授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
15902:[2025 秋セメスター]グローバルスポーツ論(S) 2025 秋セメスター 木1 産業社会学部 金子 史弥 2

キャンパス

衣笠

授業施設

以学館IG401号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 本講義では、19世紀後半以降の近代スポーツの世界的な伝播・普及を端緒としたスポーツのグローバル化の過程を概観した上で、今日、グローバルな規模で展開される、1)スポーツ・ビジネス、2)スポーツ政策、3)スポーツ・メガイベントに関わる事象、取り組み、運動、について解説する。その際、特に留意したいのは、「グローバル化」という現象が一方向的に進むのではなく、国家の「再統合」や「ナショナリズム」の高揚、ローカルによる「抵抗」などを伴いながら生じている点である。本講義では、こうした「グローカル」な視点およびグローバル化がもたらした政治的、経済的、社会的変化を踏まえながら、スポーツのグローバル化の過程を捉え直すとともに、現代社会におけるスポーツの位置およびその文化的特徴について考察してみたい。
 授業は原則対面授業の形で行い、講義を中心とする。毎回の授業の終了時に、 manaba+R を用いて小レポートの提出を求める。小レポートには授業内で提示した設問に対する回答および授業に対する感想、質問を記入する。それらのうちの特徴的なものについては、次回の授業の冒頭で取り上げ、紹介するとともに補足的な説明を行う。期末レポート課題については、後日 manaba+R で講評を行う予定である。

キーワード:グローバル化、ナショナリズム、グローカル、スポーツ・ビジネス、スポーツ政策、スポーツ・メガイベント

受講生の到達目標

 本講義の目標は、受講者が、1)現代のグローバル社会におけるスポーツの位置と文化的特徴を「スポーツ・ビジネス」、「スポーツ政策」、「スポーツ・メガイベント」との関わりから論じることができる、2)スポーツに関する具体的事例を通じて、グローバル化が一方向的に進展するのではなく、国家の「再統合」や「ナショナリズム」の高揚、ローカルによる「抵抗」などを伴いながら進む現象であることを理解する、3)スポーツが今日直面する様々な課題について「批判的に考える」という姿勢を身につける、ことである。以上の目標を達成していく中で、スポーツが歴史や政治、経済、社会的状況の影響を受けて成立している文化であることを認識してほしい。

事前に履修しておくことが望まれる科目

 スポーツ社会専攻以外の学生を含め、予備知識がなくとも受講可能である。ただし、講義の内容をより深く理解したい場合には、「スポーツの歴史と発展」、「スポーツと現代社会」、「比較スポーツ論」、「スポーツ産業論」、「スポーツ政策論」などをあわせて受講することが望まれる。また、「比較政治論」、「国際社会論」など政治、経済、文化のグローバル化に関連した講義をあわせて受講し、産業社会学部の特長である「クロスオーバーラーニング」を実践することで、グローバルな規模で展開されるスポーツに関わる事象、取り組み、運動を多面的に捉えることを試みてほしい。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
第1回          <対面授業>

イントロダクション:スポーツのグローバル化

グローバル化、ナショナリズム、文化帝国主義、グローカル、           
スポーツ・ビジネス、スポーツ政策、スポーツ・メガイベント
【+R授業】詳細はmanaba+Rを参照。

第2回          <対面授業>

グローバル・スポーツ・ガバナンス①

キーワード:
国際オリンピック委員会(IOC)、「オリンピック・システム」、
国際競技連盟(IF)、国内競技連盟(NF)

第3回          <対面授業>

グローバル・スポーツ・ガバナンス②

キーワード:
国際オリンピック委員会(IOC)、「オリンピック・システム」、
国際競技連盟(IF)、国内競技連盟(NF)

第4回          <対面授業>

グローバル化するスポーツ・ビジネス①:
プロ・スポーツのグローバルな展開

キーワード:
商業化、「植民地」化戦略、アメリカ/ヨーロッパのプロ・スポーツ、
ファン・レジスタンス、アジア戦略

第5回          <対面授業>

グローバル化するスポーツ・ビジネス②:
スポーツ労働移民

キーワード:
移動のパターン、リクルート・システム、ボスマン判決、国籍

第6回          <対面授業>

グローバル化するスポーツ・ビジネス③:
スポーツ用品産業のグローバルな展開

キーワード:
ブランディング、スポンサーシップ、企業ナショナリズム、
CSR、人権・労働問題

第7回          <対面授業>

スポーツ政策のグローバルな潮流①:
「グローバルスポーツ軍拡競争」

キーワード:
スポーツの「国家戦略」化、ナショナリズム、エリートスポーツ、
タレント発掘・育成、スポーツ・インテリジェンス

第8回          <対面授業>

スポーツ政策のグローバルな潮流②:
スポーツ・インテグリティ

キーワード:
スポーツ・インテグリティ、世界アンチ・ドーピング機構、
ガバナンス・コード

第9回          <対面授業>

スポーツ政策のグローバルな潮流③:
開発と平和のためのスポーツ

キーワード:
スポーツ・フォー・オール、オリンピック休戦、
スポーツを通じた国際貢献、持続可能な開発目標(SDGs)

