授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
13861:商取引法(J) 2022 秋セメスター 月1 法学部 品谷 篤哉 2

キャンパス

衣笠

授業施設

存心館ZS207号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

1.授業の概要
 広範囲に及ぶ企業法の中から、この授業では商法総則及び商行為法を扱います。条文では商法典の1条乃至31条、501条乃至617条が該当します。取引一般の中でもカネを除き、モノやサービスに関する企業取引に照準を合わせた内容です。また取引主体についても扱います。見方を変えれば、民法で扱う取引法一般の知識・理解を前提に、企業に関する特別法として捉えることも可能な内容です。
 授業内容に関する質問は、manaba+Rやメール等、オンラインで随時受け付けます。質問に関する回答については、原則としてmanaba+Rにおいて行います。また提出課題に関しては講評を行います。

2.授業の方法等
 授業方法は講義形式です。PPTスライド、教科書、板書、口頭解説から授業内容は構成されるので、PPTスライドを眺めるだけ、教科書を読むだけでは授業で取り上げた内容を理解したことにはなりません。予習をして授業に出席し、忘れずに復習するという、きわめてオーソドックスな形式で授業は進みます。またフィードバックの方法として、定期試験及び提出課題に対する全体講評を行う予定です。
 なお本授業は対面授業です(BCPレベル1・2の場合の授業方法を基準とします)。

受講生の到達目標

(1)民法で習う取引法一般と比べて企業取引が備える特徴を説明することができる。
(2)企業取引の背景に存する合理性・効率性への希求を説明することができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

 一般法である民法に対し、商法は特別法の位置づけです。民法の理解があると商法の理解に厚みを持たせられるので、民法の履修が望まれます。事前の履修のみならず本授業と同時並行の履修でも構わないので、民法(財産法)の科目をを履修するように心がけて下さい。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
第1回

授業の導入と概要

商法の意義、実質的意義の商法、商法の法源

第2回

商法の適用

商法の中心概念、商法の適用対象、民法との相違

第3回

商人と商行為

商人資格、各種の商行為概念、企業取引と商行為

第4回

商業登記(1)

商業登記の意義、登記事項、登記所の審査権

第5回

商業登記(2)

消極的公示力、積極的公示力 不実の登記

第6回

商号

商号選定の自由、商号単一の原則、名板貸責任

第7回

営業譲渡

営業の概念、営業譲渡の意義、営業譲渡の効果

第8回

商業帳簿

会計慣行、会計帳簿、貸借対照表

第9回

商業使用人

支配人の権限、支配権の制限、表見支配人

第10回

代理商・仲立人・問屋

3者の異同、3者の意義と権利義務、3者の具体例

第11回

商行為法総則(1)

商行為法の特徴、普通取引約款、定型約款

第12回

商行為法総則(2)

契約の成立、債権の担保、債務者・保証人の連帯

第13回

商行為法総則(3)

商行為の営利性、顕名主義と非顕名主義、商法504条但書の効果

第14回

商事売買

売主による目的物の供託・競売、確定期売買の解除、買主による目的物の検査・通知

第15回

交互計算・匿名組合

交互計算の効力、古典的交互計算理論と段階的交互計算理論、匿名組合員と営業者の権利義務

授業実施形態

【BCPレベル1~2の場合】
 対面授業を原則とします。ただい大学の定める配慮事由に該当するとして対面受講への配慮を申し出た受講生に対しては、ライブ配信を提供します。さらにやむを得ない理由により当該授業の時間にライブ配信を受講できなかった受講生に対し、録画データ等の授業資料をオンラインで提供します。
【BCPレベル3~4の場合】
 この授業が予定されている曜日・時限に、オンラインのライブ配信形式で実施します。

授業外学習の指示

 次回授業のPPTスライドを6日前までにmanaba+Rに掲載します(初回授業についても6日前までには掲載します)。スライドと教科書を使って予習に努めて下さい。予習時に理解しづらい箇所が出てきた場合、どのように理解しづらいのか、どこまでは理解できたのかをメモして授業に出席すると、理解が確実に向上します。授業後は忘れずに復習して下さい。復習の成否は、授業をどれだけ再現できるかがポイントです。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 45

定期試験が実施できない場合は、定期試験に代えて定期試験期間にオンラインで試験を実施します。

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
55

 提出課題を1回実施します。評価割合は45%です。他に、対面授業における発言及びそれに相当するオンラインでの連絡の内容(掲示板への書き込み、メール等による教員への質問等)の評価が10%です。

成績評価方法(備考)

 定期試験及び提出課題に記すべき内容は、授業で扱った内容であり、授業で扱った内容とは教科書、PPTスライド、板書及び口頭解説を含みます。先に記した「受講生の到達目標」に対応して、基本概念や語句の理解を確かめるとともに、適切な理解を前提とした洞察力を試す問題を出題します。答案の構成や論理性も評価対象です。

受講および研究に関するアドバイス

 一般市民の日常生活では直接的に関係しないので、商取引自体はあまりなじみがないでしょう。理解が困難で学習が思うように進まないこともあります。そのようなときはヴェーバーを思い浮かべて下さい。閉鎖的・因習的な市場に殴り込みをかけ、市場の勝利者となることを夢見た者をヴェーバーは経営者と呼称しました。この経営者に自分がなったと仮定してみて下さい。商取引の合理性・効率性と、その背後に存する利潤獲得・最大化への希求が感じとれるでしょう。そして利潤獲得の欲求は、経営者に限らず一般市民にも等しく当てはまると気づいた頃には、商取引法の内容が身近に感じられることでしょう。

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
コア・テキスト 商法総則・商行為法 川村正幸他 新世社

教科書(使用頻度、その他補足)

予習、授業および復習にて教科書を活用します。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
商法判例百選 神作裕之・藤田友敬編 有斐閣

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html