授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
33981:電子回路Ⅱ(6T) 2024 春セメスター 木3 理工学部 佐保 賢志 2

キャンパス

BKC

授業施設

コラーニングⅠ 403号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 MOSFETを中心に構成される電子回路の特性解析と設計方法論を解説する。具体的には、基本増幅回路の設計方法論及び高周波特性解析、差動増幅回路、オペアンプとその演算機能について習得する。講義中に実施する小演習を通じて基礎的な知識と解析について学ぶと共に、レポート課題を通じて初歩的なアナログ電子回路の設計方法を修得する。
 毎回の講義は、板書をベースとする講義+小演習となる。そのため、板書をメモするためのノート等や小演習を解くためのレポート用紙等を準備すること。

受講生の到達目標

(1)トランジスタ1つを用いた基本増幅回路について、各接地回路の特性の導出と説明ができると共に、周波数特性も考慮した設計ができる。
(2)2つ以上のトランジスタで構成される実用的な回路(差動増幅回路、カレントミラー、CMOSオペアンプ)について、各々の役割と意義を特性解析に基づき説明できる。
(3)オペアンプを用いた増幅・演算回路について、特性解析と簡単な回路の設計ができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

電子回路I、電気回路I、電気回路II、論理回路
※電子回路Iも含め、これらの科目で学んだ内容についても復習も交えながら説明するので必須というわけではないが、これらの基礎的な知識がある方が理解がスムーズになる。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

ガイダンス、電子回路の考え方、トランジスタの基礎

等価回路、MOSFET、BJT、NMOS、PMOS、CMOS (教科書5~7章の要点のみ)

2〜4

トランジスタ基本増幅回路

小信号等価回路、ソース接地回路、ドレイン接地回路(ソースフォロワ)、ゲート接地回路、エミッタ接地回路、入力インピーダンス、電圧利得、電流利得(教科書8章)

5

増幅回路の設計

バイアス、動作点、トランスコンダクタンス、カップリングコンデンサ(教科書7章をMOSFETに変更)

6〜7

増幅回路の周波数特性

寄生容量、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、低域遮断周波数、高域遮断周波数(教科書9章をMOSFETに変更)

8〜10

差動増幅回路

差動利得、同相利得、Common Mode Rejection Ratio (CMRR)
カレントミラー回路、能動負荷、CMOSオペアンプ(教科書10章及び11章の一部)

11〜12

オペアンプ

理想オペアンプ、ユニティゲインバッファ(ボルテージフォロワ)、反転増幅、非反転増幅、加算回路、減算回路、微分回路、積分回路(教科書11章)

13

実用的な電子回路の例

負帰還回路、各種アンプ、CMOS応用(教科書12章の一部)

14

総まとめ演習

15

最終確認テストと解説

授業実施形態

全ての回を対面授業で実施。

授業外学習の指示

・講義中に終わらなかった小演習については、必ず次回講義までに終わらせておくこと。
・教科書ではLTspiceによる回路シミュレーションについても取り扱われているが、講義内ではシミュレーション結果の提示のみとなるので、深く理解するためには教科書を参考に回路シミュレーションを併用しながら学ぶことをお勧めする。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

第15回に実施する最終確認テスト、第1~13回の小演習及び第14回の総まとめ演習、中間レポートにより評価する。

成績評価方法(備考)

 最終確認テストでは、基礎知識と簡単な回路の解析・設計について総合的に問い、受講生の到達目標の全ての項目について達成度を評価する。
 中間レポートは6月中旬提出を予定しており、基本増幅回路の設計を主な題材として出題し、受講生の到達目標(1)を中心に達成度を評価する。議論の質、設計・解析手順の明瞭さ、図表や文章のクオリティを評価する。

受講および研究に関するアドバイス

 電子回路Iが未修得の学生であっても理解できるよう各回路について初歩的なところから解説するので、そのような学生もぜひ受講してほしい。ただし本講義では電子回路Iで学んだ基本回路を深く掘り下げることが多いので、可能な限り電子回路Iの内容を復習しておく、あるいは電子回路Iの参考書等や本講義の教科書の第7章までを読んでおくことが望ましい。
 電子回路は実用的な部分と高度な数学が入り混じった複雑な学問であるため、講義内容を自分なりに整理した上でまずは各回路の実用的な役割を定性的に理解し、続いて等価回路や周波数特性など理論の細部を理解する、という手順で学習することをお勧めする。

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
等価回路でしっかり理解! 詳解 電子回路 𠮷川武文, 三木拓司 オーム社 9784274227349

教科書(使用頻度、その他補足)

講義では本教科書の8章~12章冒頭部を要約して解説する。毎回の講義で教科書を参照するが、要点は板書及び配布資料でわかるようにする。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
アナログ電子回路の基礎 藤井信生 オーム社 427421608X

参考書(使用頻度、その他補足)

MOSFETの周波数特性やオペアンプの平易な解説について、上記参考書を時々参照する。興味がある学生は該当部分について本参考書を読むこと。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考


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URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/