授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
30839:[2025 春セメスター]スポーツの歴史と発展(EB) 2025 春セメスター 水3 経済学部 平石 貴士 2

キャンパス

BKC

授業施設

コラーニングⅠ 203号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

【キーワード】
スポーツ史 古代スポーツ 中世スポーツ 近代スポーツ スポーツとジェンダー スポーツとメディア ライフスタイルスポーツ 障害者スポーツ オリンピック

【授業の概要】
現代社会において重要な文化となったスポーツは、大規模な娯楽やエンターテイメントに成長しただけでなく、国家が大量の予算を投入して育成する公的な文化となってきた。そのため今やスポーツの概念は教養の基盤として学ぶべきものとなっている。しかしながら、現代メディアや学校での部活動を通して獲得できるスポーツのイメージは限られていて、スポーツの歴史を見通す知識が不足している。そこで本講義は、「近代スポーツ」の概念を歴史を見る視点の中心において、スポーツが現代において成立するようになっていった歴史的・社会的条件を歴史の発展過程のなかに追っていく。
その点では、本講義は、現代の身近なスポーツのあり方になる以前の歴史を中心に扱うため、多くの受講生にとっては「知らないこと」ばかりを扱うことになるだろう。自分の知っている今のスポーツの世界を投影するのではなく、まったく知らないスポーツの歴史的世界に対して積極的に知っていこうとする態度があるならば、本講義は有意義になるだろうと思われる。
本講義は、古代・中世ヨーロッパから近代イギリスでの近代スポーツの成立、近代スポーツから現代スポーツの展開までを扱う。扱う種目は時代によって様々であり、あらゆる種目への関心を必要とするので、種目を越えて、スポーツなるものがいかに成立するかという関心で歴史を見ていってほしい。

受講生の到達目標

①「近代スポーツ」とは何かを理解し、説明するこができる。具体的に、どういった条件が必要であり、どのような歴史的過程から近代スポーツが成立したかを論じることができる。
②古代・中世のスポーツを論じることができ、近代のスポーツとの違いを体系的に説明することができる。
③プロ・スポーツ、障害者スポーツ、ライフスタイルスポーツ、Eスポーツなどの現代的なスポーツのあり方を、「近代スポーツ」概念との関係のなかで、正確に説明することができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
+R

授業の進め方・評価方法・シラバスの確認

動画配信による20分のオンデマンド型授業、教員の自己紹介、授業の概要と評価方法の確認、シラバスの確認、授業開始前の受講生アンケートの実施

1

スポーツ史の概要:導入講義

スポーツの語源と語義の変遷、スポーツ史における近代スポーツ論(N.エリアス、A.グートマンの議論)の重要性、遊び論によるスポーツの定義(J.ホイジンガ)、古代・中世スポーツを見る視点としての宗教と暴力、近代スポーツの成立条件としての連盟組織

2

古代ギリシャと古代オリンピック:BC8世紀〜BC.5世紀

ギリシャの宗教とスポーツ、古代のスポーツ施設、古代オリンピックの競技種目:短距離走、円盤投げ、槍投げ、レスリング、パンクラチオン、古代における計測技術の不足、古代におけるプロ選手論争

3

古代ローマのスポーツ:BC2世紀〜AD.4世紀

ローマの宗教とお祭りという形での古代のスポーツ大会、古代オリンピックの継承、古代ローマの戦車競技や古代ローマの剣闘士に見る古代のスポーツ・エンターテイメント:パンとサーカス、奴隷の選手、4色チームや剣闘士のタイプ分け

4

ヨーロッパ中世における貴族と農民のスポーツ:11〜16世紀

貴族のスポーツ:馬上槍試合(トーナメント)のスポーツ史における重要性、パ・ダルムと現代テニスの関係、宮廷恋愛とスポーツ、農民のスポーツ:お祭りにおける遊び、宗教と農業の暦による中世スポーツの時空間、民衆フットボールの世界

5

ヨーロッパ中世における聖職者と市民のスポーツ:11〜16世紀

現代テニスの起源としてのジュ・ド・ポーム:パリにおける王族・貴族・市民での流行、中世ドイツの市民たちの「自由射撃大会」(アーチェリー、射撃スポーツ)、中世イタリアの市民たちのカルチョ(民衆フットボールから近代サッカーへの途上)、中世のボール生産技術と近代の比較

6

近代スポーツ直前の時代:17〜19世紀前半の英国

賭けスポーツとブラッド(アニマル)スポーツの流行:競馬、クリケット、闘鶏、牛いじめ、公道法・動物愛護法の成立と近代スポーツ、宗教から離れたスポーツの始まり、この時代のスポーツの「プロ」

7

近代スポーツの成立:19世紀前半〜後半の英国

エリアスとダニングの近代スポーツ論(暴力の抑制論)、パブリックスクールにおける近代スポーツの成立:近代フットボールのルール形成過程とプリフェクトファギング制度、サッカーとラグビーの分離過程、近代スポーツの合法化(ヤング訴追事件)、近代の陸上連盟の成立、この時代のアマチュアリズムとプロ選手

8

近代スポーツ初期における女性とアメリカンスポーツの発生:19世紀後半

ヴィクトリア朝時代の女性スポーツ:美容体操、乗馬、テニス、女子教育と女性解放運動、女子スポーツウェアの開発とロングドレス・コルセット問題、中世のポームから近代リアルテニスへ、アメリカにおける野球・アメリカンフットボール、バスケットボール、バレーボールの発生

9

近代オリンピックの始まり:19世紀後半から第一次世界大戦まで

クーベルタン男爵と近代オリンピックの始まり:近代オリンピック以前のオリンピック復古、万博とオリンピック、第一次世界大戦前までの「初期」近代オリンピックの混乱、ドイツにおける独自なスポーツ運動としての「トゥルネン」、国民国家の成立と近代スポーツにおける全国統一ルールの組織化

