授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
15823:[2025 秋セメスター]多文化共生論(S) 2025 秋セメスター 月3 産業社会学部 孫 片田 晶 2

キャンパス

衣笠

授業施設

以学館IG302号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

【授業の概要】
 「多文化共生」はジェンダーや障がいなど様々な軸を含みうる理念だが、この授業ではグローバル化する世界と国民国家における「人種」・エスニシティの軸にフォーカスして、多様な人々がともにつくる公正な社会とはどのようなものなのか、また、どうすればそこに至ることができるのかを考える。
 特に今年度はアメリカ社会における多文化主義の歩み、人種主義とそれに対する変革の思想や文化に時間を割く。同時に、日本社会の現在の移民(外国人)、および、歴史的なマイノリティ、特に在日コリアンを取り巻く社会構造と現在的課題、彼らの経験、声について学ぶ。また、地域社会で育まれてきた共生の実践にも視野を広げつつ、「多文化共生」に託される課題について考察する。
 授業は講義を中心とする。ほぼ毎回の授業で、授業内容についての考察課題や理解を深めるための文献のリーディングなどを課す(manaba+R を活用)。また、理解を確認するための小テストを3回行う。


【授業の方法】
本科目は大学設置基準ならびに立命館大学産業社会学部則、立命館大学大学院社会学研究科研究科則において、区分を面接授業とする。詳細な実施方法については、manaba+Rのコースニュース、「授業スケジュール」および「授業実施形態」欄を確認のこと。

受講生の到達目標

(1)「国民国家」「人種」「エスニシティ」「移民」に関する基本問題や概念を説明することができる。
(2)「多文化主義」をめぐる論争の基本的内容を理解したうえで、「多文化」の理念が平等・公正な社会の実現のために果たしうる役割を説明することができる。
(3)日本社会を構成する人々の多様性と今日の課題状況について確かな知識を身につけ、「多文化共生」のあるべき姿とその実現の道程について自らの意見を述べることができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

グローバル化や国民国家に関するトピックを扱う授業はもちろんのこと、ジェンダー、階層、教育格差、障害、市民社会といったテーマに関する授業をいくつか履修してから本授業を履修すること、あるいは、同時に履修することをおすすめします。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

日本社会のいまとこれから―多文化共生に託された課題とは

グローバル社会と移民、移民政策、社会統合、マイノリティ/マジョリティ、ルーツ/ルート

2

人の移動と国民国家―世界の歴史といま

人の移動の歴史、グローバル化、想像の共同体、エスニックな/シビックなネーション

3

移民とエスニシティ―変容と継承

国境を越えること、世代、移民の家に生まれること、同化と差異化の諸理論、非正規移民

4

植民地主義と人種主義―「人種」を語るべきか否か

ポスト/コロニアリズム、差異の構築(人種化)、人種主義の変容

5

アメリカの多文化主義1―公民権運動とアイデンティティの政治

移住者型植民地主義、Black Power、抵抗の人種、構造的人種主義

6

アメリカの多文化主義2―アメリカ社会の再定義

エスニック・スタディーズ、カリキュラム論争、アメリカ型多文化主義、アジア系アメリカ人

7

アメリカの多文化主義3―平等・公正な教育とは

多文化教育の挑戦、反人主主義の教育、マジョリティに注目する白人性研究

8

インターセクショナリティー「人種」とジェンダーの交差

概念の交差性、マイノリティ文化とジェンダー(ヒップホップと女性達)、深化する連帯

9

多文化と変革の思想―多様な人々がつくるより公正な社会とは

多文化市民権、差異と社会的正義、カルチュラル・スタディーズ

10

ゲストスピーカーを招いて1

日本社会の歴史と思想の研究から ※日程は未定

11

近代「日本人」と日本のマイノリティ

日本列島のルーツ、構築される日本人と他者、日本の人種主義、戦後の歴史の忘却と外国人化

12

在日コリアンと日本社会

集合的アイデンティティ、反差別の市民運動

13

ゲストスピーカーを招いて2

社会に変化を起こす活動の現場から ※日程は未定

14

多文化共生社会の構想―市民社会の歩みとして

多様化する日本社会の構成員、地域社会の歴史と力、DE&Iの行方

授業実施形態

対面授業【+R授業】は第1回授業で実施します。詳細については、manaba+Rにて周知します。

授業外学習の指示

授業内容についての理解を深めるためのリーディング・マテリアルを随時配布(manabaで配信)するので、それを読み、内容についての考察を提出してください。その他、授業で配布される資料にはしっかり目を通すこと。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

講義内容に関連した資料を読んで考察を提出するなどの課題を全体で10個以上出します。その提出数と内容、および、授業内容の基本的な理解を問う小テストの点数で評価します。

成績評価方法(備考)

平常点100%の授業です。全体の半分以上の出席と課題提出を成績評価の前提条件とします。授業へのまじめな参加姿勢をもつこと、講義内容についての正確な理解を獲得すること、自分自身の興味関心を活かして差異と多様性の問題への理解と考察を深めること、身のまわりの出来事や社会問題について批判的・創造的な思考を発揮することを重視します。平常点課題の提出物で各人のこうした力量を示してください。小テストはその時出席している人を対象に授業中に行います。

受講および研究に関するアドバイス

近年、日本社会では多文化共生への関心は高まっています。しかし、日本の多文化共生(日本における多文化主義)は、「コスメティック」(表層的)であり、社会の構造的な不平等や、マイノリティとマジョリティの間の権力関係を温存する傾向が強いという問題が指摘されています。このような問題の一因として、日本では○○人や○○文化について人々が考え、対話することに役立つ言論や研究の蓄積がまだ少ない現状があります。そこで、授業の外でも、新聞やテレビのニュース、様々な背景をもつ友人のことや、コンビニや飲食店などで働く人々、映画の配役、小説や漫画の世界構成などなど、普段の生活で接する「カテゴリー(○○人など)」や「文化」をめぐる気づきを大事にし、多文化共生についての自分の問題関心を発展させていってほしいです。社会階層(社会的地位や経済力の格差)やジェンダー、セクシュアリティなど様々な軸について各人が既に持っている知識や問題関心は、「多文化共生」について考える際に役立てることができます。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
アメリカ多文化社会論〔新版〕―「多からなる一」の系譜と現在 南川文里 法律文化社 9784589042064
日本の人種主義―トランスナショナルな視点からの入門書 河合優子 青弓社 9784787235190
移民政策とは何か―日本の現実から考える 髙谷幸編 人文書院 9784409241240
にほんでいきる―外国からきた子どもたち 毎日新聞取材班 明石書店 9784750351193

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考

ゲストスピーカーによる講義回について、実際の日程は未定です。決まったらお知らせします。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/