授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
30157:[2025 春セメスター]生体分子機能・構造化学(M) 2025 春セメスター 金4 生命科学部 後藤 祐児 2

キャンパス

BKC

授業施設

フォレストハウス301号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 20 種類のアミノ酸からなる直鎖高分子である蛋白質は、生命現象を司る機能を持つ機能性高分子である。構造化学・分子科学の視点から、この生理機能の仕組みを、配列、構造、機能へと順にたどりながら学ぶ。はじめに、蛋白質立体構造をデータバンクの原子座標をもとに表示する方法を解説する。次に立体構造の階層性、構造化学的特徴と機能との関連性の詳細を解説する。続いて、活性部位構造、全体構造に基づき、分子認識や、抗原抗体反応、代表的な触媒反応の原子レベルでの仕組みを解説する。さらに、蛋白質の凝集がアルツハイマー病やパーキンソン病をはじめとするさまざまな疾患をもたらすことが明らかとなっているが、これらの分子機構を解説する。また、構造予測や液液相分離などの現代的な課題にも紹介する。蛋白質の「構造と機能」に関する知見は、医学的な応用だけでなく、高度な機能性分子の設計にも応用できる可能性を秘めている。これらの応用には、構造化学的理解は欠かせない。
本科目の授業実施形態:対面

受講生の到達目標

・蛋白質の原子構造を表示するとともに、さまざまな蛋白質を構造や機能に基づいて分類できる。
・蛋白質の構造化学的特徴を化学、構造生物学の用語を用いて説明できる。
・蛋白質の分子認識や触媒反応の機構を活性部位の構造化学的環境や遷移状態理論などに基づいて説明できる。
・蛋白質の凝集が引き起こす病気の発症機構を蛋白質の構造安定性、溶解度や相転移に基づいて説明できる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

物理化学I, 物理化学II, 生物物理化学, 生化学1

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

本科目は+R授業対象科目。第1回に+R授業を実施。詳細はmanaba+Rを参照

本科目の概要をスライドによって解説する。

1

配列から構造(1)

序論:蛋白質構造と構造化学、蛋白質立体構造データバンク

2

 配列から構造(2)

階層構造、2次構造、3次構造、4次構造、構造の分類方法

3

配列から構造(3)

構造を担う相互作用:疎水的相互作用、静電的相互作用

4

配列から構造(4)

ドメインスワッピング、α→β転移、セルピン蛋白質、天然変性蛋白質

5

配列から構造(5)

さまざまな分子シャペロンとその役割

6

構造安定性(1)

溶液構造と測定法、動的構造、二状態転移、平衡論と速度論

7

構造安定性(2)

変性の熱力学、低温変性

8

構造安定性(3)

フォールディングの速度論、一分子測定

9

構造から機能へ(1)

酵素反応、結合部位の構造と特徴, 触媒反応、遷移状態

10

構造から機能へ(2)

抗体の構造と機能

11

構造多様性と病気(1)

蛋白質凝集と病気、脳変性疾患、アミロイド―シス

12

構造多様性と病気(2)

アミロイド線維の構造と形成機構

13

構造多様性と病気(3)

溶解度と過飽和に基づくアミロイド線維形成

14

蛋白質科学の現在とこれから

構造予測、液液相分離と液液相分離、過飽和生命科学の開拓など

授業実施形態

 授業中にPDBjデータベースを用いて蛋白質の立体構造を表示するので、各自ネットにアクセスできるノートパソコン等を持参する。

授業外学習の指示

・授業はスライドを中心に行います。スライドデータは事前にmanaba+Rにアップグレードします。授業開始までにスライドデータを印刷して、授業の準備をしておきましょう。
・復習において、スライドの要点および補足説明をノートに整理しましょう。各スライドが理解できるまで、時間を惜しまず徹底的に知識の整理を行いましょう。
・講義で学んだ構造について、立体構造表示ソフトなどで細部を確認することも理解に役立ちます。
(大学設置基準では2単位の授業は、授業30時間、予復習に最小60時間となっています。)

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 50

授業内容の理解度を評価する。資料等の持ち込み不可。

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
50

以下の1~3より総合的に評価する。
1.授業への参加や質疑などの取り組み状況
2.小テスト
3.課題提出(レポート、宿題等)

成績評価方法(備考)

。

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

授業では下記の参考書およびその他の資料から整理した内容を取り扱います。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
タンパク質科学: 生物物理学的なアプローチ 有坂文雄 裳華房 4785352442 オーソドックスな内容であるが、単元によっては解説が中途半端
タンパク質の構造と機能 ゲノム時代のアプローチ Gregory A. Petsko, Dagmar Ringe(横山茂之 (監訳), 宮島郁子 (訳)) メディカル・サイエンス・インターナショナル 978-4-89592-422-1
細胞の分子生物学 第6版 (第3章 タンパク質) Alberts, Johnson, Lewis, Morgan, Raff, Roberts, Walter()中村桂子, 松原謙一 (監訳) ニュートンプレス 978-4-315-52062-0 タンパク質科学の関しては入門書としてよい
ポストゲノム時代のタンパク質科学―構造・機能・ゲノミクス Arthur M.Lesk(高木淳一 (訳)) 化学同人 978-4759810790 内容的に古い
Introduction to Proteins: Structure, Function, and Motion, Second Edition Amit Kessel, Nir Ben-Tal Chapman and Hall/CRC ASIN‏ :‎ B07BN2MT26 大変詳しい。物理化学的内容は少ない
The Molecules of Life: Physical and Chemical Principles John Kuriyan, Boyana Konforti, David Wemmer W.W. Norton & Company ASIN‏ : B08KJR2X9V 網羅的。図がきれい。おすすめ。
Biophysical Chemistry Dagmar Klostermeier, Markus G. Rudolph CRC Press  ASIN‏ : ‎B07J1SJVXS 物理化学の内容が充実
Protein Actions: Principles and Modeling Ivet Bahar, Robert L Jernigan, Ken A Dill Garland Science ASIN ‏ : ‎ B06XNV1379 Bioinfomaticsの内容が充実。やや難しい。
基礎から学ぶ構造生物学 河野 敬一 (編集), 田之倉 優 (編集) 共立出版 978-4320056664
タンパク質科学―構造・物性・機能 後藤 祐児 (編集), 谷澤 克行 (編集), 桑島 邦博 (編集) 化学同人 978-4759810479 著者多数のため全体の統一感が不足するが、個々の解説はわかりやすい

参考書(使用頻度、その他補足)

講義スライド中での引用時は、「第一著者名、該当ページ」等を記載します。

参考になるwwwページ

蛋白質構造データベース
https://www.rcsb.org
https://pdbj.org/

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

スケジュール・講義内容等は、諸事情により変更される場合もある。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/