に変更。
確認テストを実施。

授業実施形態

原則対面で実施。第8、13回はメディア授業。

授業外学習の指示

1. 経済学を専門としない学生を対象とする授業であるので、できるだけ分かりやすい説明を心がける。そのため授業に臨むのにとくだんの予習は必要としない。スライド資料は配付せず、ノートテイク用のレジュメのみ配付するので、スライドや説明、板書などから自らのノートを作成することが求められる。それに基づき、授業終了時に、復習として内容をまとめたり考えたりしたことを、200字以上のコメントシートとしてmanaba+Rに提出すること。期限厳守。成績評価の42%に相当。
2. 第1回〜第5回の授業では、毎回数点の参考文献を提示する。履修期間中にその中から少なくとも1冊は読むことが求められる。読んだ本については、紹介と「自ら考えたこと」を2000字以上書いて、期限までにmanaba+Rに提出する。成績評価の10%に相当。
3. 第14回の授業では、第1回〜第13回の授業内容に関する60分の確認テストを、manaba+Rを用いて実施する。上記1で述べたような授業中のノートテイクや、復習の状況が確認される。成績評価の48%に相当。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

コメントシート42%(毎回授業の終了時にManaba+Rに提出することを求めます。原則200字以上。期限厳守。1回3点相当。)。
参考文献1冊の紹介文10%(紹介と「自ら考えたこと」を2000字以上書いて、期限までにmanaba+Rに提出する。)。
確認テスト48%(第14回にmanaba+Rの機能を活用して授業の理解を問う。)。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

 「現代の世界経済」というのは、経済学の他の特定分野とは異なり、「標準的なテキスト」(誰もが教えるべき、学ぶべき内容を過不足なく含むもの)は見当たりません。私はこれまでの経験を総合してこの講義に臨みます。受講生は、その中の1点でも引っ掛かりを探し、その点について自ら深く、尖った知識を身につけるよう心がけてください。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

コミュニケーションペーパー,manaba+R

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/