10

近代日本のスポーツ受容:明治維新から第一次世界大戦まで

近代以前の日本のスポーツ、体育(体操)の授業によるスポーツ受容、坪井玄道の著作によるスポーツ受容、外国人招聘教師と部活動(学友会)によるスポーツ受容、嘉納治五郎と講道館柔道による柔道の近代スポーツ化(武術から武道へ)と国際化

11

近代スポーツの国際化:第一次世界大戦以降のスポーツ

IFの成立と国際的統一ルールの成立過程、オリンピックの現代化とスポーツメディアの台頭(ラジオ、映画)、1920年代における女性スポーツの発展(テニス、陸上競技):スザンヌ・ランランと人見絹枝、ベルリン五輪とメディア:レニ・リーフェンシュタールの映画とラジオ実況(「前畑頑張れ」)

12

プロスポーツの台頭とアマスポーツの商業化:1960年代以降のメディアとスポーツ

英国プレミアリーグ(サッカー)・米国MLB(野球)の1960年代以前のプロ、テレビの登場・FA解禁・最高賃金制度撤廃によるプロ年収の高騰、1970年代以降のオリンピックの商業化とプロ選手の解禁、現代におけるテレビ広告費によるアマチュアスポーツの商業化(近年のアメリカ大学スポーツの世界など)

13

障害者スポーツ:1945年以降の新しい現代スポーツ

現代スポーツ論(H.アイヒベルグの3つの区分)、障害者スポーツの区分、パラリンピック、スペシャルオリンピックス、デフリンピックの3つの国際大会の歴史、アダプテッド・スポーツの概念、ゆるスポーツ・超人スポーツなどの現代日本のテクノロジーを使用した新しいスポーツの動向

14

ライフスタイルスポーツ:1960年代以降の新しい現代スポーツ

エクストリームスポーツ(ベースジャンプ、バンジージャンプ)と飲料水メーカーからのスポンサード、「非競技系」スポーツとしてのライフスタイルスポーツの歴史(サーフィン、スケートボード、パルクール)、「非競技系」スポーツのオリンピック競技化

授業実施形態

第1回講義の前に、+R講義として、動画配信によるオンデマンド型の講義を20分実施するので、第1回講義の前に受講しておくこと。
第2回〜第14回講義については、基本的に対面講義で行う。

授業外学習の指示

本講義の単位取得には、1週間に180分程度の授業外学習が必要となる。

古代・中世、近代、現代の3つの時代区分ごとに課題を2つずつ出す。
①それぞれの時代のスポーツ史についての文献を読むレポート課題
②それぞれの時代を自由に論じるレポート課題
この2つの課題に答えるために、指定された文献を読んだり、自由レポート課題のために自分で調べものをしたりする授業外学習が必要となる。

授業で説明に使用するパワーポイントのスライド資料はmanabaR上でダウンロード配布するので、授業の復習に活用すること。

それぞれの時代の社会状況を捉えるためには、世界史についての知識が必要である。例えば、古代ポリスの市民や宗教、中世の貴族や農民の生活、近代における産業革命や国民国家形成、現代メディアの発展といった基礎的な歴史知識については、受講生の必要に応じて、その都度に学習を行うことが必要であろう。これらの知識がないと、講義で伝えているスポーツの意義を本当に掴むことは難しい。A評価を得るためには、このレベルの知識が必要であるため、スポーツ以外にも歴史を学んでいくという基礎的な教養を培う態度が必要である。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

古代・中世2回、近代2回、現代2回で、合計6回のレポート課題を出し、合計して平常点評価とします。すべてmanaba+Rに提出してもらいます。出席点はありませんが、代わりに多くの課題を出します。

【スポーツ史文献読解小レポート】3回
第3回の時に古代・中世、第7回の時に近代、第12回の時に現代に関わる、20〜40ページ程度のスポーツ史の文献PDF(参考書で挙げている『図説スポーツ史』を予定)を配布し、その資料を読んだ上で自分の考えを述べる小レポート。500字程度予定。

【スポーツ史調査レポート】3回
第5回の時に古代・中世、第10回の時に近代、第14回の時に現代に関わる、それぞれの時代のスポーツの特徴を自由に論じるレポート課題。1000字程度予定。

参考文献の提示や引用の仕方などの形式面も厳しく評価します。参考文献のないWeb記事を引用した場合は、著しい減点とします。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
図説 スポーツ史 寒川恒夫 朝倉出版
スポーツ史講義 稲垣 正浩・谷釜了正 大修館書店
サーフィン・スケートボー ド・パルクール : ライフス タイルスポーツの文化と政治 ベリンダ・ウィートン ナカニシヤ出版
スポーツの文化史 : 古代オリンピックから21世紀まで ヴォルフガング ベーリンガー 法政大学出版局

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

①本講義はレジュメの配布、課題の提示、課題の提出を全てmanaba+Rで実施する。それゆえに、受講生はmanaba+Rの利用が出来るようにしておくこと。

②レジュメ、講義に関する資料は、manaba+Rにアップロードするので、受講時には各自ダウンロードすること。

③合計6回のレポートを課すので、manaba+Rに提出すること。なお、レポートの提出には、提出期限を設定するが、遅れても必ず提出すること。

④遅れてでも課題を提出することで、授業に参加した=出席点の獲得とする。

⑤講義に関することは、manaba+R上で「コースニュース」、「掲示板」を用いて、講義情報や課題情報の提示、意見集約を実施する。それゆえに、情報をきちんと得るために、受講生はmanaba+Rを定期的に確認するとともに、manaba+Rのリマインド設定をしておいてほしい。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/