第10回          <対面授業>

スポーツ政策のグローバルな潮流④:
スポーツと社会統合

キーワード:
多民族国家、ナショナリズム、多文化主義、
リベラル・ナショナリズム、開発のためのスポーツ

第11回          <対面授業>

スポーツ・メガイベントをめぐる現代的課題①

キーワード:
都市開発、経済効果、ジェントリフィケーション

第12回          <対面授業>

スポーツ・メガイベントをめぐる現代的課題②

キーワード:
環境問題、持続可能性

第13回          <対面授業>

スポーツ・メガイベントをめぐる現代的課題③

キーワード
ソフト・レガシー

第14回            <対面授業>

「スポーツのグローバル化」再考

キーワード:
グローバル化、ナショナリズム、グローカル、スポーツ・ビジネス、
スポーツ政策、スポーツ・メガイベント、グローバルスポーツ人材

授業実施形態

第1~14回対面で実施する。
【+R授業】は第1回授業で実施します。詳細については、manaba+Rにて周知します。

授業外学習の指示

 講義のレジュメやノートを見直し、また、適宜講義中に紹介した参考文献に当たるなどして、本講義の内容について定期的に復習すること。
 また、本講義と関連して、日頃からスポーツに関する新聞記事や雑誌に目を通したり、ニュース番組やドキュメンタリー番組を観ることが望まれる。その際、スポーツ競技の結果やアスリートの人物像・人生に焦点を当てたものを読む(観る)ことも重要であるが、できれば「グローバルな規模で展開されるスポーツに関わる事象、取り組み、運動」、「スポーツと社会の関係性」について描いたものをより積極的に読む(観る)ことを心掛けてほしい。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

①毎回の小レポートの提出(全14回、30%)。設問に対する回答および講義に関する感想、質問などを記入する。9回以上提出していない場合は、評価の対象から外す(自動的にF評価となる)。
②授業内での期末レポートの提出(70%)。期末レポートは、1)講義の内容を適切に理解しているか、2)自学自習を通じて、講義の内容を発展的に理解できているか、3)講義の内容を踏まえて、自分なりの問題意識を提示できているか、以上3点に基づいて評価する。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

 本講義では、ただ知識を獲得するだけでなく、自らの問題意識を養うことを受講者に求める。そのためには、第1に日頃からスポーツを「当たり前」のものとしてみるのではなく、「批判的」にみることを意識してほしい。第2に、スポーツを「スポーツ」という視点からのみ考えるのではなく、歴史や政治、経済といった様々な視点と関連づけて考えようとすることが重要である。第3に、講義に主体的に参加する(積極的にメモを取る、気になった点は質問する、参考文献を読む)ことを心掛けてほしい。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

教科書は特に使用しない。講義ごとにレジュメや資料を配付し、それに基づきながら講義を進める。配布物はファイルやバインダーなどを用いて大切に保管すること。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
スポーツの世界地図 Alan Tomlinson、 阿部生雄ら監訳 丸善出版 978-621-08546-2 スポーツ界の現状および各スポーツ種目の歴史に関連して
近代ヨーロッパの探究8・スポーツ 有賀郁敏ら ミネルヴァ書房 4-623-03509-3 各国における近代スポーツの伝播・普及・受容過程に関連して
スポーツと帝国――近代スポーツと文化帝国主義 A・グットマン、 谷川稔ら訳 昭和堂 4-8122-9712-5 各国における近代スポーツの伝播・普及・受容過程に関連して
スポーツの世界史 坂上康博ら編 一色出版 978-4-909383-04-4 各国における近代スポーツの伝播・普及・受容過程に関連して
スポーツ・インテリジェンス――オリンピックの勝敗は情報戦で決まる 和久貴洋 NHK出版 978-4-14-088415-7 スポーツの「国家戦略」化に関連して
オリンピックが生み出す愛国心――スポーツ・ナショナリズムへの視点 石坂友司・小澤考人編 かもがわ出版 978-4-7803-0778-8 スポーツの「国家戦略」化とナショナリズムをめぐる問題に関連して
スポーツ・インテグリティの探究――スポーツの未来に向けて 勝田隆・友添秀則監修 大修館書店 978-4-469-26845-4 スポーツ・インテグリティの概念とそれに関わる取り組みに関連して
スポーツで挑む社会貢献 小林勉 創文企画 978-4-86413-086-8 開発と平和のためのスポーツに関わる取り組みに関連して
スポーツと国際協力――スポーツに秘められた豊かな可能性 齊藤一彦・岡田千あき・鈴木直文編 大修館書店 978-4-469-26773-0 開発と平和のためのスポーツに関わる取り組みに関連して
現代オリンピックの発展と危機1940-2020――二度目の東京が目指すもの 石坂友司 人文書院 978-4-409-24120-2 オリンピックをめぐる諸課題に関連して
<メガイベントの遺産>の社会学――二〇二〇東京オリンピックは何を生んだのか 石坂友司・小澤考人・金子史弥・山口理恵子編 青弓社 978-4-7872-3547-3 スポーツ・メガイベントをめぐる現代的課題に関連して
グローバリゼーション――移動から現代を読みとく 伊豫谷登士翁 筑摩書房 978-4-480-07448-5 「グローバリゼーション」という社会現象に関連して

参考書(使用頻度、その他補足)

 ※その他の参考文献については、講義内で紹介する。

参考になるwwwページ

・ inside the games (https://www.insidethegames.biz/)
・ Play the Game (http://www.playthegame.org/)
・ Sportcal (https://www.sportcal.com/)
・ sportanddev.org (https://www.sportanddev.org/en)
・ 国際オリンピック委員会:IOC (https://www.olympic.org/the-ioc)
・ スポーツ・アコード:SportAccord (https://www.sportaccord.sport/)

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/